「24時間営業年中無休(年始以外)」と書くと、今時そんな立ち食いそばなんて珍しくないよと思われると思う。チェーン店はほぼそうだし、個人店のようなところでもすぐいくつか頭に思い浮かんでしまうからだ。ただ、店も味も、長時間営業でクオリティをキープするのは並大抵のことではない。

「ジャンボゲソ天そば」(税込360円)

今回紹介する「一由そば」は、胸を張って「24時間いつでもうまい! 」と断言できる店のひとつだ。JR山手線「日暮里」駅東口から2~3分の路地で、店を構えている。昭和の大衆食堂のような佇まい、ふらりと誘われるように入ってしまう。

「天ぷら30種類」に目移り

正面には厨房カウンター。まず最初に目をひくのは、ケースにズラリと並んだ天ぷらだ。20種類近くは並んでいただろうか。公式サイトによれば「天ぷら30種類」。もちろん定番のおにぎりもある。とにかく、目移りしてしまう量だ。

右手側に着席のテーブルが2脚。左手と正面カウンターが立ち食いスペースになる。注文は口頭で、代金引換式。迷ったが、一番人気で定評のある「ジャンボゲソ天そば」(税込360円)を注文する。

いろんな食感が楽しい一杯

ゆで置きの麺で、提供スピードは早い。1分待つか待たないかくらいで着丼。カウンターのざるに山盛りの刻みネギと、刻み唐辛子を振りかけて、早速いただく。

丼を覆うゲソ天に、真っ黒でよくダシがきいたつゆが染み込む。コリコリとした歯ごたえが、柔らかめの麺のアクセントになっていて、楽しい。そこにシャリシャリのネギの食感もプラス。輪切りの唐辛子は、七味より少量でもよく効く。満足度抜群だが、食べ終わったらすぐほかの天ぷらも試したくなる、そんな中毒性もある愛すべき一杯だった。

「一由そば」へはJR山手線「日暮里」駅東口から徒歩2~3分

訪問したのは夕方、一般的にはアイドルタイムの時間だったが客足は途絶えず。麺半分の小盛注文もできるので、小腹を満たすのにぴったりな店だ。ちなみに店主はツイッターでも情報発信中。一辺倒の宣伝ツイートではない、心底この商売を愛している様子が窺い知れる。

※記事中の情報は2016年11月取材時のもの

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に都内の銭湯を紹介した『東京銭湯』シリーズを制作している。