冷え性は、女性の半数以上が冷えを感じていると言われるぐらい、女性に多い症状です。女性は男性に比べて、筋肉量が少なく熱を作り出しにくいことや、皮膚の表面温度が低いこと、月経による影響などにより、血流が滞りやすいことが原因です。しかし、男性でも冷え性に悩む人は多いのです。今回は冷え性を改善するためにおすすめの食材をご紹介しましょう。

  • 手足が冷たい……冷え性には「かぼちゃ」を食べよう

どうして、冷え性になる?

私たちの体には、生命活動を維持するために、もともと体温を調整する機能があります。37度で酵素の働きは最も高まるといわれ、体の中心を37度に保とうとしているのです。そのため、冬のように、周りの環境の温度が下がると、皮膚の表面や手足の血管を収縮させて、熱が奪われないようにします。そうすると、手足に、血液が届きにくくなり、冷たくなりやすい状態になります。

また、冷え性に悩んでいる男性の中には、生活習慣病が関わっている場合があります。ストレス、運動不足による筋肉量の減少、動脈硬化などが体に引き起こされていると、血流が悪くなり、冷え性になる原因となります。

冷え性改善のためには、生活習慣を改善しよう

冷え性と生活習慣は関係が深いと考えられています。例えば仕事中、座る時間が多いデスクワークの人は、冷え性になりやすいと言われています。運動と異なり、同じ姿勢を長時間とり続けることで、大きな筋肉である足の筋肉をあまり使わないことから、血行が悪くなり、足の冷えを感じやすくなるのです。仕事の合間に立ち上がる、休憩時間に散歩する、階段を使うなど足を動かすことを日ごろから意識してみましょう。

体が冷えることで、頭痛や肩こり、腹痛や不眠などの体の不調につながることもあります。冷えが辛いと感じたら、体を温めることを考えながら生活してみましょう。

また、運動をすることで、体を温めることができます。なかなか運動時間がとれなくても、歩く速度を速める、軽く走る、歩幅を広くする、なるべく歩くようにするなど日常の中で体を動かす方法を見つけてみましょう。

また、寝る前は、お風呂で湯舟につかることで冷えた体を温めることができます。お風呂の後に軽くストレッチするとリラックスでき、冷えを解消するとともに眠りにつきやすくなります。

体を温める食材、かぼちゃがおすすめ

体を温める食材を食事にとり入れると、冷え性の改善につながります。冷たい飲み物をたくさん飲んだり、食べたりすると、ますます体を冷やしてしまいます。外食が続く場合も栄養が偏り、冷えにつながりますので注意しましょう。

おすすめの食材はかぼちゃです。かぼちゃは、ベータカロテンやビタミンC、E、B1、B2、ミネラル、食物繊維なども含まれています。皮にもベータカロテンが含まれていますので、捨てずに一緒に食べるようにしましょう。ベータカロテン、ビタミンEは、油と相性がよく、油を調理に使用すると、効率よく栄養を摂ることができます。かぼちゃを薄切りにして、そのまま揚げ油でフライにするだけでも、かぼちゃの甘みがあり、おいしく食べることができます。

かぼちゃは、皮が固く、自分で調理することが難しい場合もあるでしょう。今は冷凍食品でもかぼちゃを一口大に切ったものが販売されています。シチューやカレーの具材として加えたり、レンジで温めて、温野菜サラダとして食べるのもおすすめです。マヨネーズやドレッシングを使用すると、油も一緒にとることができます。

また、かぼちゃの煮付け、かぼちゃフライなどはお惣菜としてもよく販売されています。お惣菜メニューを選ぶときに、手軽に副菜としてとり入れることができます。生姜、人参などの根菜類は、体を温める食材。かぼちゃを食べるときに、いっしょに組み合わせて煮物にしたり、生姜を入れて炒め物などにすると、体を温める効果が期待できます。

「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。かぼちゃの旬は夏なのですが、長期保存ができることから、昔から冬に栄養を摂るために食べられてきました。かぼちゃを食事に摂り入れ、風邪に負けない健康な体を手に入れましょう。

筆者プロフィール: 岡田明子


管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『妊娠できる体は食から 30代からの妊活食』(KADOKAWA/角川マガジンズ)など。