元国税職員さんきゅう倉田です。好きな年末年始の行事は「年末調整」です。

芸歴13年目にもなると、たくさんの企業から仕事の依頼が来るようになります。まだアルバイトをしていた頃は、それらの99%を請けていました。

どんな依頼でも時給1,000円でアルバイトをするより報酬が高かったので、飛びつくように契約していました(この頃、いわゆる「反社チェック」について学びました)。

しかし、依頼が増えると、当然すべてを受けることはできません。やりたい仕事や得意な仕事、報酬を考慮して判断するようになります。

例えば、今までにない新しい仕事には興味があるし、学びがあって自分を成長させてくれる仕事なら報酬以上に魅力がある。報酬が相場より大きく高ければ、自分への評価を喜びます。

仕事を積み重ねる中で、相場感を形成します。フリーランスとして、相場感を持つことはとても重要だと感じています。

フリーランスのための相場感

ぼくの行う主な仕事は

・記事の執筆
・企業や経営者団体、イベント会場での税金やお金の講演
・取材
・企業のメディア出演
・テレビ・ラジオ出演

です。

テレビ・ラジオ出演については、断ることはないし、ギャラを気にすることもありません。テレビに出たくて芸人になったし、出演料がなかったとしても出たい。それくらい、テレビの仕事が好きです。また、広告としての効果もあるので、報酬の多寡より、出演することが重要だと思っています。

それ以外の仕事は、報酬の相場をつかむまでに時間がかかりました。同じ仕事を行うフリーランスが周りにいれば聞くことができますが、そうではなかった。どうやって価格を決めるべきか分かりませんでした。同じように悩んでおられるフリーランスの方は、世の中にたくさんいると思います。

報酬は仕事を請けていく中で、少しずつ決定することになります。

「みんな、この仕事にはこれくらいの報酬を提示してくるな。次からこの価格を下限にしよう」などと決めます。

そうすると、特段低い報酬を提示された際、「あれ? この人おかしなこと言ってるぞ」と分かります。個人的な経験では、著しく低い金額を提示してきた企業の担当者はミスや怠慢が多く、高い金額を提示してきた企業の担当者は対応や準備が丁寧です。

報酬と対応は比例します。高い報酬を支払うんだから、多少横柄でも耐えられるけれど、そういうことはほとんどありません。

高い報酬は、あなたを大切に思い、あなたの仕事に敬意を払っていることを表しています。依頼の内容はさまざまです。執筆であれば、文字数は依頼主によって違うし、SNSでの告知やホームページでの紹介がセットになっている場合もあります。そういうときは、やはり相場感が価格決定に役立ちます。

報酬の相場が分からないとどうなるのか

価格の決定にあたっては、依頼主から報酬を提示される場合と、こちらからの見積もりを要求される場合がありますが、ぼくから見積もりを出すことはしていません。見積もって「高いな」と思われたら、お互いにとって良くないので、見積もりを求められても先方が望む金額を提示してもらっています。

そうすると、企業には矜持があるので、相場より低い金額を提示することがほとんどない。ただ、低かった場合は交渉します。成約に至らない場合もあるでしょう。

相場が分からないと、相手の提示額をそのまま受けることになるし、見積もりもできません。もしかしたら、同業のフリーランスより低い価格になるかもしれません。

これは依頼主からすれば良いことですが、業界の成長を阻害する可能性があります。みんなで最低価格を守っていかないと、いずれダムが決壊して、路頭に迷う方が出てくるかもしれません。

以前お会いしたイラストレーターさんは、「自信がないので、相手に言われるがままの金額で契約しています」と言っていました。フリーランスになったばかりだと、自分の仕事に自信が持てず、依頼があるだけで嬉しい。こうなってしまう気持ちは理解できます。

開業したばかりであれば、依頼主からはあなたの能力が見えないので、価格で勝負する選択はあり得ると思います。たくさんの仕事を行って、相場を知っていくタイミングだと思いますが、ずっと自信がないままだと、いつか苦しむかもしれません。

なるべく、同業のフリーランスと交流を持って、速やかに相場を知ると良いと思います。次回に続きます。

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