サラリーマンが副収入を得る方法として、一度は興味を持ったことがあるかもしれない「不動産投資」。物件って本当に買えるの? リスクが大きいのでは?? そんなシンプルな疑問を持つ読者も多いかもしれません。

そこでこの特集では、サラリーマンをしながら、実際に物件を購入し、管理を始めている投資家の体験談をご紹介します。

今回ご紹介するのは、30歳という若さでアパート1棟を保有するライアンさん。SEとして働き、堅実な収入がありながらも、不動産投資をしている理由は?

ライアンさん(30歳)

1人暮らし、SEとして働く年収600万円の会社員。2018年5月から不動産投資のスクールに通って勉強を始め、2020年3月には、神奈川県厚木市にある築31年のアパート1棟を2,500万円で購入。将来は家賃収入で生活しながら、田舎でのんびり暮らすのが夢。

昇進に時間がかかるなら、不動産投資でお金を作りたい

――どうして不動産投資を始めようと思われたのですか?

「金持ち父さん、貧乏父さん」という本を読んで、普通に仕事をするだけじゃなくて、投資をしてお金を作るという方法もあるのだと知り、興味を持ちました。

また、株式投資に比べると安定的に収入が入ってくるので、投資の中でも不動産投資がいいなと思いました。

それから、やってみて気づいたことでもあるのですが、他の投資と違って、物件の購入、融資、税の申告など、経営者の視点が必要な作業が多いので楽しいですね。普段のサラリーマン生活ではなかなか味わえない体験だなぁと思います。

――まだまだお若いし、投資に時間をかけるよりも、仕事で出世して収入を増やそう、という考えには至らなかったんですか?

私が勤務している会社には親会社があって、昇進にも限界があるし、現場レベルで出世するにも時間がかかります。

また転職して給料を上げるのも魅力的だとは思いますが、やはり基本的にサラリーマンが大きい収入を得るためには、自分の時間を削る必要が出てきます。

自分の時間を確保しながら収入をのばす手段としては、不動産投資が最適だと思いました。

SEならでは? 数字を使った判断やExcel管理はお手の物

――勉強を始めてから2年後には、アパート1棟を購入されたんですね。購入に至るまでには大変なことも多かったですか?

1棟アパートは最初からターゲットにしていたのですが、金額が大きくてなかなか融資が通りませんでした。

週末や休みの日を利用して物件見学をし、不動産会社を通じて金融機関と調整し、5~10件くらい買い付けの申し込みを重ねて、ようやく1件融資が通った、という感じです。真剣に物件を探し出してから、購入に至るまでは、約1年かかりましたね。

――どうして今の物件に決められたのですか?

物件を探している中で「けっこう安いアパートでも、ちゃんと部屋が埋まっているな」と思う地域が厚木でした。

この物件は、利回りも10.75%で安定していましたし、金額的にも融資が通る額だったので、条件がそろっていて。売り主さんの方から外壁の塗装や修繕も申し出ていただけたので、購入しました。

ある程度知識がたまったうえで出会えた物件だったので、購入自体はすぐに判断できました。

フルローンを組んで購入したのですが、諸費用や修繕費で結局1割くらい自己資金が必要になりました。融資を受けるにあたっても、自己資金は評価ポイントにあたるので、今思えばもっと貯金しておけばよかったなと思います。

――購入後は順調ですか?

築古の物件なので、ちょこちょこ軽い修繕が必要になり、そのたびに現金は出て行ってしまいますが、おかげさまで今は満室です。

――不動産の購入から管理まで、SEの知識やスキルが役立っているなと思うことはありますか?

金融系のSEなので特にかもしれませんが、比較的投資に明るいですし、数字で判断する作業はけっこう得意だと思います。

利回りがこうだったら、収入は将来これくらい、といったようにExcelにまとめながら予測を立てる作業とかも苦にならないので、数字を扱う仕事をしている人はけっこう向いているかもしれませんね。

田舎でのんびり、新築物件の管理をして暮らしたい

――不動産投資を始めてみて、何か生活に変化は生まれましたか?

仕事の仕方が変わったなぁと思います。

不動産投資って、物件を購入したり管理したりする手続きの中で、売り主さんや不動産会社、管理会社さんと協力しながら進めていきます。

そのような経験を積んだことで、仕事も自分だけで抱え込まず、いろんな人にやってもらうとか、チームを作って進めることを、意識するようになりました。

――不動産投資について、今後はどんな展望を描いていますか?

1棟目の実績があれば2棟目以降は比較的融資を通しやすいと思っていたのですが、なかなかそういうわけにもいかず、すぐに次の物件を買い進めていくのは難しいなと感じています。

ただ、これからも物件数を増やして、いつかサラリーマンをリタイアできるくらいの家賃収入を得たいですね。

将来は、田舎の方でのんびり暮らしながら、地元の工務店さんとか、建築会社の人たちと一緒に、新築物件を建てて、不動産を管理する生活を送るのが、僕の夢です。

取材協力: ファイナンシャルアカデミー

お金の教養を身につけるための「総合マネースクール」。2002年の創立以来18年間で延べ57万人が、東京校やオンライン校にて、貯蓄や家計管理といった生活に身近なお金から資産運用、キャリア形成、人生と社会を豊かにするお金の使い方までを学んでいる。現在、不動産投資スクール株式投資スクールなどで無料体験セミナーを開催している。