トレーニングをしてかっこいいカラダを目指すなら、胸は外せない部位のひとつ。胸のトレーニングをすれば、男性なら胸板が厚くなり、女性はバストアップすることが可能です。胸の筋トレの成果はほかの人から見てもわかりやすく、トレーニングのモチベーションを維持しやすいのもポイントです。

  • 胸、腕をデカくする「家トレ」と「高タンパクレシピ」 /パーソナルトレーナー、管理栄養士・西巻草太

    撮影場所協力/Chicken Gym(渋谷)

また、腕立て伏せやベンチプレスなど前に押す動作は二の腕を同時に使うので、上腕三頭筋を同時に鍛えることができます。男性なら太い腕、女性なら引き締まった二の腕も手に入れよう。

胸を鍛えてかっこいいカラダを自分のものに!

胸を鍛える最大のメリットは、スーツやTシャツなどの服がカッコよく着こなせるカラダになることかもしれません。服が似合う「カラダの条件」は、厚い胸板と広い背中にあります。背中の筋肉は、家での自重トレーニングだけでしっかりと鍛えるのは難しい部位ですが、胸のトレーニングに関しては自重トレーニングでも負荷をかけて筋肉を大きくしていくことができます。

男性であれば、胸は比較的筋肉がつきやすく脂肪がつきにくい部位のため、トレーニングによって筋肉の変化が自他ともにわかりやすいのが特徴。いままでトレーニングをしていない人でも、腕立て伏せを週2回(1回あたり15回×3セット)、それを3カ月続ければ、必ず変化が実感できるはず。

もちろん、いうまでもなく、服が似合うカラダは「服を脱いでも」カッコいいカラダ。今年の夏は新型コロナウイルスの影響もあり、海やプールに行く機会は例年より少ないかもしれません。でも、その数少ない機会にアピールするために、「いつでも脱げる」カラダをつくってはどうだろう?

家トレ+高タンパク飯で筋肉をデカくする!

胸のトレーニングは比較的追い込みやすく、腕立て伏せなどを家でやっている人もいるでしょう。けれど、トレーニングをして筋肉を増やしたいのに、トレーニングだけで満足していてはもったいない。筋肉そのものをつくるのは、食事であり栄養だからです。

そのなかでもとくに重要なのはタンパク質。通常、タンパク質は1日あたり男性60g、女性50gが摂取の目安ですが、トレーニングをはじめて筋肉を増やしたいと思っているなら、体重の1.5倍~2倍のタンパク質を摂るように意識してほしいところ。体重が60㎏なら、1日90~120gのタンパク質をなるべく小分けにして摂るのがより効率的に筋肉をつけるポイントです。

そして、胸の筋肉をつけることは太りにくいカラダをつくることにもつながります。胸の筋肉は、大筋群と呼ばれる大きな筋肉の集まりなので、胸を鍛えて筋肉量が増えることで基礎代謝が増えるのです。カッコいいカラダを維持していくためには、脂肪を減らすことと並行して、筋肉を増やしていくことも重要。そうすることで、リバウンドしないボディメイクができます。

普通の腕立てより強度が上がる「デクラインプッシュアップ」

家トレでは自分の体重を負荷にしてトレーニングする、いわゆる自重トレーニングが定番ですが、慣れてくるとどうしても負荷が足りなくなってくる。最初に紹介するデクラインプッシュアップは、台に足を乗せた状態での腕立て伏せ。普通の腕立て伏せより強度が上がり、胸の上部の筋肉と上腕三頭筋を同時に鍛えることができます。

  • うつ伏せになり肩幅より少し広いくらいで手をつき、30~50㎝くらいの台に足を乗せる。肘を曲げて、ゆっくりと胸を地面に近づけていく。

  • 下ろし切ったところでいちど止めて、上げる動作もゆっくりと行う。動作中にカラダをまっすぐにキープするのがポイント。10~15回×3セットを目安に。

上腕三頭筋を狙う! 「デクラインナロープッシュアップ」

手幅を狭くしたプッシュアップは、上腕三頭筋に狙いを絞ったトレーニング。こちらも足の位置を高くして行うことで、負荷をアップできる。

  • 人差し指と親指でひし形をつくるようにして、手幅を狭くしてカラダを支える。足の位置はデクラインプッシュアップと同様に。肘を曲げ、ゆっくりと胸を地面に近づけていく。

  • 下ろし切ったところでいちど止めて、上げる動作もゆっくりと行う。反動を使わずにていねいにすることで効果がより得られる。10~15回×3セットを目安に。

コンビニ食材を活用した超簡単「高タンパクレシピ」

【コンビニパワーサラダ】
●エネルギー約240kcal タンパク質30g (ドレッシング別)
●使用する食材 カット野菜1袋、サラダチキン1袋、ミックスビーンズ1袋、冷凍キウイ1/3袋

パワーサラダとは、野菜に肉や魚などのたんぱく源、フルーツなどを組み合わせた1品。タンパク質、食物繊維、ビタミンなど、トレーニングをする人に必要な栄養が摂れるサラダです。ここでは、コンビニの食材を組み合わせただけの、超簡単レシピを紹介。
1.カット野菜、サラダチキン、ビーンズサラダ、冷凍フルーツを用意する。
2.あとはトッピングするだけ。ドレッシングはお好みで。

【鯖缶ペペロンチーノ】
●エネルギー約800kcal タンパク質50g
●使用する食材 鯖水煮缶1缶、冷凍ブロッコリー50g、パスタ100g、オリーブオイル、塩こしょう、ニンニク、鷹の爪

良質な脂質が多く高タンパクな鯖缶と、実は植物性タンパク質が豊富でトレーニングをする人には適した炭水化物であるパスタ、ビタミン豊富でさらにスルフォラファンという抗酸化物質が豊富なブロッコリーを組み合わせた、筋肉の成長をうながす超簡単レシピ。
1.具材と合わせる時間を考慮し、パスタを表示より1分短くゆでる。
2.オリーブオイルにニンニク、鷹の爪を加え弱火で焦げないように加熱する。
3.香りが出たら、鯖缶を汁ごといれて軽くほぐしブロッコリーも加え軽く炒める。
4.茹でたパスタを加えて、塩こしょうで味を整えてできあがり。

構成/岩川悟(合同会社スリップストリーム) 取材・文/清家茂樹 写真/櫻井健司