iDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)とは、現役世代の皆さまが、原則、毎月一定額を積み立てながら運用し、60歳以降に年金資産を受け取る制度です。公務員がiDeCoを利用できるようになって、早くも3年が経ちました。今回は、その積立状況を数字(※1)で確認してみましょう。

まずはiDeCoの積立金額。2019年12月時点で、毎月定額積立をしている公務員の平均額は月10,905円。iDeCo加入者全体の平均額が月15,647円ですから、公務員は積立金額が少ない職業。でも、積立金額の上限が公務員は月1.2万円なので、少ないのは仕方ないですね。

一方、公務員の積立金額の分布を見ると、87%が毎月1万円以上の積み立てをしています。従って、iDeCoを利用している公務員のほとんどは、上限金額の月1.2万円で積み立てをしている、と理解した方が正確だと思います。

もうひとつ、「年単位拠出」の届出をしている人が多いのも、公務員の特徴です。iDeCoは毎月定額積立が原則ですが、2018年1月より、積立を1年の単位で考え、加入者が年1回以上、任意に決めた月にまとめて積み立てることも可能になりました。これを「年単位拠出」と呼びますが、この利用者の割合は、iDeCo加入者全体で2.68%のところ、公務員は4.58%になっているのです。

一般的に「年単位拠出」のメリットとは、ボーナス月に多めに積立できることだと言われますが、毎月、ほぼ上限金額で積み立てをしている公務員には当てはまらないでしょう。むしろ、積立時に掛金から差し引かれる国民年金基金連合会の手数料負担(1回あたり税込105円)を減らすために利用しているのだと思います。

ただし、手数料負担を最小化するべく年1回積立にすると、積立投資の時間分散効果が損なわれますので、私はおススメしていません。でも中には、強者(つわもの)もいて、「年1回積立で定期預金に配分後、毎月、1/12ずつ投資信託に自分で預け替え(※2)してます! 」との話を伺ったときは、私でも返す言葉が見つかりませんでした。。。間違いなく私なら、預け替えを忘れてしまうでしょうね。自分にはできそうにないので、こちらも人にはおススメしていません。

さて、公務員がiDeCoで積み立てするには、本人名義の預貯金口座からの引落し(個人払込)と、事業主払込・振込(給与天引き)の2パターンがあります。公務員のお勤め先で、iDeCo利用の準備が整っている事業所(※3)は全国で8,517、そのうち個人払込のみが5,284(62%、8,517の事業所に占める割合、以下同じ)、給与天引きのみが270(3%)、どちらもOKが2,963(35%)です(2020年1月時点)。

つまり、給与天引きでiDeCoが利用できる事業所が4割弱、これは一般事業会社に比べてかなり高い水準だと思います。勤め人にとって給与天引きは最強の貯蓄法だと言われますので、公務員のiDeCo普及率が高いのは、こんなところにも理由があるのかも知れません。

※1 出所:国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入等の概況」
※2 保有商品を売却し、別の商品を購入すること(スイッチングとも言われます)
※3 iDeCo事業所番号を事前に登録済の事業所のこと、事業所数は国民年金基金連合会のデータを基に筆者が集計

小出昌平(こいでしょうへい)

平成5年(1993年)4月 大和証券株式会社入社。投資信託の開発や富裕層ビジネスの企画・運営業務などを経て、平成27年(2015年)より確定拠出年金業務に従事。令和1年(2019年)10月確定拠出年金ビジネス部長。

現在は、イデコと呼ばれる個人型確定拠出年金の周知・普及活動に携わりながら、自治体や事業会社の職場における金融・投資教育、ライフプラン教育の支援活動に取組み中。

ライフプランコラム「いま、できる、こと」
インターネットライブセミナー