4月になり、かわいい我が子の入学・入園に伴い、「ママ友デビュー」したというママもいることだろう。子育てに関する情報を共有でき、いざというときに頼りになる存在ではあるが、付き合い方や距離の取り方を誤るとママ友間の厄介なトラブルに巻き込まれかねない。
では、一体どのようにママ友と付き合っていくのが「正解」なのか。ファイナンシャルプランナーであり、2児の母でもある半沢まり子さんに自身の体験談を踏まえながら紹介してもらった。
友達とママ友って違う……
入園・入学シーズンともなり、子どもの成長を喜ばしく感じるとともに、親同士のお付き合いに対する不安がよぎることもあるのではないでしょうか。今回は、子どもを通してできるママ友との上手な付き合い方について、私が実践したポイントをご紹介します。
「ママ友」というとどのようなイメージを思い浮かべますか? 私にとってママ友とは、2種類の関係があります。
1つ目は、子どもを通して出会ったけれども、私自身が友達になりたいと思って連絡先を交換した「自分で選んだママ友」です。
2つ目は、子どもを通して出会い、その延長線上で必要に応じて連絡先を交換した「子どもの交友関係から選んだママ友」です。
自分で選んだママ友は、育児などに対する価値観が似ていたり、共通の趣味があったりなど、子どもに関する用事がなくても話したいという気持ちが持てたママです。ママ友の枠を超えて自分の友達と思え、自ら進んで連絡先を交換しました。
子どもの交友関係から選んだママ友は、子どもが仲良くしているお子さんのママ、幼稚園や小学校のPTAなどの係で一緒になったママなどです。家の行き来をしたり、子ども同士の外出に付き添ったりなど、自分の価値観などとは関係なく、必要なので連絡先を交換しました。
今まで多くのママ友と出会いましたが、子ども同士の付き合いがなくなっても、自分で選んだママ友とは連絡を取り続けていて、子どもの交友関係から選んだママ友とは、子どもの交友関係がなくなるとともに自然と連絡を取らなくなりました。
ママ友との付き合いで良かったこと・困ったこと
では、どちらのママ友が必要なのでしょうか?どちらかのママ友だけがいればいいのでしょうか?私は今でもどちらのママ友とも付き合いがありますが、次のように感じています。
子どもの交友関係から選んだママ友との良かったこと
(1)子ども同士が同じクラスのことが多く、学校行事の際に一緒に参観できて寂しくない
(2)子どもが時間割を控えるのを忘れた際に聞くことができる
(3)最近の教育事情について情報収集できる
子どもの交友関係から選んだママ友との困ったこと
(1)価値観が異なる場合があり、各家庭の教育方針の面で譲歩が必要な場合がある
(2)会話の中で本音と建前が混在していて、聞き分ける必要がある場合がある
良かったことの3点目は、例えば、早々から塾に通わせているご家庭もあれば、受験を考えているご家庭もあり、また、年上のきょうだいがいるママ友と友達の方もいて、近隣の塾の評判や、子どもの進学先の中学校の情報がもらえるなど、感謝する機会があったことです。
困ったことは、例えば、いつからSNSで子ども同士が連絡先を交換するかという基準が異なり、どうするかという判断が必要になりました。また、子どもだけで遠方に遊びに行くことを許可する年齢も異なり、子どもとの話し合いが必要になることもありました。
自分で選んだママ友との良かったこと
(1)価値観が似ていたり、共通の趣味があったりするので、話していて楽しい
(2)子ども同士の関係が変わっても、自分たちは変わらない関係を保てる
自分で選んだママ友との困ったこと
(1)子ども同士が特に仲良くない場合があり、その場合、家族ぐるみで遊べない
自分で選んだママ友とは、昔からの友達と変わらない関係が作れているので良いことばかりでしたが、強いて言えば、家族ぐるみで遊ぼうという話がしにくく、特に子どもが小さいうちは子ども同士が仲良しだったらよかったのにと感じることがありました。
ママ友問題に振り回されないためには
私自身は大きなママ友問題はありませんでしたが、学校を巻き込んで話し合いが必要になったり、ママ友同士の仲間外れなどがあったりしたという話を聞いたことがあります。これらは、どちらかというと子どもの交友関係から選んだママ友間で起きることが多いようでした。
しかし、私は、子どもが幼稚園~中学校の期間を経てきて、どちらのママ友もいてよかったと感じ、自分自身も親として成長させてもらったと感じています。私が話を聞いていて、ママ友問題に振り回されて悩む原因と感じたことは、以下のとおりです。
(1)相手によって態度や言っている内容を変える
(2)違う価値観を持っている相手を認めなかったり、自分の価値観で物事を進めようとしたりする
そのため、私は以下のようなことに気をつけてママ友付き合いをしてきました。
(1)相手の話に対して否定・批判をしない
(2)我が家の教育方針を確立して、どのママ友に対しても同じように接する
(3)譲れるところと譲れないところを自分の中で明確にして、譲れるところは臨機応変に対応する
例えば、我が家は子どものSNSの連絡先交換は小学校の卒業式の日を解禁としていますが、どんなに仲良しの友達ができたとしても、その前に交換を求められたら理由を説明してお断りしています。その際、相手のご家庭の方針を「そのようにされているんですね」と受け止め、「こうしたほうがいいのでは?」などは言いませんでした。
自分自身がぶれることなく対応していると、どちらのママ友であってもいい関係が作れたと感じています。子どもの交友関係から選んだママ友とは、子ども同士の関係がなくなるとともに自然に連絡が途絶えるようになりますが、道端で偶然会ったときなどには、笑顔で挨拶をする関係を保てています。
新学期になると多くの出会いがあると思いますが、ご自身のママ友付き合いの軸を確立し、どんなママ友とも楽しく過ごせるようになるといいですね。