「青春18きっぷ」を利用した山陽本線の旅。前回は下関駅から115系3000番台、岩国駅から227系の普通列車に乗り、糸崎駅で岡山行の普通列車に乗り換えるところまで紹介した。今回は広島県の糸崎駅から兵庫県の三ノ宮駅までをレポートする。

  • 岡山・福山地区の山陽本線では、現在も115系が主力車両として活躍中

本題に入る前に、2019年3月16日に行われるダイヤ改正に関して、少し触れておきたい。山陽本線ではこれまで、岡山駅・福山駅方面から広島駅・岩国駅方面へ直通する列車が運行されてきたが、今春のダイヤ改正で広島地区の山陽本線(三原~岩国間)がすべて227系に統一され、あわせて岡山・福山~広島・岩国間の直通列車がなくなる。ダイヤ改正後は、原則として糸崎駅または三原駅などで乗換えが必要となる。

■糸崎駅・三原駅で乗換えが必要となる山陽本線

筆者が糸崎駅で乗り換えた際、糸崎行の乗客のほとんどが隣のホームに停車中の岡山行に乗り換えた。すべての座席が埋まってしまい座れなかったものの、次の尾道駅・東尾道駅で車内の混雑は解消され、すぐに座れた。乗客の流れを考えると、糸崎駅よりも三原駅または尾道駅での乗換えとしたほうが良さそうに思えるが、配線やダイヤを勘案すると、実現は難しいのかもしれない。

岡山行の普通列車に使用された車両は、山陽本線ではわりとよく見られる115系1000番台だ。車内は転換クロスシートに改造され、従来のセミクロスシートと比べると快適そのもの。ただし、従来の窓枠とクロスシートの座席が合っていない箇所があるため、座席を選ぶ際は注意を要する。

■福山駅から岡山駅まで、快速より普通列車が混雑

福山駅には18時13分に到着。ここで乗客が入れ替わり、再び車内は混雑する。福山市は広島県東部に位置する都市だが、人の流れとしては岡山方面との結びつきが強い。岡山~福山間では普通列車に加え、117系を使用する快速「サンライナー」も運行される。

  • 快速「サンライナー」は117系を使用。岡山~福山間で快速運転を行う

車内から下り列車(三原・広島方面)の様子を眺めていると、あることに気づいた。18時台の夕ラッシュ時間帯にもかかわらず、明らかに快速よりも普通列車のほうが混雑しているのだ。快速が4両編成に対し、普通列車が3両編成であることも考慮しないといけないが、普通列車では立客が明らかに目立つ。

こうした事情も影響してか、2019年3月のダイヤ改正では、朝ラッシュ時間帯に運行される快速「サンライナー」が普通列車に変更されるという。「サンライナー」の運行は夕方以降のみになる。

岡山行の普通列車は19時16分、定刻に岡山駅に到着した。向かい側のホームに停車中の姫路行の普通列車に急いで乗り換える。

■岡山駅から姫路駅まで「青春18きっぷ」の難所!?

姫路行の普通列車も岡山行と同様、クロスシートに改造された115系1000番台だった。行先表示の「姫路」を見ると、近畿地方がぐっと近づいたように感じる。そう思うのは筆者だけではないだろう。

岡山県・兵庫県をまたぐ山陽本線の普通列車は意外と少ない。「青春18きっぷ」の利用者が頭を悩ませる区間でもあるようだ。岡山駅の時刻表を見ると、相生駅・姫路駅まで運行される普通列車は1時間に1~2本程度しかない。一方、福山駅へ運行される普通・快速列車は1時間に3~6本。岡山~相生間は赤穂線もあるとはいえ、ダイヤを見ると岡山県と広島県東部の結びつきの強さを改めて感じる。

姫路行の普通列車は6両編成。夕ラッシュ時間帯ということもあり、車内は立客が目立つ。混雑は和気駅まで続いた。岡山駅から和気駅まで所要時間は約30分なので、和気駅が岡山通勤圏における東側の拠点駅といえるだろう。

岡山県の最後の駅となる三石駅を発車すると、次は智頭急行と接続する兵庫県の上郡駅。三石~上郡間の駅間距離は12.8kmもあり、山陽本線では最長だという。その間、10分近くにもわたって115系の重厚なモーター音が車内に鳴り響き、県境超えを実感した。赤穂線が合流する相生駅を経て、20時40分、115系1000番台の普通列車は真新しい姫路駅ホームに滑り込んだ。

■別次元の速さを体感、近畿地方の看板列車、新快速 

最終ランナーは野洲行の新快速だ。姫路駅から三ノ宮駅まで営業キロ約57kmだが、途中停車駅は加古川駅、西明石駅、明石駅、神戸駅の4駅のみ。新快速の最高速度は130km/hとされている。姫路駅までの普通列車と比べると桁外れに速く感じた。

使用車両は1995(平成7)年に登場した223系1000番台だった。姫路駅まで乗車した普通列車の115系1000番台とほぼ同じ転換クロスシートだが、車内の明るさ、静かさ、快適度においてやはり223系1000番台に軍配が上がる。

新快速が次々と駅を通過し、普通列車を抜いていく瞬間は実に気持ちいい。神戸の市街地に入ると、神戸駅で山陽本線は終わり、ここから先は東海道本線だが、少しだけ足を伸ばす。新快速の魅力を堪能しつつ、20時20分に三ノ宮駅のホームに降り立った。

■下関駅から三ノ宮駅までの所要時間は?

「青春18きっぷ」で山陽本線の列車を乗り継ぐ旅は無事に終了。ここで改めて、今回の旅で乗車した列車とダイヤを整理しておきたい。

  • 下関駅 11:47 - 岩国駅 15:11 (普通 3334M)
  • 岩国駅 15:20 - 糸崎駅 17:42 (普通 7362M)
  • 糸崎駅 17:45 - 岡山駅 19:16 (普通 440M)
  • 岡山駅 19:17 - 姫路駅 20:40 (普通 1332M)
  • 姫路駅 20:41 - 三ノ宮駅 21:20 (新快速 3536M)

列車同士の接続の良さから、下関駅から三ノ宮駅までの所要時間は10時間を切り、9時間33分となった。「青春18きっぷ」の旅では乗換えにかかる時間をできるだけ短くしたい気持ちになるが、接続の良さゆえ長時間にわたって食料・飲料の調達ができない場合も考えられるため、始発駅などで余裕を持って購入しておくことをおすすめたい。

なお、前回も紹介した通り、西日本豪雨(平成30年7月豪雨)の影響で、広島地区・山口地区の山陽本線では3月15日まで特別ダイヤが実施されている。特別ダイヤはJR西日本サイト内の列車運行情報にて公開されている。