こんにちは、鍼灸師の片山愛子です。

飲み会で水分や塩分を摂(と)りすぎてしまったときや、泣きながら寝た日の翌朝は顔やまぶたがむくみがちです。すっきりさせるためにはツボの力を借りましょう。

水分によるまぶたや顔のむくみを解消するためには、目元の血流を良くすることが大切です。そこで効果を発揮するのが、眉頭の内側に位置するくぼみにあるツボと、目頭の内側のくぼみにあるツボです。

むくみ軽減に使いたいツボ

晴明(せいめい)

目の症状全般に効く。疲れ・充血・腫れ・痛み、近視、視力低下などの対策として期待が持てます。

■場所: 両目頭の内側のくぼみ。

晴明(せいめい)の場所

攅竹(さんちく)

頭痛、目(疲れ、充血、腫れ、けいれん)、めまい、視力低下などによいとされています。

■場所: 両眉毛の内端のくぼみ。

攅竹(さんちく)の場所

水分(すいぶん)

水に関連する。体全体の浮腫、下痢・腹痛の解消、顔面のむくみや痛みを取りたいときに試してください。

■場所: 腹部、おへそから真上に指1本分上がったところ。

水分(すいぶん)の場所

外関(がいかん)

頭痛、難聴、目(充血、腫れ、痛み)、前腕痛、上肢痛、肩関節痛、肩こりほかによい。

■場所: 手の甲。手首の皺から指幅2本分くらいのところの中央、骨と骨の間。

外関(がいかん)の場所

押し方のコツを知る

いすに座り、机に肘をついて親指の腹で両目頭と両眉の内端を一緒に押さえます。5秒くらいかけてゆっくり頭の重みをかけていき、引くときは同じく5秒くらいかけて重みを消していきましょう。

ぎゅーっと強い力をかけるのではなく、あくまでも「じっくりと」がコツ。顔面の皮膚は薄いので、刺激が強すぎると皮膚のたるみの原因になったり、効果も薄くなったりしてしまいます。ツボを触る前に、濡らしたタオルを電子レンジで加熱し、蒸しタオルにして顔全体を温めることで効果をより感じられることでしょう。

時間に余裕があれば、蒸しタオルの後にマッサージクリームなどで顔全体を優しくマッサージし、それからご紹介した2つのツボ(晴明と攅竹)と合わせて、目の周囲(押さえて気持ちのよい箇所)をじわりと刺激するだけでも効果はあります。ぜひお試しください。

むくみは多くの病気を示唆するといわれます。「全身性のむくみ」「下肢のむくみすぎ」「尿が出にくい」「動いたときの息切れや胸苦さ」「高血圧」など、気になる症状がある場合には医療機関にご相談ください。



記事監修: 片山愛子(かたやま あいこ)

鍼灸師。人間総合科学大学鍼灸医療専門学校東洋医療鍼灸学科(旧早稲田医療)卒業。同校臨床実習施設にて卒後研修修了。医学博士町田雅秀先生に師事。メディコ八千代院長。あおぞら鍼灸治療室勤務。メディコ新宿勤務。在学中より現在まで東京医科大学にて年数回の解剖実習、中国での中医学研修、薬膳研修修了。予防医学・介護予防運動・美容健康などについて研修。疾病治療と予防医学を東西医学の両面からアプローチした治療を実践。