テレビ解説者の木村隆志が、先週注目した“贔屓”のテレビ番組を紹介する「週刊テレ贔屓(びいき)」。第240回は、4日に放送された日本テレビのバラエティ特番『DAISUKI!2022夏』(14:00~)をピックアップする。

ゆるい街ぶら、アポなし、飲みトーク、ギャンブルや宝くじのガチ体験など、現在のバラエティに影響を与えた1990年代の人気番組が22年ぶりに復活。「奇跡の復活! 松本&中山&飯島が富士河口湖ぶらり旅へ」と掲げているように、松本明子、中山秀征、飯島直子のトリオが久々のロケに挑む。

今回の放送は、8月3日にBS日テレ『旅する水曜日』で放送された2時間特番を1時間に凝縮したようだが、むしろ魅力の再発見や今後の可能性を探る上で都合がいいかもしれない。果たして地上波での需要はありそうなのか。

  • (左から)飯島直子、中山秀征、松本明子

    (左から)飯島直子、中山秀征、松本明子

■マドンナながら大ボケ役を担う飯島

番組は、3人が手をつないでのタイトルコールからスタート。「明るく元気」「仲がいい」「はじける笑顔」……どれも『DAISUKI!』らしい要素と言っていいだろう。

画面右上に「22年ぶりに復活…50代になった3人」という文字が表示されたほか、中山が「22年って生まれた子が就職するくらい」「われわれの人生を映してきた番組」と切り出し、飯島が54歳、中山が55歳、松本が56歳と年齢を明かして笑いを誘う。3人は当時の若さはない一方で、大人の安定感を漂わせ、時の流れを感じさせられる。こうした年月による変化を見せることもまた、テレビの面白さや役目の1つなのかもしれない。

ロケは、今年6月オープンの「旅の駅 kawaguchiko base」でスタートし、3人は地元で獲れた野菜などを買い物。生でも食べられるとうもろこしを試食するが、飯島は手で真っ二つに割り、豪快に皮をはいで食いつき始めた。ポジション的にマドンナ扱いをされながら、常に自由なキャラを見せる様子はまったく変わっていない。

レンタカー会社の社長である松本が持ち込んだ車でドライブスタートする際も、飯島が「GPS」を「BTS」と間違えるなど天然ボケを披露。この3人の関係性は、松本がボケまくると思いきや、要所で顔芸を見せるなどの小ボケにとどめ、大ボケは飯島に任せている。一方の中山はそんな2人に笑顔でツッコミを入れ、あまり前に出て笑いを狙わないことでゆるいムードを保っている。

車内トークでは当時の恋愛事情で盛り上がり、中山が当時宝塚のトップスターだった白城あやかとの遠距離恋愛を明かす。さらに当時、「飯島が突然、中山の家を訪ねたとき、恋人の彼女がいて初対面だった」というエピソードを披露した。このように「プライベートでもこんな感じで仲がいいんだろうな」と思わせるところこそ『DAISUKI!』の強みだった。

■ロケゲストは川合俊一と見栄晴

3人は地上14メートルの高所アスレチックが楽しめるアクティビティスポット「フォレストアドベンチャー・フジ」に到着。

ここで、「(今は日本バレーボール協会会長のため)バラエティ断っているんだけど、これだけは昔からやってるんで断り切れずに……」と言いながら川合俊一が登場し、90年代のムードがさらに高まっていく。アスレチックを楽しむ中山と松本に対して、「楽しくない……」「無理!」と騒ぐ飯島。さらに、高所恐怖症の上、身長が高すぎてアスレチックのサイズが合わない川合が、その姿で笑いを誘った。

川合と別れた3人は、車に乗ってドライブが始まり、トークテーマは「印象深いDAISUKI!ロケ」。中山が「俺ら昔、パチンコやってたじゃん。『あれを見て何が楽しいって思うんだろうね』ってよく言ってたじゃん。でもすごい人気だった。あれって初代ゲーム実況じゃない?」と口火を切ると、松本と飯島は物件探しやボーリングのロケを挙げた。

今回は、BS日テレ『旅する水曜日』での放送でもあるため旅企画だったが、パチンコ、物件探し、ギャンブル、宝くじなどを「もう一度見たい」という声は多いのではないか。特にパチンコと宝くじの放送頻度は高かっただけに、今そのまま放送するのか。それとも、令和の今に合うリニューアルを施すのか。もし次回があるのなら、これらのような「より『DAISUKI!』らしいコーナー」が求められそうだ。

続いて3人はフライフィッシングの聖地・桂川に到着。釣りを教えてくれるプロの網を見た飯島が「テニスもやるんですか?」とボケ、中山が「そこイジらないんでしょ」とツッコミを入れる。すると、「4時間前から待っている」とボヤきながら見栄晴が登場。中山が「オーラがない」と切り捨てるところも含め、これも『DAISUKI!』の定番だった。4人はニジマス釣りに挑んだが、けっきょく誰も釣れずに終了。そのゆるさゆえのリアリティと、いい意味でのテキトーさは、むしろ令和の視聴者にこそ合っている感があった。