桜も散り始め、すっかり暖かくなった。こんな日は子どもと電車に乗って銭湯だ! というわけで、今回も子連れで向かったのは品川区旗の台の「新生湯」である。

  • 「新生湯」へは、東急大井町線「荏原町」駅から徒歩4分

    「新生湯」へは、東急大井町線「荏原町」駅から徒歩4分

「太陽の湯」「大地の湯」どちらがお好み?

東急池上線「旗の台」駅からは徒歩6分、東急大井町線「荏原町」駅からは徒歩4分くらいか。短いピンク色の暖簾がよく映えている。訪問したのは日曜の14時頃。こちらの銭湯、日曜は午前中から営業しており、この時間帯でも客足はコンスタント。表には自転車が並ぶ。

自動ドアから入り、横から差し込むタイプの下足箱。靴をしまったら、フロントの券売機で入浴券を購入。幼児は大人の付き添いがあれば2人まで無料だ。ロビーはそこまで広くはないが、ドリンクケースやテレビ、ソファなどが設置されている。

この日の男湯は左、女湯は右。左は「太陽の湯」、右は「大地の湯」と名付けられているらしく、手書きイラストの見取り図ポスターが飾られていた。見れば、ほとんど別物の銭湯と言っていいくらい内装が異なる。この湯は週ごとに入れ替わるので、最低でも2回は通いたい。

脱衣所に進む。ロッカーは普通の鍵タイプのものと、暗証番号によるダイヤルロック式のものがある。マッサージチェア、はかり、テレビ、自販機あり。洗面台のドライヤーは無料だった。折上格天井になっていたり、背側の戸から縁側の休憩スペースに出られたりなど、情緒的な側面も持ち合わせている。いざ浴室へ。

二層構造の露天風呂は幻想的な雰囲気に

「太陽の湯」のイメージ(S=シャワー)

「太陽の湯」のイメージ(S=シャワー)

正面にドンと構えるのは、富士山のペンキ絵。故・早川利光絵師による「音止めの滝」で、保存状態が格別に良い。何か特殊なメンテナンスをされているのだろうか。その手前にジェットバス、小さい子どもも安心して入れる極浅風呂などの主浴槽。中央に円形の炭酸泉。こちらはぬるめで大人気。常時3~4人の客がつかっていた。

浴室後方には、サウナ(別料金)と水風呂、ジェット式の歩くプール。流水が程よい刺激でフィットネス気分を味わえる変わった湯船だ。さらに、目玉の露天風呂は正面左手の扉からつながっている。

露天風呂は奥と手前の二層構造。奥側は洞窟型になっていて、天井に小さな窓があいている。こちらから差し込む光が水面をキラキラ反射させていて、幻想的な雰囲気を醸し出している。ちなみに、湯の温度はほとんどが42度くらい。カランのシャワーもハンドタイプで使いやすくレイアウトされている。

まさに至れり尽くせりといった新生湯。欲を言えば、注意書きの類の貼り紙が多く見た目にやかましいのが残念だが、致し方ないのだろう。実は一度も"右側"の湯にお邪魔できていないので、次こそは! と願いつつ風呂を後にするのであった。

※イメージ図は筆者の調査に基づくもので正確なものではございません

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作。