その後、香取が松木慎太郎(松木安太郎)、草なぎが草村航平(内村航平)にふんした「社会の体操選手権」、稲垣吾郎が88歳のユーチューバーにふんした「ユーチュー婆・ヨネキンの年伝説」、草なぎ、真矢ミキ、黒川智花、加藤清史郎ら出演の「ケミカルドラマ 闇に落ちる」、香取がワルネット香高(『ジャパネットたかた』高田明元社長)にふんした新企画「ワルイコTVショッピング」を立て続け放送した。
さらに、これまでに放送された「ケミカルドラマ」、「子ども記者会見」、草なぎ、稲垣、香取、それぞれの名場面集も放送。特に3人の個別名場面集は、今回の特番で放送されていないコーナーのプロモーションに近いものがあった。
これは、今回の特番を見た新たな視聴者に「他にもこんなに面白いコーナーがあるんですよ」「3人はこんなにハジけていて面白いですよ」と継続視聴を促すものだろう。事実として笑いが詰まった名場面集だったとともに、“バラエティ現役感”を見せるという意味で、3人にとっても有意義なコーナーだった。
『SMAP×SMAP』の放送終了からまもなく6年になるが、3人のバラエティにおけるスキルはほとんど変わっていないのではないか。むしろ活動の自由度が増した分、力が抜けて間が良くなったようにすら見える。『ワルイコあつまれ』はコントバラエティではなく、教育バラエティだが、もし民放の番組に完全復帰したら、どんなパフォーマンスを見せてくれるのか興味深い。
今回の特番を通じて思わされたのは、一流のタレントや文化人を次々に起用できるNHKの強み。単に「NHKはお金と時間があるから」というより、新しい地図の格やスキルにふさわしい相手をキャスティングできるところに『ワルイコあつまれ』の魅力が感じられる。エンタメ性の高さという意味では、新しい地図のファンだけでなく、もっともっと注目を集めていい番組なのかもしれない。
新しい地図はNHKに俳優やMCなどで重宝されているほか、看板番組のゴールデン・プライム特番を放送したことで、今後も『紅白歌合戦』への出演がウワサされるだろう。歌唱でなくても『ワルイコあつまれ』をそのままコーナーとして生かすことを含め、その貢献度を踏まえるとジリジリと近づいている感が強い。
そしてこの番組が盛り上がるほど、新しい地図の民放バラエティ復帰は進んでいくだろう。「来年はいよいよそれが動きはじめるのではないか」と期待している。
■次の“贔屓”は……『もしツア』の後番組に売れっ子が集結! 『イタズラジャーニー』
今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、5日に放送されるフジテレビのバラエティ番組『イタズラジャーニー』(毎週土曜18:30~)。
今秋の改編は各局ともに動きが少なかったが、新番組で最も楽しみにしていたのがこの番組。「かまいたち、チョコレートプラネットという現在の超売れっ子がひたすらイタズラを仕掛けられる」というシンプルなコンセプトだけに、4人+進行役の渋谷凪咲がどう笑いに変えていくのかが見物だ。
20年にわたって放送された『もしもツアーズ』の後番組でもあり、局内での期待値も高いという。