新快速はJR西日本の関西圏を代表する列車だ。運行区間は福井県から兵庫県にわたり、最高速度130km/hで駆け抜ける。3月のダイヤ改正から新たな有料座席サービス、新快速「Aシート」も導入される予定だ。

  • 新快速はJR西日本の看板列車のひとつ。223系・225系を使用して運転される(写真:マイナビニュース)

    新快速はJR西日本の看板列車のひとつ。223系・225系を使用して運転される

筆者はこの年末年始、「青春18きっぷ」を利用し、大阪駅から新快速に乗車。姫路方面・米原方面の現在の利用状況についても探ってみた。第1回目はJR神戸線(東海道・山陽本線)の大阪駅から姫路駅まで乗車したときの様子を振り返ることにする。

■223系・225系を使用、JR西日本の看板列車に

初めに新快速の概要を簡単に確認しておきたい。現在の新快速は福井県・滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県の2府3県を駆け抜けるJR西日本の看板列車として活躍している。最高速度は130km/hとされる。使用車両は223系・225系で、いずれも車内は転換クロスシートとなっており、着席できれば快適に移動できることも新快速の自慢のひとつとなっている。

今年3月に実施されるダイヤ改正で導入予定の新快速「Aシート」は、223系1000番台の2両を車両改造し、12両編成の9号車として連結される。野洲~姫路・網干間にて、平日・土休日ともに1日あたり上下各2本の列車で有料座席サービスを提供するとのことだ。

■休日午前の下りでも神戸駅まで立客が目立つ

筆者は12月30日、大阪駅を10時0分に発車する姫路行の新快速に乗車した。発車の約10分前から、大阪駅5番線ホームにある新快速の停車位置には列ができていた。年末ということもあり、家族連れの姿も目立った。

新快速が大阪駅を発車した時点で、乗車した6号車は座席がすべて埋まり、立客も目立った。次の停車駅、尼崎駅はJR宝塚線(福知山線)・JR東西線と接続しており、多くの利用者が乗車してくる。続いて停車した芦屋駅は全国的に知られた高級住宅街の駅だが、乗降客はさほど多くない。ちなみに芦屋駅では、2016年3月ダイヤ改正まで同一ホーム上で新快速と普通列車などの相互乗換えが可能だった。現在は相互乗換えができず、普通列車から新快速に乗り換える際、10分ほどホームで待たされる場合もある。

10時21分、神戸市の中心地である三ノ宮駅に到着。ここで3分の1程度の乗客が降りた。

阪神間はJR西日本・阪急電鉄・阪神電気鉄道の路線が並走しており、日中時間帯の所要時間はJR神戸線の新快速が大阪~三ノ宮間21分、阪急神戸線の特急が梅田~神戸三宮間27分、阪神本線の特急・直通特急が梅田~神戸三宮間31分で、新快速が優位に見える。

ただし、運賃では阪急神戸線・阪神本線ともに梅田~神戸三宮間320円だが、JR神戸線の大阪~三ノ宮間は410円だ。所要時間と運賃のバランス、さらに阪急・阪神の梅田駅がともに始発駅で着席しやすいことなどを考えると、阪神間において新快速が必ずしも優位に立っているわけではない。

  • 神戸市内を走る新快速

三ノ宮駅を発車すると、数分ほどで神戸駅に停車する。駅周辺には神戸アンパンマンこどもミュージアム&モールや商業施設、神戸ハーバーランドなどがあり、家族連れの多くがここで降りた。立客が一気に減ったところで、新快速はさらに西へと進む。

■明石駅での降車客が多い理由は

10時30分頃に須磨駅を通過すると、進行方向左側に海岸が見えた。同時に、進行方向右側から山陽電鉄本線の線路が寄り添ってくる。新快速は塩屋~垂水間で山陽電気鉄道の直通特急(姫路行)を軽々と追い抜いた。直通特急の車内をのぞくと立客がおらず、空席も目立っているように感じた。10時38分、兵庫県西部の玄関口にあたる明石駅に停車。ここで三ノ宮駅よりさらに多くの利用者が降りて行った。

なぜ、明石駅では降車客が多いのか。ひとつにはJR神戸線と並走する私鉄側の事情が考えられる。先述の通り、阪神間では新快速が絶対的優位に立っているとは言いにくい状況だが、日中時間帯の大阪~明石間で考えると、新快速の所要時間37分、運賃920円に対し、阪神本線・神戸高速線・山陽電鉄本線を走行する直通特急の梅田~山陽明石間の所要時間は62分、運賃は910円だ。

直通特急は複数の会社間を走るため、運賃に割高感がある。さらに神戸市から明石市にかけての線形の差なども影響し、大阪~明石間はJR神戸線の新快速が優位に立っているといえる。明石駅で山陽電鉄本線に乗り換える利用者も多いようだ。もうひとつ、明石市が近年、ベッドタウンとして注目され、2013年から人口増が続いていることも、大阪~明石間で新快速の利用者が増えた要因になっている。

明石駅を過ぎ、山陽新幹線と接続する西明石駅を発車すると郊外色が増す。10時53分、新快速は加古川駅に到着した。加古川線と接続し、JR神戸線の緩急接続も行う同駅だが、隣のホームに停車中の普通列車(網干行)に乗り換える人は少なかった。

■新快速「Aシート」と「らくラクはりま」デビュー迫る

加古川駅を発車した時点で、ほとんどの座席が埋まっているものの、立客はなかった。次の停車駅は終点の姫路駅だが、車内放送ではこの列車が岡山行の列車に連絡しないことを強調していた。日中時間帯、岡山方面へ向かうには姫路駅で播州赤穂行に乗り換え、途中の相生駅で乗り換えなければならない。

11時3分、新快速は定刻通り姫路駅に到着。多くの乗客が隣のホームの普通列車(播州赤穂行)に乗り換えた。そのため、4両しかない普通列車は早くも満員状態。時期が時期だけに、帰省客だけでなく、筆者のような「青春18きっぷ」で旅行中の乗客も多そうだった。

  • 新快速の多くが姫路駅発着で運転される

ダイヤ改正後、JR神戸線で新快速「Aシート」を導入する列車は、平日の上りが網干駅7時22分発・姫路駅18時10分発(ともに野洲行)の2本、平日の下りが大阪駅12時0分発(野洲発姫路行)・22時0分発(野洲発網干行)の2本、土休日の上りが姫路駅8時40分発・16時10分発(ともに野洲行)の2本、土休日の下りが大阪駅13時0分発・20時30分発(ともに野洲発姫路行)の2本。さらにJR神戸線では、新たに通勤特急「らくラクはりま」もデビューし、平日朝に姫路発大阪行、平日夜に大阪発姫路行が運転される予定だ。

新快速「Aシート」と通勤特急「らくラクはりま」の導入により、平日の通勤時間帯を中心に、JR神戸線の移動がより快適になるはず。今後、これらの着席サービスが普及したなら、大阪から約1時間圏内にある兵庫県西部地域の魅力がさらに増すかもしれない。