こんにちは。産業保健WEBメディア「サンポナビ」編集長の飯塚です。5月31日は「世界禁煙デー」。ということで今回は“職場の喫煙”についてです。2020年に施行された改正健康増進法のルールとともに見ておきましょう。

  • 職場での禁煙ルールを改めてチェックしましょう

    職場での禁煙ルールを改めてチェックしましょう

■職場で「自由に」タバコを吸って良い時代はもう終わっている

タバコが身体に悪いことは、吸っている人も吸っていない人もよく知っていると思います。実際に、日本人の死亡原因の第1位は喫煙に関するものです(出典:厚生労働省「健康日本21(第2次)」)。

喫煙者としては「吸わないと集中できない」かもしれませんが、非喫煙者にとっては「吸ってもいないのに不健康になりたくない」はずです。そもそも、職場で「普通にタバコを吸っていい時代」は2020年に終了しています。その理由が、昨年に施行された改正健康増進法です。

改正健康増進法では、公共施設や飲食店だけでなく、「職場での喫煙ルール」を厳格に定めており、会社であっても原則的に屋内は禁煙にしている必要があるのです。

■職場の「原則禁煙」を守れていない企業はどうなる

「うちの会社、上司が普通にデスクでタバコ吸ってるんだけど」
「同僚が言うには、オフィス内でも電子タバコなら吸っていいってほんと?」

結論から言えば、これらはすべてNGです。

改正健康増進法に対応するためには、
(1)会社内を全面禁煙にする
(2)喫煙室を設置する
以外に方法はありません。

(1)については、比較的簡単に取り組めると思われますが、経営層が喫煙者であったりすると難航する可能性があります。

(2)については、「今日からここが喫煙室ね」と、灰皿を置くだけのような状態ではNG。改正健康増進法では、換気・気流の状態の基準値までルール化しているからです。その他にも、未成年が喫煙室に入室することを禁ずる旨、入り口に表示する義務等があります。

■会社が禁煙に関するルールを守ってなかったらどうなる?

職場が改正健康増進法に適応していない場合、、都道府県から会社に対し指導や勧告が行われ、是正されない場合には会社名が公表されますし、最後は過料(罰金)を科せられる可能性があります。「うちの会社、健康増進法のルール全然守ってないじゃん」と思った従業員が、行政の相談窓口に報告して発覚するケースもあるでしょう。

それだけでなく、職場で自由に喫煙できる状態だったり、適切な分煙行われていない状態であったりすれば、健康被害を理由に会社を訴える従業員が出てくることも考えられます。

このように、喫煙に関する環境・ルールは年々厳しいものになっています。毎年5月31日は「世界禁煙デー」です。働く喫煙者の方だけでなく、経営層の方も「職場の禁煙」について考えてみませんか?

出典 : 厚生労働省 「健康日本21(第2次)」