QR/バーコード決済が普及して以降、還元率の高い大型キャンペーンが頻繁に行われるようになったが、同時にルールが複雑なキャンペーンも増えている。キャンペーン目当てで利用したのに、条件を満たしていなかったために、還元を得られなかったという残念な結果は避けたいところ。今回はキャンペーンを利用する際に確認しておくべきポイントを解説する。

  • キャンペーン利用時に確認しておくべきこと

エントリーの有無

真っ先にチェックしておくべきはエントリーが必要かどうか。特に楽天関係のキャンペーンは必須になることが多い。先着○名のエントリーした会員限定など、上限が決まっている場合もあるので、少しでも利用する可能性があるキャンペーンは、見つけたタイミングでエントリーしておこう。

また、エントリー前の利用は無効とされる場合が多いが、まれにエントリーと利用の順番を問わないキャンペーンもある。うっかりエントリーを忘れてしまった場合も、望みを捨てずキャンペーン条件を確認してみるといいだろう。

キャンペーン期間

キャンペーン期間が○月請求分まで、○月引き落とし分までといった場合は注意が必要だ。デビットやプリペイド型の決済手段の場合は、基本的にその場で残高から引き落とされるため心配いらないが、クレジットカードの場合は明細書に利用が計上されるまでに数日かかることもある。

たとえば月末締め・翌月27日払いのカードを月末付近に利用した場合は、加盟店からカード会社への売上データの到着が遅れると、請求が翌々月支払い分にズレ込むことがある。キャンペーン期限ギリギリに利用する場合は、こうした事態が発生する可能性も頭に入れておこう。

支払い方法

クレジットカード決済の場合、1回払いのみ対象、リボ払いのみ対象など、支払い方法によってキャンペーン対象外となることもある。Apple Payや後払い式電子マネーにクレジットカードを紐付けて支払う場合も、キャンペーンの対象になるのか事前に確認しておこう。

QR/バーコード決済などでは、チャージした残高で支払えば対象だが、クレジットカードを紐付けた支払いでは対象外になるケースもある。また、支払いにポイントを充当する場合も、充当分は対象外になることが多い。特にd払いのキャンペーンは、このケースに該当しやすいので注意が必要だ。

対象外店舗・商品

キャンペーンでは「一部対象外」などの注意書きが入れられている場合が多く、対象外店舗や対象外商品が指定されていることがある。大手チェーン店を対象としたキャンペーンでも、ショッピングモール内、駅構内、空港内の店舗などは対象外になっていることもある。

対象外商品では、金券類や電子マネーのチャージ、酒やタバコなどは対象外になることが多い。ほかにもポイント対象外に指定されている商品は、キャンペーンでも対象外になることが多いので気をつけよう。

還元上限

50%キャッシュバックなど還元率の高いキャンペーンでも、よく見たら期間中500円までといった形で、上限が設けられているケースも多い。また、1回あたりの上限、1日あたりの上限、期間中の上限など、条件ごとに上限が異なる場合もある。

たとえば30%還元のキャンペーンで、期間中の還元上限が1,000円の場合、3,334円利用分までがキャンペーン対象になる。見た目の還元率に騙されず、いくらまでの利用がキャンペーン対象となるのか、あらかじめ計算しておこう。

最低利用額

キャンペーンでは、1回○○円以上利用した場合、期間中○○円以上利用した場合など、最低利用額が定められている場合も多い。特にネットショッピングが対象のキャンペーンでは、在庫切れや予約注文の商品を購入してしまうと、入荷を待っている間にキャンペーンが終わってしまい、最低利用額を満たせない可能性がある。

消費税にも注意が必要だ。最低利用額が税別で計算され、8%と10%の消費税が混在するような買い物をする場合は計算ミスをしやすい。また、前述のようにポイント利用分はキャンペーン対象外となることもある。別途クーポンなどを利用する際も気をつけたほうがいいだろう。

ポイント有効期限

ポイントが還元されるキャンペーンでは、還元されるポイントの有効期限にも注意が必要だ。通常より有効期限が短い期間限定ポイントや、利用方法が限定されたポイントとして還元されるキャンペーンも少なくない。還元時期と有効期限は事前にチェックし、できれば使い道まで考えておこう。

キャッシュバック系のキャンペーンでも、必ずしも現金が振り込まれるわけではない。利用代金との相殺やチャージ残高への還元がキャッシュバックと表現されていることもある。こうした場合も、所定の期間内に利用しなければ失効してしまうことがあるので、どのような形で還元を受けられるかは事前に確認しておこう。

以上、代表的な注意点を挙げたが、このほかにも様々な条件が設定されていることがある。キャンペーンを利用する際は、大きく書かれた数字に惑わされず、まずは詳細をチェックする癖を身につけよう。特に上限と対象外項目は失敗の原因になりやすい。

また、キャンペーンだからといって、必要のないものまで買ってしまっては本末転倒。店によってはキャンペーンをいいことに、通常よりも値上げして販売している場合もあり、結果としてキャンペーン対象ではない店で買ったほうが安いこともある。購入する商品の相場は事前に調べておくことが肝心だ。

※本記事で紹介したサービス内容は更新日時点の情報です。「税別」などの注記がない限り、原則として消費税込みの金額を表記しています。ポイント価値は編集部にて算出しており、利用方法によって上下する場合があります。各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。

■ 筆者プロフィール: タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。