「スマホ決済ってなんだかよく分からない、難しそう」と考える方は多いのではないでしょうか。しかし、デメリットを理解してうまく利用できれば、むしろ簡単に使えて便利、しかも家計を助けてくれるツールになるかもしれません。

今回は、スマホ決済を利用するメリットとデメリットについて考えてみます。

  • スマホ決済のメリットとデメリットを考えてみよう(画像はイメージ)

    スマホ決済のメリットとデメリットを考えてみよう(画像はイメージ)

スマホ決済とは

一言でスマホ決済と言っても、大きく2種類に分けられます。

従来の「おサイフケータイ」「Apple Pay」のようなスマホをかざす決済と、アプリを使ってQRコード(バーコード)を読み取らせる、もしくは店舗側のコードを読み取るコード決済です。

コード決済については、d払い 、PayPay 、LINE Pay 、楽天ペイ 、Origami Pay 、ゆうちょPay 、りそなウォレット など、さまざまなサービスがあります。

スマホ決済のメリット

スマホ決済は特に少額での買い物で便利に活用できます。

(1)手続き・支払いがスマート

特にコード決済については、サービスを利用するまでの手続きが非常に簡単・スマートです。例えばLINEPayの場合は、LINEアプリを既に利用していれば、利用規約に同意するだけで設定できます。他の決済サービスについても、アプリをダウンロードしてから登録をするまで、難解な手続きは必要ありません。

また支払いについても、レジでスマホ画面を提示する、もしくはコードを読み取るだけなので、驚くほど早く済ませることができます。

スマホをかざす決済であればアプリの操作も必要ないので、よりスマートに支払いができます。この便利さ・素早さが、スマホ決済の大きな魅力です。

(2)ポイント還元がある

クレジットカードや電子マネーの場合、ポイント還元率は利用金額に対して0%~2%というケースが多いと思います。一方コード決済については、2019年8月現在、ポイント還元率が0.5%~3%程度と高くなっています。さらに決済事業者は、ユーザー獲得を目的として、さらに高い還元率でポイントを付与するキャンペーンも展開しています。

また、クレジットカード払い、クレジットカードチャージにしてアプリを利用すれば、ポイントが二重取りできるサービスもあります。店舗独自のポイントサービスがあれば、併用により上乗せも可能です。

  • 筆者が利用したLINEPayの残高履歴。10日間のキャンペーン中に2,000円をチャージし、416円相当の還元を受け取ることができました

    筆者が利用したLINEPayの残高履歴。10日間のキャンペーン中に2,000円をチャージし、416円相当の還元を受け取ることができました

(3)ATMで現金を下ろさなくて済む

銀行口座から現金を引き出すと、1回あたり108円~とはいえ手数料がかかりますし、現金がなくなるたびに銀行ATMを探すのは大変です 。

スマホ決済であれば、銀行口座やクレジットカード、ポイントなどから支払いができるので、現金を下ろす必要がなくなります。

(3)支払い履歴で支出の把握ができる

スマホ決済なら、利用してすぐに支払い履歴が確認できます。「いつの間にか現金がなくなっている」という方なら、頻繁な少額のお買い物を見直すのにおすすめです。また、中には家計簿アプリに連携できるサービスもあり、家計管理の手間も省けます。

他にも、個人間の送金ができる(サービスによる)スマホ決済でのみ使えるクーポンの割引があるなどのメリットがあります。

スマホ決済のデメリット

一方でデメリットもあります。

(1)利用できる店舗が限られる

2019年8月現在、スマホ決済サービスをどこでも・どれでも使えるという状況ではまだありません。使うお店に合わせてそれぞれ決済サービスを申し込み、利用する方法もあるかもしれませんが、あれもこれもと手を出すと管理が大変になるのもデメリットと言えるでしょう。

(2)電源・通信環境が不可欠(コード決済の場合)

スマホをかざす決済であれば、おサイフケータイなどに代表されるように、通信圏外でも、スマホの電源をオフにしていても、利用できるサービスがあります。しかしコード決済では、電源と通信環境が不可欠です。

通信環境が不安定だと、アプリの起動や画面遷移に時間がかかるケースもありますし、電源が切れてしまえばサービスが利用できなくなってしまいます。

(3)チャージ残高の管理に手間がかかる

チャージが必要な決済サービスの場合、残高管理が負担になるケースもあります。レジで支払うタイミングになって残高不足に気づいたり、一方で使わなくなったチャージ残高を現金に戻すことが難しかったりと、必要なチャージ残高を把握・管理するのが大変だと感じる方もいらっしゃるでしょう。

こういった場合、サービスへの支払い方法をクレジットカードや銀行引き落としなどにすると、残高管理の煩わしさから解放されますよ。

(4)セキュリティに対するリスク

クレジットカードなどと同様、不正アクセスや、紛失時の他者による不正利用の可能性については、否定できないでしょう。

自分でできる対策として、以下のような対策をしておけるといいですね。

・パスワードや指紋認証などでスマホ画面をロックする
・支払い時にも認証が必要な設定をする
・支払い履歴を必ず確認する
・身に覚えのない請求があれば、スマホ決済事業者やクレジットカード会社、警察に連絡する
・スマホの紛失や盗難があった場合、携帯電話会社に連絡するか、インターネット上から自分でスマホ機能にロックをかける

デメリットを理解してスマホ決済を上手に利用しよう

2019年10月から9日間、消費税率の引き上げに合わせて、キャッシュレス決済を対象にしたポイント還元が予定されています。

このポイント還元はクレジットカードやデビットカードでの支払いも対象になりますが、気軽に始められるキャッシュレス決済として、スマホ決済は始めやすいと思います。

メリットとあわせて、デメリットもあらかじめ理解した上で、上手に活用していきましょう。

ライター: 渋谷ひかり

大学卒業後、ITサービス業の会社に就職。クライアントに保険会社が多かったため生命保険・損害保険について学んだことをきっかけに、マネープランに興味を持つ。退職後、シングルマザーとして自立するために、宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーの資格を取得し、ライターとして執筆・監修を中心に活動中。2級FP技能士/宅地建物取引士/マイライフエフピー認定ライター