フジテレビプライム帯最長寿番組に

――4月の改編で『とんねるずのみなさんのおかげでした』と『めちゃ×2イケてるッ!』が終了して、フジテレビのプライムタイムで最長寿番組になりましたが、ここまで番組が支持されてきた理由はなんでしょうか?

始めたときは「1クール分のネタはあるのか?」と言われていて、僕は「大丈夫です」と応えながら、内心では「やべえ」と思ってたんですけどね(笑)。やっぱりネタを1つずつ丁寧に作り続けた結果だと思います。

――5月10日には2時間スペシャルが放送されますが、見どころを教えてください。

全米が騒然となった、愛犬に莫大な資産を残したことでも知られる、レオナ・ヘルムズリーという女性をご存じでしょうか? 貧しい生活をしていた彼女は、おとぎ話のプリンセスに憧れ、理想を追い求め、総資産1兆8000億円の不動産王と結婚します。夢を実現させたということです。その後は自らもホテルを経営し、徹底したサービスでマンハッタンの女王に君臨するのですが、台頭する若手や、愛する息子の突然の死をきっかけに、彼女の運命は大きく狂い始めていくんです。誰もがうらやむ理想の生活を手にいれたはずなのに、彼女はどこで間違ってしまったのか。今世紀、最強の悪女と言われるレオナ・ヘルムズリーの華麗なる転落人生を丹念に描いていきます。

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    5月10日(19:57~21:54)放送の2時間スペシャルのスタジオ出演者(左から 田中道子、設楽統、剛力彩芽、日村勇紀、北斗晶) (C)フジテレビ

――今後、こんな番組を作りたいという構想はありますか?

『アンビリバボー』と同じように、若い人に向けて作りたいなっていうのがありますね。例えば、『平成教育委員会』とは違ったアカデミックな感じで、大学で専門的に学ぶことを誰でも分かるように落とし込んで、なおかつ届きやすい形にするようなバラエティというのをやってみたいと、最近思ってるんです。それと、常に逆も考えてるんですけど、出演者が70歳以上限定の老人だけのめちゃめちゃ明るいバラエティ。老人版の『学校へ行こう!』みたいな番組もやりたいですね。

『太陽にほえろ!』と『アンビリ』の共通点

――そんな角井さんが、影響を受けたテレビ番組を挙げるとすれば何ですか?

子供の頃からそんなにいっぱいテレビを見てないんですけど、ドラマは結構見ていて、その中で『太陽にほえろ!』(日本テレビ、72~86年)は、最初にテレビにかじりついた番組ですね。金曜の夜8時だったと思うんですけど、絶対見たくて、その日だけは部活も早く切り上げて帰って見てました(笑)。日本を代表する刑事ドラマだと思うんですけど、僕の中の勝手な印象では、すごく人情とか人間の感情が描かれたんですよ。善対悪で逮捕して終わるんじゃなくて、犯人側にも必ず何かの事情があったり、刑事同士でも人間ドラマが結構描かれてるんです。しかも、例えば子供の自殺が増えてるといったニュースがあったら、そういうのも取り込んで当時の世相を反映させていた。それって、実は『アンビリバボー』とすごく似ていると思ったんですよ。この質問を受けて思い出してみると、今やっていることに無意識に影響を受けているのかもしれないなと、逆に自分で気づきました(笑)

――いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。最後に、気になっている"テレビ屋"をお伺いしたいのですが…

NHKのEテレで『ねほりんぱほりん』を見て、面白いことやってるなあと思ったんですよ。テレビにはあまり出たくない人と、山ちゃん(山里亮太)とYOUさんが話をして、あれも『アンビリバボー』と一緒で、こんな人がいるんだよ、人間ってすごいんだよというのをやろうとしてるのかなという感じがして。でも、人間を描きたいのに、画が人形なのはすごいことやってるなと思ってたら、あれをやってる大古滋久さんが、僕の4歳下で、同じ中高一貫校出身だと聞いたんですね。そういう意味で、やってる番組と人に興味があったので(笑)

次回の"テレビ屋"は…

NHK『ねほりんぱほりん』大古滋久チーフ・プロデューサー