10月1日から東京都発着も「Go To トラベル」の対象に追加され、すでに旅行したという人や、これから旅行予定の人も多いだろう。これを機に国内旅行傷害保険を付帯したクレジットカードを作ってみてはいかがだろうか?

  • 年会費無料の国内旅行保険付きカード3つ

クレジットカードの旅行傷害保険は、国内旅行を対象とするものと、海外旅行を対象とするものがあり、それぞれ内容が異なる。海外旅行傷害保険は疾病治療や携行品損害などに対しても補償を受けられるが、国内は怪我に対する補償のみ。また、補償を受けられるケースも、電車、航空機、船舶など公共交通乗用具搭乗中の事故、ホテルなどに宿泊中の火災や爆発、宿泊を伴うツアー(募集型企画旅行)参加中の事故となる。

国内旅行傷害保険の補償範囲は広くないため、あまりお金をかけたくないという人もいるだろう。そこで今回は、年会費無料、または条件を満たせば年会費無料で、国内旅行傷害保険を付帯しているカードのなかから、厳選した3枚を紹介する。

1.年会費完全無料の「横浜インビテーションカード」

「横浜インビテーションカード」は年会費無料。所定の旅行代金を事前にカードで支払うと、当該旅行に対して国内旅行傷害保険が適用される。補償額は傷害死亡・後遺障害時に最高1,000万円、入院時は1日につき5,000円、通院は同3,000円、入院が伴う手術は最高20万円。なお、入院・通院・手術に対する補償は、8日以上の入院または通院をした場合にのみ対象となる。

  • 「横浜インビテーションカード」

海外旅行傷害保険も付帯しており、こちらはカードを保有しているだけで適用される。補償額は傷害死亡・後遺障害時に最高2,000万円、傷害・疾病治療は最高200万円、誤って他人を怪我させたり他人の物を壊したりした際の賠償責任に対しては最高2,000万円、携行品損害は年間最高20万円、救援者費用は年間最高200万円となる。

さらにショッピング保険も付帯しており、カードで購入した物品が購入から90日以内に盗難・破損など偶然の事故で損害を被った場合に、年間最高100万円が補償される。なお、1事故につき3,000円の自己負担が必要で、自動車、自転車、携帯電話、ノートパソコンなどは補償対象外となる。

ポイントプログラムは毎月の利用合計額200円につき1ポイントが貯まり、年間利用額に応じて次年度のポイント付与率は最高2倍までアップ。50万円以上利用で次年度1.5倍、100万円以上で1.7倍、150万円以上で1.8倍、200万円以上で1.9倍、300万円以上で2倍となる。

貯まったポイントは各種商品券や提携ポイントへの交換などに利用できるほか、カード利用代金に充当できる「Jデポ」にも交換可能。「Jデポ」はWebから交換申請すると1,000ポイント=1,050円相当になるため、ポイント還元率は最高で1.05%になる。

このほか、会員制優待サービスの「J'sコンシェル」が利用できることもメリットのひとつ。全国の宿泊施設やレジャー施設をはじめ、映画館、温泉、エステなど幅広いジャンルで割引などの優待を受けることが可能だ。

なお、同じくジャックスが発行し、家電量販店のノジマと提携した「ノジマ・ジャックス・JCBカード」、北陸の百貨店・大和と提携した「ダイワプライマリーカード」も、年会費無料で「横浜インビテーションカード」と同様の国内・海外旅行傷害保険を付帯している。

2.還元率重視の人におすすめな「ビックカメラSuicaカード」

1枚のカードにSuica、JRE POINT、ビックポイントの機能も搭載した「ビックカメラSuicaカード」は、年会費524円で初年度は無料。年に1回でもクレジット利用すれば、次年度年会費は無料になる。

  • 「ビックカメラSuicaカード」

国内旅行傷害保険は所定の旅行代金を事前にカードで支払うと、当該旅行に対して適用。補償額は傷害死亡・後遺障害時に最高1,000万円、入院時は1日につき3,000円、通院は同2,000円、入院中の手術は3万円、入院中以外の手術は1万5,000円となる。なお、入院・通院・手術に対する補償は、事故発生から7日目以降も入院または通院状態が継続している場合にのみ対象となっている。

海外旅行傷害保険も付帯しており、こちらはカードを保有しているだけで適用される。補償額は傷害死亡・後遺障害時に最高500万円、傷害・疾病治療は最高50万円となる。なお、発行元のビューカードの公式サイトには、各カードの詳細ページに「ビューカード旅行傷害保険のご案内(あらまし)」がPDFで掲載されているので、ぜひ一度目を通してほしい。

ポイントプログラムはJRE POINTとビックポイントの2種類が同時に貯まり、通常は毎月の利用合計額に対して、JRE POINTは1,000円につき5ポイント、ビックポイントは200円につき1ポイント。どちらも1ポイント=1円相当のため、還元率は合計1%になる。

JR東日本利用時はJRE POINTのみが貯まり、Suicaへのチャージや定期券購入など「VIEWプラス」対象商品購入時は1,000円につき15ポイント。つまり普段の買い物を同カードでチャージしたSuicaで支払っていれば、1.5%還元を得られる。

ビックカメラ・コジマ・ソフマップで利用した際は、ビックポイントのみが貯まり、現金払い時と同じポイント率。ビックカメラはSuica払いでも現金払い時と同じポイント率になるため、たとえば現金払い時に10%のビックポイントが貯まる商品をSuicaで購入すれば、チャージ時に貯まる1.5%のJRE POINTと合わせて、合計11.5%還元になる。

JRE POINTは1ポイント=1円としてSuicaへのチャージに利用できるほか、ビックポイントへの交換、各種商品券やクーポン券、Suicaのペンギングッズや鉄道グッズなどにも交換可能。ルミネ商品券やJR東日本系列のホテル利用券など、交換商品によっては1ポイント=1円以上になることもある。

3.補償内容が充実した「STARFLYER PREMIUM CARD」

航空会社のスターフライヤーとジャックスが提携した「STARFLYER PREMIUM CARD」は、年会費2,200円。初年度は無料で、年間10万円以上利用すると次年度年会費も無料になる。

  • 「STARFLYER PREMIUM CARD」

国内旅行傷害保険は、所定の旅行代金を事前にカードで支払うと、当該旅行に対して適用される。補償額は傷害死亡・後遺障害時に最高3,000万円、入院時は1日につき5,000円、通院は同3,000円、入院が伴う手術は最高20万円。航空便の遅延や欠航、手荷物の遅延・紛失に対しても、最高2万円の補償が受けられる。

条件を満たす家族の怪我も補償対象で、こちらは傷害死亡・後遺障害時は最高1,000万円、入院・通院・手術は本会員と同一になる。なお、入院・通院・手術に対する補償は、8日以上の入院または通院をした場合のみ対象。

海外旅行傷害保険はカードを保有しているだけで適用される。補償額は傷害死亡・後遺障害時に最高3,000万円、傷害・疾病治療は最高200万円、賠償責任は最高3,000万円、携行品損害は年間最高20万円、救援者費用は年間最高200万円。航空便の遅延や欠航、手荷物の遅延・紛失に対しても、最高4万円の補償が受けられる。

さらにショッピング保険も付帯しており、カードで購入した物品が購入から90日以内に盗難・破損など偶然の事故で損害を被った場合に、年間最高100万円を補償。なお、1事故につき3,000円の自己負担が必要で、自動車、自転車、携帯電話、ノートパソコンなどは補償対象外となる。

ポイントプログラムは毎月の利用合計額100円につき1ポイントが貯まる。ポイントはスターフライヤーのマイレージプログラムであるSTAR LINKには2,000ポイント=2,000マイル、カード利用代金に充当できる「Jデポ」には2,000ポイント=2,000円として交換可能。スターフライヤー国内線航空券をカードで購入した場合に、後日請求金額に対して充当できる「STARデポ」であれば、2,000ポイント=2,500円分として交換できる。そのため還元率は最高1.25%となる。


以上、年会費無料で保有できる国内旅行傷害保険付きのカード3枚を紹介した。年会費完全無料ながら補償内容も充実した「横浜インビテーションカード」は、誰が持っても損はない1枚。還元率や使い勝手を重視したい人には「ビックカメラSuicaカード」、年間10万円以上利用の年会費無料条件をクリアできるなら補償内容の手厚い「STARFLYER PREMIUM CARD」をおすすめしたい。

なお、ここでは保険の要点のみ記したが、補償の適用には様々な条件がある。申し込み前には公式サイトなどで詳しい条件を確認してほしい。

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■ 筆者プロフィール: タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。