女優の波瑠が主演するテレビ朝日系ドラマ『未解決の女 警視庁文書捜査官』(毎週木曜21:00~)。原作の麻見和史氏は、映像化された作品をどう見たのか。 24日に放送された第6話をチェックしていく。

  • 波瑠、鈴木京香

    左から波瑠、鈴木京香 -テレビ朝日提供

第6話では、朋(波瑠)の同級生たちが登場し、彼らが事件に巻き込まれるという今までとはまた違うストーリー展開に。6年前の殺人事件の被害者として板野友美が、そして再会した友達役で柳下大、桐山漣、榊原徹士、入山法子がゲスト出演するなど、豪華な顔ぶれとなった。

麻見氏は「一般的な刑事ドラマでは、捜査を続けるうち犯人らしき人物が浮かんでくることが多いのですが、今回は同級生たちの中に犯人がいるのではないか、という情報が早くから提示されていました」と分析し、「犯人候補が絞られるため、『この同級生たちの間で何が起こったのだろう?』と考えながら、私は今回のドラマを観ていました」と話す。

また麻見氏によると、ミステリー作品は「誰が」「なぜ」「どのように」事件を起こしたかを推理するところに面白さがあるといい、「第6話は疑わしい人物がいつもより多かったため、『誰が』という部分を存分に楽しむことができました」と振り返る。

  • 波瑠

    波瑠(左) =同

そして、朋の心理もうまく表現されていたと分析し、「普段は仕事として捜査を行っている朋ですが、友人たちが事件に巻き込まれたと知って、かなり複雑な気分を感じていたはずです。捜査に個人的な感情を差し挟むことは避けるべきですが、刑事も人間ですから、いつもとは違った思いを抱いていたのではないでしょうか」と感想を述べる。

「朋の感情がよく表れていたのは、柔道の練習をする場面でした。このドラマで彼女があそこまで悔しさを露わにしたのは、初めてではないかと思います。友達の死、そして犯人は同級生の中にいるかもしれないという状況の中で、朋の心に大きな葛藤が生まれていたのでしょう」(麻見氏)。

しかし、そんな朋の姿を見て動いたのが遠藤憲一演じる草加だった。「『俺は矢代に借りがある』というせりふの意味がわかったときは、私もはっとしました。無口で不器用な彼が、そんなふうに朋を見ていたとは……。同じく朋のことを気にしていた理沙(鈴木京香)や財津係長(高田純次)も協力して、3人は事件に取り組むことになります。これまで捜査を引っ張っていたのは朋でしたが、今回は周りの先輩たちが彼女を励ます形になりました。このチーム感は、見ていてとても気持ちのいいものでした」と麻見氏は振り返り、「まとまりの出てきた文書解読係がこの先どんな捜査を行うのか、いよいよ目が離せなくなってきました」と語った。

  • 波瑠

    波瑠(左) =同

31日放送の第7話は最終章拡大スペシャル。03年秋に警備会社の現金輸送車が襲われ、現金3億円を強奪されたが、迷宮入りに。 それから15年後、都内で男の死体を見つけたとの通報が入るが、そこに残されていたのは不可解なカードと二千円札のみ。死体は跡形もなく消えており、その後1キロ離れた路上で発見されるという奇怪な事件が起こる。

しかしその後、現場に落ちていた二千円札は、15年前の三億円強奪事件で盗まれたものだったという驚きの事実が判明。朋ら「特命捜査対策室」第6係のメンバーも捜査に参加するが、朋を"絶体絶命の危機"が襲う。

  • 遠藤憲一、波瑠、石黒賢
  • 高田純次、鈴木京香、波瑠、遠藤憲一
  • 波瑠
  • 31日放送の第7話より=同

  • 「永久囚人 警視庁文書捜査官」

    原作シリーズ: 麻見和史「永久囚人 警視庁文書捜査官」(角川文庫/4月25日発売)