ロードバイクを上達させるために、最初に購入したいのが「サイクルコンピューター(以下、サイコン)」だと思っています。サイコンは自転車に取り付け、スピードや心拍数、ケイデンス(脚の回転数)、そしてパワーなどを表示する速度計の一種で、私はGARMINを愛用しています。

なぜサイコンが必要なのかと言うと、やはり自分のコンディションと現時点での力量をデータで可視化してくれるからです。1週間前の自分より2キロ速くなった、心拍数を180まで、ケイデンスを120まで上げる事が可能になったなど、"時間軸"で変化を可視化できれば、自分の上達度合いがわかります。

また、友人たちとも数値で話をする事が可能になり、ライバルの数値を知る事ができれば、それを超えるためのトレーニング方法を考案することもできます。

  • 「データマネジメント」の重要性について

サイコンを確認する際に重要視しているのは「心拍数」と「パワー」です。サイコンを付けると、あらゆるデータの中でも「スピード」に目が行きがちですが、「スピード」を見ていてもレースに勝利することはできません。なぜなら、それは外部環境(風や交通量など)に左右され、自分ではコントロールすることができない要素だからです。そこで外部環境に左右されない「心拍数」と「パワー」を最重要指標におき、自分でコントロールすることでゴールまでの残りの距離を走りきれる体力を残しながら、限界ギリギリで戦うのです。

  • GARMINのサイコン画面

このデータによる自分マネジメントは、ビジネスにおいても共通する点が多いと感じます。上記の観点でビジネスにおける成果を出すための指標(データ)は何かを考えると、「外部環境に左右されない、自分でコントロールできるもの」ことになります。

例えば店舗サービス業ではPOSレジが導入され、売上や利益など様々なデータを取得することができますが、結果数値である「売上(=客数x客単価)」や「利益」を最重要成果指標にすることはできません。それは、雨や台風、気温といった天候などで「客数」が大きく左右されてしまうからです。そこでプロセスで自分がコントロールできる指標を掲げる必要があります。ではその指標は何でしょうか。来店客の「客単価」を上げることは可能です。購買点数の増加や商品単価の高いものを購入してもらうことは接客レベルを高める事で可能になります。

同じ考え方で、「QSC(クオリティ、サービス、クリーンネス)」を最重要指標に置いている企業も多くあります。これも「売上」は結果であり、その結果を生み出すために、商品クオリティ、サービス、クリーンネスという3つの指標を持ち、外部調査員によって調べ、店舗全体のレベルを数値化して見る方法です。この指標で店舗レベルを明らかにすることで、結果を常に出せる店作りをしているのです。自分たちで変えられることに集中させているのです。

このようにビジネスにおいても「外部環境に左右されない、自分たちで変えられるもの」を最重要指標を持ち、データとして見える化した上で自分や自分たちをコントロールする事で、成果を創出することができます。

まずは、なんとなくやっているということから脱し、自分でコントロール可能なデータによって成果を作り出せる人になって欲しいと思います。

執筆:染谷剛史(そめや たけし)

ナレッジ・マーチャントワークス 代表取締役社長
1976年、茨城県生まれ。1998年、リクルートグループ入社。中途・アルバイト・パート領域の求人広告営業に従事。新人賞を受賞。マーケットプロデュース部門に異動し、WEB・モバイル系新商品開発に従事。2001年、株式会社デジットブレーン入社。副編集長、広告局マネジャー。大手ホテルやハウスウェディングのPRコンサルティングに従事。2003年、株式会社リンクアンドモチベーション入社(東証一部上場)。大手小売・外食・ホテルといったサービス業の採用・組織変革コンサルティングに従事。2012年には同社執行役員に就任。

以後も新規事業開発(グローバル事業立ち上げ、健康経営部門の立ち上げ)を経て、サービス業に特化した組織人事コンサルティングカンパニー長を担う。2017年、ナレッジ・マーチャントワークス株式会社を設立し、代表取締役に就任。多店舗展開型企業の経営・組織変革を目的にサービス産業に特化したシフトワーカーマネジメントアプリ「はたLuck」の開発を行う。

■ナレッジ・マーチャントワークス