イギリス編もいよいよ最終回。『ロゼッタストーン』で身についた英語のフレーズのお陰で、内心びくびくものだったロンドン旅行もなんとか乗り切ることができた……と、思いきや、旅も終盤に差し掛かった頃、思いがけない事件が!!

ロンドンに来て4日目。ロンドンの名所観光を十分に満喫していた私は、オックスフォードに行くため、パディントン駅から出る列車に乗りこんだ。1日乗り放題のチケットを事前に用意していたので、あとは駅員が来るまでのんびり汽車の旅を楽しむ。

……それにしては、なかなか駅員の姿が見えない。しかし、朝も早かったからか、うつらうつらとしているうちに、眠ってしまったようだ。

Excuse me……

ポンポンっと肩を叩かれ、はっと目を向けると女性の駅員さんがこっちをみてにっこりしている。ああ、チケットね……。チケットを見せながら、ふと言葉がついた。

What time will this train reach the Oxford station?

そういった途端、私の周囲がざわついた。ん? 私、変な英語喋った?

女性の駅員さんも苦笑いして、周囲と顔を見合わせている。嫌な予感というより、嫌な確信が胸を覆った。女性の駅員さんはすこし間を置いて「この電車はポーツマス行きよ。オックスフォードには行かないわ」と告げた。

え……えぇぇぇぇ!!

日本の地名で例えるなら……、そう。青森に行こうとして大阪に行っちゃったような。つまり、ほとんど間逆の行き先の列車に乗り込んじゃったんです。しかも、特急。次の駅には1時間後に到着するらしい。

頭の中にビック・ベンばりの鐘の音がリフレインする。……いや!! ここで落ち込んでいる場合じゃない。この電車が間違いだったとすれば、どうやってオックスフォードに戻ればいいのだろう。恥とかそういう問題ではない。聞かなきゃ、最悪オックスフォードに到着できない可能性がある。そこで、思い出したのが『ロゼッタストーン』のフレーズだった。

電車を間違えました。。。頭の中で、ビック・ベンの鐘の音が……

How do I get to the Oxford?

女性の駅員さんは路線図を取り出し、ゆっくりとした英語で話してくれたばかりか、紙に乗り継ぎ駅と出発時間を書いてくれたものを手渡してくれた。当初は10時にはオックスフォードに到着する予定だったが、現実は15時着。いや、到着するだけよしとしなければ。

1時間後、次の駅で降り、ぼ~っと駅のホームに立ちつくしていると、時間ぴったりに列車がやってきた。その後は、何度か乗り継ぎ駅を間違えそうになりながらも、15時、オックスフォード駅に無事到着した。

オックスフォードに到着!!

クライスト・チャーチ(オックスフォード大学)も見ることができました

『ハリー・ポッターと賢者の石』の撮影で有名な、クライスト・チャーチ内のグレート・ホール

あの時、『ロゼッタストーン』であのフレーズが出てこなかったら……。そう思うと、『ロゼッタストーン』のありがたみを改めて感じたワケである。

次の日、再びロンドンからカンタベリーへと向かう、駅のホームにて、恥ずかしがることなく、発車を待つ車掌さんに話しかけた。

Can I take the train to Canterberry east?

結果はオーライ。ここで結論。私のように英語が苦手でも、英語のフレーズがある程度話せたら、旅はずっと楽しいものになる。特に、電車やバスの乗り間違いなど有事に備えて簡単な英語は話せるべき。私は『ロゼッタストーン』を使ったが、困ったときに使えるフレーズが満載なので、使ってみることをお薦めしたい。

カンタベリー大聖堂も観光できました

とりあえず、イギリス編は最終回。でも、まだまだ『ロゼッタストーン』の魅力に迫る本連載は続く。

まて、次回!!