いきなりだが、イギリスに行くことになった。『ロゼッタストーン』を始めてはや5カ月。せっかく英語を勉強しているのだから、英語を使いたい。でも、以前書いたように日本で英語を使う機会は私にはない。それなら、いっそ英語を使う環境に自分を置いてしまえばいい、と思い立ってしまったワケだ。

航空券やらホテルを予約して一安心したところで、ふと自分の無謀さに気づいた。

「英会話、できるようになったの?」

「ハハハ、まさか……!?」

いくら『ロゼッタストーン』で英語学習をはじめたからといって、自分の語学力(レベル1)を考えれば分かる話である。もともと英語が苦手で、学校を卒業してから10年弱、英語とは縁遠い生活をしていたのだ。最近では、『ロゼッタストーン』のおかげで英語への嫌悪感が解消され、スピーキングの楽しさを実感しているが、いやだからって、英会話ができるレベルはハードルが高すぎる気がする。

イギリスまで行って、何も話せず帰るのがオチじゃないか、という確信に近い不安が首をもたげはじめる。その上、今回は個人旅行。助けてくれる人は……ゼロ。自分の所業に猛省するものの、せっかく行くんだから、これはもう頑張るしかない。渡英まで1カ月を切った今、頼みの綱はやはり『ロゼッタストーン』だ。

そこで、旅行をするという視点から『ロゼッタストーン』を使ってみると、また違った観点から、『ロゼッタストーン』の良さを知ることができた。

私の数少ない経験で話せば、海外旅行で一番大変なのは、目的地に到着することじゃないかと思う。東京ですら道に迷うことがあるのに、向かうのは生まれて初めて行く場所のオンパレード(当たり前ではあるが)。ガイドブックを熟読し、インターネットで下調べを重ねても迷うときは迷う。日本なら気軽に誰かに道を尋ねるが、海外に行けば誰に話しかけていいかも分からず、というより、どう話しかければいいのか知らないので徒方に暮れるしかない。ただし、諦めて家に帰るという選択肢はない。限られた時間内で観光名所をいくつも回らなければならないのだから。

たとえば『ロゼッタストーン』には、ショッピングや目的地への移動など、状況に応じて使えるフレーズが多数収録されている。

海外に行くとよくやってしまうのが、電車やバスの乗り間違い。ちゃんと聞いておけば目的地にスムーズに到着できるはず!

たとえば、私が「いいなぁ、これ」と思ったのは、女子としてどうかと思うが「Where is the restroom?」(トイレはどこですか?)。個人的には日本の居酒屋でよく使うフレーズなのだが、本当、トイレの場所って分かりにくくないですか? そして緊急を要する場合が多いですからね。海外では特に死活問題です。「ああ、向かって右側の最初のドアですよ」なんて相手の受け答えを見ていても役立つ部分が多い。もし、自分がいきなりその立場に置かれたらfirst doorやらon the rightなんて言われても「???」で、やみくもに走り出してしまいそうだが今から準備をしていれば、トイレもバッチリ。いやぁ、勇気百倍です。

「Where is the restroom?」で何があっても万全……て女子としてどうかと思うが

もちろん、トイレだけではなく道を聞く際に役立つフレーズもいろいろあったので、様々な状況への応用も可能。電車や飛行機がどれぐらい遅れているのか聞くシーンなどは、英語を使う側の立場を考えたフレーズ選定になっていることを感じさせられました。「take」「get」など自分にも馴染みの深い単語を使ったフレーズばかりだから、無理なく身につけられるのも嬉しいところだ。

ひとつのフレーズだけではなく、相手と自分の受け答えを想定しながら進めることができる

道に迷った時、どのように聞けばいいのか。そして相手がどのようなことを話すのか想定しながら学んでいく。旅行前の事前準備にちょうどよい

また、ネイティブスピーカーが全ての英語を発音してくれる上、文法や発音など何度も繰り返し復習しながら、ユニットが進んでいくので、自然とそのフレーズが口から出てくるのが心地よい。そして、英会話の部分だけでなくこれまで出てきた単語の発音も非常に役立つことに気づく。以前紹介した「milk」もそうだが、勉強を進めていくと会話や単語の発音の流れが自然と身についてくる。そうした自分に身に着いた英単語が増えていくことで、不測の事態に陥った時でも「あ、これ前発音した!」と自信を持って答えられる。一度も発声したことのない言葉は日本語でも不安なのだから、英語ならなおさらだ。自信が一歩一歩ついていけば次第に大きな自信となって現れてくる。これはいけるか? いけるのか自分!?

ネイティブスピーカーが全ての英語を発音してくれるので、自然のフレーズが口から出てくるのが心地よい

さて、次回はいよいよロンドンに行きます。『ロゼッタストーン』が果たしてどこまで海外旅行で役立つのか、身をもってレポートしてまいります。

待て、次回。