最初に結論

  • 「自分の給与は相場より低いのでは?」と感じることは珍しくありません。調査では、66.8%の看護師が「現在の給与は仕事の責任に見合っていない」と回答し、87.6%が「今より10%以上高い給与が適正」と考えていました。給与相場を考える際は、平均年収だけでなく、自分の仕事内容や責任、賞与・福利厚生まで含めて総合的に比較することが大切です。
  • 記事の重要ポイント
  • 1:仕事量や責任に対して、現在の給与水準に納得できていない看護師が全体の3人に2人を占めました
  • 2:看護師が考える適正給与は、平均すると現在より17.2%高い水準でした。「もっと評価されるべき」という意識が幅広い年代で見られます
  • 3:夜勤回数やリーダー業務、委員会活動、新人指導など、担う役割が増えるほど「給与が見合わない」と感じる傾向があります
  • 4:給与(月給)は改善傾向が見られる一方、賞与や福利厚生は悪化したと感じる人も多く、待遇全体で判断する必要があります
  • この記事でわかること
    • 看護師が考える「給与相場」の本当の意味
    • 年代別・経験別に見る給与への不満の実態
    • 看護師自身が考える「適正給与」の水準
    • 「給与が相場より低い」と感じる理由と背景
    • 「経験を積めば給与への不満は減りますか?」「転職すれば給与は上がりますか」など、よくある疑問への回答

    「私の給与、相場より低いんじゃないの…?」。そう感じた経験はありませんか。専門性が高く、知識やスキルも要求され、命を預かる責任が伴う看護師の仕事ですが、実際に従事している人たちは自分たちが正当な評価をされていないと感じているようです。

    医療機関などの経営者・管理部門担当者向けの採用支援サイト「メディカルサポネット」が看護師の勤務実態や経済状況、離職・転職意向などをまとめた「看護師白書2026」によると、看護師の9割近くが「今より10%以上高い給与が適正」と回答し、平均では17.2%の給与アップを望んでいました。

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    • 看護師の給与相場は? 今の水準から平均何%高い額を望んでいるのか徹底調査

      看護師が望む給与の相場について紹介します

    本記事では、看護師が望む給与の相場について詳しく紹介します。

    看護師の給与相場とは

    看護師の給与相場」と聞くと、平均年収や平均月収を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、本当に知りたいのは、「自分の給与は、同じ仕事をしている看護師と比べて適正なのか」ということではないでしょうか。

    「看護師白書2026」では、看護師人材紹介サービス「マイナビ看護師」に登録している会員を対象に、看護師自身が「このくらいの給与が適正だと思う」水準について調査。その結果、多くの看護師が「現在の給与では仕事内容や責任に見合っていない」と感じていることが明らかになりました。

    給与への満足度は金額だけで決まるものではありません。仕事内容や責任、将来の昇給見込み、賞与や福利厚生まで含めて、「納得できる待遇かどうか」が相場を判断する基準になっています。

    「平均年収」と「納得できる給与」は違う

    平均年収は市場全体を知る目安になりますが、それだけでは自分の給与が適正かどうかは判断できません。例えば、

    • 夜勤回数が多い
    • リーダー業務を担当している
    • 新人指導を任されている
    • 委員会活動や時間外業務が多い

    といった状況であれば、同じ年収でも「仕事内容に見合っていない」と感じることがあります。そのため、給与相場を考える際には、「平均」と「仕事内容とのバランス」の両方を見ることが重要です。

    年代別で見る給与への不満

    給与への満足度は、経験年数が増えれば自然と改善すると思われがちです。しかし、「看護師白書2026」では、年代が上がっても給与への不満は決して小さくならないことがわかりました。

    「現在の給与は施設(組織)に対する自身の仕事の貢献に見合っている」という設問に対し、「そう思わない」と回答した割合は20代が70.0%と最も高くなっています。同様に30代では68.8%、40代が65.0%、50代が65.3%と年代が上がっても給与への不満は依然として高い水準にあります。つまり、経験を積めば自然に納得できる給与になるとは限らないというのが実態です。

    • 看護師の給与相場は? 今の水準から平均何%高い額を望んでいるのか徹底調査

      自身の給与に対する評価と看護師という職種の給与に対する評価

    では、現在の看護業界の給与水準を他業種と比較したときにどう考えているのでしょうか。「現在の看護業界の給与水準は他業種と比べて十分である」という設問に対して「そう思わない」と回答した割合は、全体の77.8%にものぼりました。20~50代はいずれも7割を超えており、特に50代(83.1%)が他の年代に比べて看護師の給与水準を否定的にとらえている傾向が見られます。

    「年齢が上がれば給与の悩みは減る」は当てはまらない

    昇給によって給与額は増えていても、それ以上に責任や業務量が増えれば、「報われている」と感じにくくなります。

    そのため、

    • チームリーダー
    • プリセプター
    • 委員会活動
    • 管理業務

    などを担う中堅・ベテラン層ほど、看護師という職種の給与への不満が蓄積しやすい傾向があることがうかがえる結果となりました。給与相場を考える際には、年収だけではなく、「現在担っている役割に見合った待遇か」という視点で見直すことが大切です。

    看護師の「適正給与」の相場とは?

    では、看護師自身は現在の給与に対して、どの程度の水準を「適正」だと考えているのでしょうか。「看護師白書2026」では、「現在よりどのくらい高い給与であれば適正だと思うか」を調査しています。

    看護師が考える「仕事や責任に見合う給与の相場」

    現在の給与は自分の仕事の貢献に見合っていないと回答した人に、自分の仕事や責任に見合う給与を確認すると、「今より多い」と回答した人の合計が全体の87.6%と高く、平均で+17.2%の増加が望まれています。

    その内訳を見てみると、「今より10%多い」が23.7%、「今より20%多い」が27.3%、そして「今より30%多い」が36.5%と最多です。実に3人に1人以上が「今より3割以上の給与額をもらうべき」と考えていることになります。年代別で見ると40代で増加を望む割合がが92.3%と最多。さらに伸び率も平均が+18.8%と高くなっています。

    これらの結果は、一時的な給与への不満ではなく、「仕事内容や責任に対して、現在の待遇では十分ではない」と感じている人が多いことを示しています。

    • 看護師の給与相場は? 今の水準から平均何%高い額を望んでいるのか徹底調査

      自分の仕事や責任と給与のギャップに対する調査

    看護師が考える「看護師の給与の相場」

    同様に看護師という職種自体の給与水準についても「今より多くあるべき」と考えている人が全体の93.4%にのぼり、平均で+21.5%の増加が望まれています。自身の給与以上に看護師全体の給与水準向上を求める意識が強い結果となりました。

    年代で別で見ると、「もっと多い給与であるべき」と回答した割合が最も多いのは40代でした。最も高い給与の増加幅を回答したのは30代で、平均で22.8%の増加を求めていました。

    • 看護師の給与相場は? 今の水準から平均何%高い額を望んでいるのか徹底調査

      看護師という職種と給与のギャップに対する調査

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    なぜ「給与相場より低い」と感じるの?

    給与への不満は、月給だけが原因ではありません。「看護師白書2026」では、給与そのものだけでなく、賞与や福利厚生、将来の昇給見込みまで含めて評価されていることがわかります。

    • 看護師の給与相場は? 今の水準から平均何%高い額を望んでいるのか徹底調査

      職場の待遇の変化に関する調査

    2025年の1年間において、前年と比べてどう待遇が変化したかを質問したところ、給与(月給)は「良くなっている」の合計が26.5%で、「悪くなっている」の合計(19.8%)を上回っていました。一方で賞与や休日、福利厚生は「悪くなっている」との回答が「良くなっている」を上回っているため、給与以外の待遇面はやや悪化している傾向が見られました。

    つまり、月給だけが少し上がっても、「賞与が減った」「福利厚生が縮小した」「夜勤や責任だけ増えた」という状況では、年収全体として満足感が高まりにくいことがわかります。

    「給与相場」は年収全体で考えることが大切

    転職活動では、月給だけを比較してしまいがちですが、実際には

    • 基本給
    • 賞与
    • 夜勤手当
    • 住宅手当
    • 福利厚生
    • 昇給制度

    まで含めた総合的な待遇を見ることが重要です。月給が数万円高くても、賞与や福利厚生が充実していなければ、結果として現在より年収が下がるケースもあります。

    求人票を見る際は、「月給が高い病院」ではなく、「長く働いたときに納得できる待遇か」という視点で比較すると、自分に合った職場を選びやすくなります。

    看護師の給与に関するFAQ

    ここでは、看護師の給与に関する悩みを一問一答形式でまとめました。

    Q. 看護師の給与相場はどれくらいですか?

    平均年収や月収は勤務先や地域によって異なります。「看護師白書2026」では、87.6%が「現在より10%以上高い給与が適正」と回答しており、多くの看護師が現在の待遇に改善の余地があると感じています。

    Q. 看護師は経験を積めば給与への不満は減りますか?

    必ずしもそうではありません。「看護師白書2026」では、20代だけでなく40~50代でも給与への不満は高い水準にあり、経験や役割の増加に対して待遇が見合わないと感じる人が少なくありません。

    Q. 転職すれば給与は上がりますか?

    勤務先や地域によって異なります。転職を検討する際は、月給だけでなく、賞与や各種手当、福利厚生、昇給制度まで含めた年収ベースで比較することが大切です。

    Q. 看護師の給与相場を比較するときに重要なポイントは何ですか?

    基本給だけでなく、夜勤手当や賞与、福利厚生、評価制度、昇給の仕組みなど、総合的な待遇を確認しましょう。仕事内容や責任とのバランスも重要な判断材料です。

    Q. 給与への不満を感じたらすぐ転職すべきですか?

    すぐに転職を決める必要はありません。まずは現在の待遇や将来の昇給見込みを整理し、自分が転職によって何を改善したいのかを明確にしたうえで判断することをおすすめします。

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    まとめ

    「自分の給与は相場より低いのではないか」と感じることがあっても、その感覚が自分だけの思い込みなのか、それとも多くの看護師が共通して抱えている課題なのかはわかりにくいものです。

    「看護師白書2026」では、66.8%が「現在の給与は仕事の責任に見合っていない」と感じています。そして87.6%が「現在より10%以上高い給与が適正」と考え、平均では17.2%の給与アップを希望していることが明らかになりました。

    これらの結果から見えてくるのは、多くの看護師が単純な「高収入」を求めているのではなく、自分が担う仕事や責任に対して納得できる評価を求めているということです。

    給与相場を知ることは、転職を急ぐためではありません。今の職場で働き続けるか、新しい環境を探すかを判断するための「基準」を持つことです。月給だけでなく、賞与や福利厚生、昇給制度、キャリア形成まで含めて総合的に比較することで、自分にとって本当に納得できる働き方が見えてくるでしょう。

    出典:「看護師白書2026」(マイナビ メディカルサポネット)
    調査時期:2026年2月19日~2026年3月16日
    調査対象:「マイナビ看護師」会員
    調査数:406名
    調査方法:インターネットログイン式アンケート