こんにちは。産業保健WEBメディア「サンポナビ」編集長の飯塚です。「春眠暁を覚えず」と言われる季節が来ましたが、3月には「睡眠健康週間」というものがあり、春は睡眠に関して考える良い季節でもあります。

睡眠が適切に取れていないことは、病気等のリスクにつながりますので、この機会に睡眠について知ってみましょう。

  • 睡眠時間ときちんと向き合っていますか?

    睡眠時間ときちんと向き合っていますか?

■適切な睡眠時間は「人によって違う」

厚生労働省の調査(※)によれば、働く男性・女性の睡眠時間は「6時間以上7時間未満」がもっとも多い結果となっています。では、人間にとって最適な睡眠時間は6~7時間かといえば、そうではないようです。

最適な睡眠時間は人によって違うため、「○時間も寝たのに眠い」ということや、「○時間しか寝ていないのに眠くない」ということがあるのです。もちろん、この睡眠時間はその日の体調やストレス、疲れの度合いによっても異なることが考えられますが、まずは自分にとって最適な睡眠時間を知ることから始めてみましょう。

※出典:厚生労働省「平成30年度 健康実態調査結果の報告

■睡眠不足には、さまざまな危険と病気のリスクがある

「明日、仕事中に少し眠いくらい大丈夫でしょ」このようにして、夜更かししていませんか? 睡眠不足には危険と病気のリスクが数多くあります。

例えば、眠気による注意力の低下は仕事中の事故やけがといった労働災害の原因になります。また、睡眠不足と生活習慣病の関係性も明らかになっており、適切な睡眠がとれていないことは肥満や高血圧、糖尿病等の要因になるとされています。

けがや病気を防ぐためにも「たかが睡眠不足」と甘く見ずに、適切な睡眠時間を確保するように心がけてください。

■「とはいえ眠れない…」そんな時、ぐっすり眠るためにはどうすればいい?

毎日仕事をしていると睡眠時間の確保がどうしても難しいこともありますので、睡眠の質を向上させてみてください。上質な睡眠をとるために「ついついやってしまいがちだけど、寝る前やらない方がいいこと」を知っておきましょう。

●入眠前に避けた方が良いとされる行動

・夕食後のコーヒー:入眠4時間前からコーヒーや緑茶など、カフェインを含む飲み物は控えましょう。

・睡眠前の飲酒:「飲んだ方がよく眠れるから」というのは間違い。アルコールは眠りを浅くしますので、寝酒は控える。

・入眠前はスマートフォンの使用:寝ながらスマホはついやってしまいがちですが、画面からの光が脳を覚醒させてしまうため、就寝前は使用しないこと。 ※参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針 2014」

一方、ぐっすり眠るためには、毎朝決まった時間に起き、朝食をたべる。そして適度な運動をするなど、生活リズムを作ることが大切になります。

■不眠が続く場合は専門家に相談を

単に生活習慣からの睡眠不足ではなく、「明日の仕事のことが気になって眠れない」「考え事をしていて朝まで起きている」といった場合には、睡眠障害の可能性もありますので、産業医や専門医に相談してください。

睡眠不足は身体だけでなくメンタルヘルスにも影響があると言われていますので、十分に注意しましょう。