全5回のシリーズでお送りしている「転職の分かれ道」。4回目の今回は、「転職で年収が上がった人と下がった人の割合って?」だ。転職の大きな目標を、「年収のアップ」に求めている人は多い。そう、年収のアップは転職希望者の最大の関心事の一つとなる。それでは、その年収アップを実現した人はどのくらいいて、その理由は何なのだろうか。

以下、マイナビニュース男女会員400名にアンケートを実施し、「転職経験がある」と回答した292名に質問した。

  • 転職で年収が上がった人と下がった人の割合って?

Q.転職前に比べ、年収は上がりましたか

「はい」(57.2%)
「いいえ」(42.8%)

Q.「転職前に比べ、年収は上がりましたか」で「はい」の方にお伺いします。どれぐらい年収があがりましたか

1位「10万円以内」(29.3%)
2位「11~20万円」(18.6%)
3位「31~50万円」(15.6%)
4位「100万円以上200万円未満」(15.0%)
5位「21~30万円」(9.6%)
6位「51~99万円」(7.2%)
7位「200万円以上」(4.8%)

Q.年収が上がった一番の要因は何だと思われますか

1位「前職の年収があまりにも低かったから」(46.7%)
2位「仕事のスキルや経歴が評価されたから」(29.9%)
3位「上司に交渉したから」(7.2%)
4位「同世代の社員の平均年収が高かったから」(6.0%)
4位「特になし」(6.0%)
6位「その他」(4.2%)

Q.「転職前に比べ、年収は上がりましたか」で「いいえ」の方にお伺いします。どれぐらい年収が下がりましたか

1位「10万円以内」(38.4%)
2位「11~20万円」(13.6%)
3位「100万円以上200万円未満」(12.0%)
4位「21~30万円」(10.4%)
4位「31~50万円」(10.4%)
6位「51~99万円」(8.0%)
7位「200万円以上」(7.2%)

Q.年収が下がったと思われる一番の要因は何ですか

1位「前職の年収があまりにも高かったから」(22.4%)
2位「同世代の社員の平均年収が低かったから」(19.2%)
3位「その他」(18.4%)
4位「仕事のスキルや経歴が評価されなかったから」(14.4%)
4位「特になし」(14.4%)
6位「交渉をしなかったから」(11.2%)

■総評

調査の結果、転職前に比べ、年収が上がったと回答した人は57.2%、上がらなかった人は42.8%と、6割弱の人が転職後に年収が上がっていた。

どのくらい年収が上がったかを聞くと、1位は「10万円以内」(29.3%)、2位「11~20万円」(18.6%)と、半数弱の人が20万円以内の上昇だった。一方で、「100万円以上200万円未満」(15.0%)や「200万円以上」(4.8%)など大幅な年収アップを実現した人も2割程度いた。

年収が上がった一番の要因は、「前職の年収があまりにも低かったから」(46.7%)が半数近くを占め、1位となった。以下、2位「仕事のスキルや経歴が評価されたから」(29.9%)、3位「上司に交渉したから」(7.2%)、4位「同世代の社員の平均年収が高かったから」(6.0%)、4位「特になし」(6.0%)、6位「その他」(4.2%)と続いた。「その他」には、「入社前の役員面談などで交渉した」(39歳男性/通信関連/事務・企画・経営関連)、「派遣で時給が高い所を紹介され、就業できた」(41歳女性/流通・チェーンストア/販売・サービス関連)、「残業しているから」(28歳男性/設計/IT関連技術職)などの声が寄せられている。

一方の年収が下がった人では、1位「10万円以内」(38.4%)、2位「11~20万円」(13.6%)と、こちらも20万円以内の比較的小幅な下落が半数以上を占めている。ただ、3位「100万円以上200万円未満」は12.0%、7位「200万円以上」と答えた人は7.2%で、100万円単位の大幅な年収ダウンとなった人も2割ほどいるという結果となった。「200万円以上」となれば月額で20万円近いダウンとなるが、そこにはいったいどんな事情があったのだろうか。

年収が下がったと思われる一番の要因としては、上がった理由とは真逆の「前職の年収があまりにも高かったから」(22.4%)が最多となった。以下、2位「同世代の社員の平均年収が低かったから」(19.2%)、3位「その他」(18.4%)、4位「仕事のスキルや経歴が評価されなかったから」「特になし」(各14.4%)、6位「交渉をしなかったから」(11.2%)と続く。

本連載の1回目で聞いた「転職をした一番の理由」としてもっとも多かった回答は、21.9%を集めた「給与をアップさせたいから」だった。また、第3回の「転職でもっともメリットに感じたこと」の1位も、26.9%を集めた「年収アップ」となっている。転職に際しては、"年収や給与のアップ"が重要なキーワードであるのは事実だろう。

しかし、いずれの回答も20%台とそこまで大きな数字ではない。今回のアンケートでも年収がアップした人は57.2%と、4割強は「年収は上がらなかった」と答えている。収入のアップは転職における主たる関心事の一つではあるものの、労働環境や人間関係、キャリアアップなど金銭面以外の理由で転職を考えている人も多い。また中には、収入アップを見込んで転職したはいいものの、労働環境や人間関係の悪化で、「むしろ転職をしない方が良かった」と嘆いているなどというケースもあるかもしれない。

仕事は一つのポイントだけで評価できるものではなく、さまざまな要素が絡み合って成立している。転職に際しては周到な準備と分析を行い、転職後の全体的かつ長期的なワークスタイルをイメージすることが重要だと言えるのではないだろうか。

調査時期: 2018年11月16日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 400人
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません