全4回のシリーズでお届けしている「年代別に聞いた"転職のホンネ"」。20、30、40、50代以上の4つの年代に同じ質問をアンケートを行い、その違いを浮き彫りにしていく。今回は、その第2回「30代」。30代のマイナビニュースの男女会員300名にアンケートを実施し、転職に対する捉え方を聞いてみた。

  • 30代編

Q.転職をしたことはありますか

「はい」(72.7%)
「いいえ」(27.3%)

Q.転職をした理由は何ですか。もっとも当てはまるものを教えてください(「転職をしたことはありますか」で「はい」の方にお伺いします)

1位「職場の人間関係を解消したいから」(19.7%)
2位「給与をアップさせたいから」(18.8%)
2位「労働時間や休日などの労働条件を改善したいから」(18.8%)
4位「前職で給与や待遇に不満があったから」(14.7%)
5位「キャリアアップがしたいから」(13.3%)
6位「自宅からアクセスのいい場所で働きたいから」(10.1%)
7位「その他」(4.6%)

Q.これまでの転職回数は何回ですか

1位「1回」(41.3%)
2位「2回」(28.4%)
3位「3回」(16.5%)
4位「5回以上」(9.2%)
5位「4回」(4.6%)

Q.もっとも直近で転職を行った際、どれぐらいの期間を要しましたか

1位「約3カ月」(25.7%)
2位「半年」(22.5%)
3位「約2カ月」(19.7%)
4位「約1カ月」(18.3%)
5位「1年以上」(13.8%)

Q.「もっとも直近で転職を行った際、どれぐらいの期間を要しましたか」で「半年」「1年以上」の方にお伺いします。転職にその期間が必要となった原因は何ですか

1位「いい会社がなかなか見つからなかったから」(31.6%)
2位「在職中に就職活動を行っていたから」(22.8%)
3位「なかなか採用されなかったから」(19.0%)
4位「スケジュール管理がうまくいかなかったから」(12.7%)
5位「前の会社を辞めるか迷いがあったから」(11.4%)
6位「その他」(2.5%)

Q.もっとも直近で転職を行った際、転職先はどのようにして探しましたか。当てはまるものすべて教えてください(複数回答可)

1位「転職サイト」(41.7%)
1位「ハローワーク」(41.7%)
3位「転職エージェント」(27.1%)
4位「求人誌」(22.0%)
4位「知人や友人の紹介」(22.0%)
6位「企業ホームページの求人」(20.6%)
7位「その他」(1.4%)

Q.もっとも直近で転職を行った際、何社の求人に応募しましたか

1位「1~4社」(71.6%)
2位「5~9社」(19.3%)
3位「10~19社」(6.4%)
4位「30社以上」(1.8%)
5位「20~29社」(0.9%)

Q.もっとも直近で行った転職は、成功でしたか? 失敗でしたか?

「成功」(56.4%)
「失敗」(6.4%)
「どちらともいえない」(37.2%)

Q.「もっとも直近で行った転職は、成功でしたか? 失敗でしたか?」でお答えいただいた理由を教えてください

■「成功」

・「福利厚生がいい」(31歳女性/官公庁/事務・企画・経営関連)
・「労働条件と職場環境、人間関係などすべてが解決された」(31歳女性/建設・土木/事務・企画・経営関連)
・「休日が希望通りに取れるようになり、プライベートの時間をしっかり持てるようになった」(38歳女性/サービス/事務・企画・経営関連)
・「いろいろな業種のことも知れて転職もできたので、知見が広がった感じしてよかったです」(36歳男性/その他電気・電子関連/技能工・運輸・設備関連)
・「現在もその会社で勤務しており、また、キャリアの中で最長勤務となっている」(38歳男性/その他/事務・企画・経営関連)
・「今のところ人間関係も快適で、仕事は苦労もあるけど楽しいことが多く、生活にも役立つので成功かなと思います」(39歳女性/その他/その他・専業主婦等)
・「自分に合った働き方を見極めて、妥協するところは妥協して会社探しを行ったから」(33歳女性/サービス/販売・サービス関連)
・「自分の天職ともいえる職に出会えたから成功です」(38歳男性/教育/専門サービス関連)
・「前職よりも給料が上がった。友人が勤務している企業に転職した形だが、業務内容を予め聞いており、かつ友人も社長に自分のことを良く紹介してくれたおかげで、温かく迎えてくれた」(38歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/事務・企画・経営関連)
・「転居に伴う転職で、転職後も前と同じ環境の職場で働くことができている」(33歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「フリーランスから会社員になって安定した」(35歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)
・「10年前に転職して、今も続いているから」(36歳男性/ソフトウェア・情報処理/事務・企画・経営関連)

■「失敗」

・「ワンマン社長で苦労した」(33歳男性/教育/専門サービス関連)
・「異業種にチャレンジして挫折した」(37歳男性/コンビニエンスストア/販売・サービス関連)
・「失敗。待遇、ワークライフバランスが悪い」(36歳男性/サービス/販売・サービス関連)
・「社風がなかなか自分にマッチしにくかったことがある」(32歳男性/輸送用機器/販売・サービス関連)

■「どちらともいえない」

・「労働環境は良くなったが、給料は改善されていない」(37歳男性/食品/営業関連)
・「まだ働き始めで成果も出していないので、昇給や昇格がどれだけあるのかわからないから」(37歳男性/医療用機器・医療関連/メカトロ関連技術職)
・「安定した企業で定年までと思い勤め始めたが、4年目の今は休日もまともに取れず、女性が多い職場のため陰湿ないやがらせやいじめも多くて、職場環境が悪い」(39歳女性/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)
・「給与などの待遇は上がったが、風当たりも強くなり精神的にまいっている」(39歳男性/通信関連/事務・企画・経営関連)
・「内定したので成功だとは思いますが、これから会社の将来がどうなるのか不安だし、どうなるかわからないので、『どちらとも言えない』にしました。後で振り返ったときに『成功した!、転職して良かった!』と言えるように頑張りたいです」(34歳男性/ビル管理・メンテナンス/その他・専業主婦等)
・「良くなった点と悪くなった点が半々だと思う」(37歳女性/サービス/事務・企画・経営関連)

Q.今後、また転職をしたいと思いますか

「はい」(39.9%)
「いいえ」(23.4%)
「わからない」(36.7%)

Q.転職をしない理由はなんですか。もっとも当てはまるものを教えてください(「転職をしたことはありますか」で「いいえ」の方にお伺いします)

1位「転職していい会社に入社できるか不安だから」(25.6%)
2位「年齢的に転職への不安があるから」(23.2%)
3位「現在の職場の労働条件に満足しているから」(15.9%)
4位「現在の職場の給与面に満足しているから」(13.4%)
5位「現在の職場の人間関係に満足しているから」(8.5%)
6位「転職活動の時間が捻出できないから」(6.1%)
7位「転職活動を行っている」(4.9%)
8位「その他」(2.4%)

Q.現在の会社での、勤続年数を教えてください

1位「11年以上」(61.0%)
2位「6~10年以内」(26.8%)
3位「4~5年以内」(4.9%)
4位「1年以内」(3.7%)
4位「2~3年以内」(3.7%)

■総評

調査の結果、 30代のマイナビニュース会員のうち、転職の経験がある人は72.2%、経験のない人は27.3%となり、4分の3近くの人が転職をしたことがあることがわかった。20代の調査では転職経験者が45.5%だったのに比べると、大幅に増えている。

転職をした理由は、「職場の人間関係を解消したいから」が、19.7%で1位に。以下、2位が「給与をアップさせたいから」と「労働時間や休日などの労働条件を改善したいから」(各18.8%)、4位「前職で給与や待遇に不満があったから」(14.7%)、5位「キャリアアップがしたいから」(13.3%)、6位「自宅からアクセスのいい場所で働きたいから」(10.1%)と続いた。20代の1位は「前職で給与や待遇に不満があったから」(23.9%)で、「職場の人間関係を解消したいから」が同率2位の18.3%だったのに比べると、30代の転職は「人間関係」がやや意識される傾向にあるようだ。

これまでの転職回数を聞いたところ、1位は「1回」(41.3%)となった。以下、2位「2回」(28.4%)、3位「3回」(16.5%)で、3回以下が86.2%と大半を占めている。20代の「1回」が66.2%だったのに比べ、複数回の転職経験者の割合が増加している。

直近で転職を行った際に要した期間は、1位は「約3カ月」(25.7%)。以下、2位「半年」(22.5%)、3位「約2カ月」(19.7%)、4位「約1カ月」(18.3%)、5位「1年以上」(13.8%)と続いた。20代の1位が「約1カ月」(25.4%)だったのに比べ、30代ではよりじっくり時間をかけて転職活動をしている人が多いことがわかる。ただ、20代でも「半年」(22.5%)や「1年以上」(15.5%)など長期的なスタンスで取り組む人も一定数いて、こちらの割合には大きな違いはなかった。

直近の転職で「半年」「1年以上」の期間を要した人に、その原因を聞いた。トップ3は、1位「いい会社がなかなか見つからなかったから」(31.6%)、2位「在職中に就職活動を行っていたから」(22.8%)、3位「なかなか採用されなかったから」(19.0%)。これは20代の1位「在職中に就職活動を行っていたから」(48.1%)、2位「いい会社がなかなか見つからなかったから」(22.2%)、3位「なかなか採用されなかったから」(18.5%)の、1位と2位が入れ替わるかたちとなった。30代では、「今よりよい会社を選びたい」という意欲がより強く表れた結果となっている。

直近での転職先を探すためのツールは、「転職サイト」と「ハローワーク」が共に41.7%で1位に並んだ。20代では1位「転職サイト」(59.2%)が2位「ハローワーク」(31.0%)にダブルスコア近い大差をつけたことを考えると、「ハローワーク」は30代ではまだまだ大きな存在感を示していると言えそうだ。

直近で転職で何社の求人に応募したかという問いには、1位「1~4社」(71.6%)、2位「5~9社」(19.3%)、3位「10~19社」(6.4%)との回答が寄せられた。これは20代の1位「1~4社」(69.0%)、2位「5~9社」(19.7%)、3位「10~19社」(8.5%)とほぼ同様の結果だ。

直近の転職への評価は、「成功」が半数を超える56.4%。これは、20代の66.2%と比べると10ポイントほど少なく、その分「どちらともいえない」(37.2%)とする人が多くなっている(20代では28.2%)。

転職が「成功」と考える理由については、転職理由で挙げられた「人間関係」「給与」「労働条件」「待遇」の改善や「キャリアアップ」などが達成できたから、というものが多く、この点は20代のそれと共通している。反対に「失敗」とする人は改善できなかったり、むしろ悪化したりと認識しているようだ。

4割近い人が選んだ「どちらともいえない」は、こちらも20代と同様、転職によって確かに一部では改善が見られたものの、総合的に考えた場合には成否を判定するのは難しいと考えている。また「ワークライフバランス」が取れているかどうかは、長期的な視野に立たないとわからない部分もあるだろう。

今後また転職をしたいかと聞いたところ、「はい」が39.9%、「いいえ」は23.4%、「わからない」は36.7%だった。20代ではそれぞれ26.8%、29.6%、43.7%だったので、30代ではまた転職をしたいという意思を示した人が20代よりも多くいることになる。

転職をしない理由は、「転職していい会社に入社できるか不安だから」(25.6%)がもっとも多かった。以下、2位「年齢的に転職への不安があるから」(23.2%)、3位「現在の職場の労働条件に満足しているから」(15.9%)、4位「現在の職場の給与面に満足しているから」(13.4%)、5位「現在の職場の人間関係に満足しているから」(8.5%)と続く。これを20代と比較すると、1位は「転職していい会社に入社できるか不安だから」(32.9%)で同じだが、2位「年齢的に転職への不安があるから」は20代では6位(5.9%)で下位となる。20代ではさほど問題ではなかった「年齢」が大きく意識されていることがわかる。

最後に、現在の会社での勤続年数を聞いた。1位「11年以上」が6割以上(61.0%)を占めており、当然のことながら「4~5年以内」(35.3%)が最多の20代よりも、顕著に長くなっている。

20代に比べて30代は、任される仕事も、会社内での立場も、社会的な責任も格段に重いものとなる。それゆえにかつては若さに任せ即断できたことも、なかなかそう簡単にはいかなくなる、という事情はあるかもしれない。特に人生の大きな決断となる転職に際しては、その行動は慎重にならざるを得ないだろう。今回のアンケートでも20代に比べ、より時間をかけて会社を探し、タイミングを見極め、シビアに評価する、そんな30代像がうかがえる結果となった。その上で、今後また転職をしたい人が4割いることは、興味深い数字と言えるのではないだろうか。

次回は、第3回「40代」をお送りする。

調査時期: 2018年12月13日
調査対象: マイナビニュース会員(30代会社員)
調査数: 300人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません