近年、観光やビジネスで日本を訪れる外国人の数が急増しています。2020年の東京オリンピックに向け、その数はさらに増え続けるでしょう。

これからは道案内ばかりでなく、日本の文化や風習などについても英語で説明できる術を身につけておくべきだと思いませんか。この連載では、いざというときに、英語が苦手な人でも「言える・使えるカタコト英語表現」を紹介していきます。

今回取り上げる表現は「わさびが鼻につーん」。場面は居酒屋のカウンター席。隣り合わせた外国人客にわさびの味を説明します。次の英文を見てください。

Oh, that. Wasabi. Be careful. Very hot.
あっ、それ。わさび。気をつけて。とても辛いので。

hot「熱い、暑い」には「辛い」という意味もあります。ちなみに、「甘い」はsweet、「酸っぱい」はsour、「苦い」はbitter、「塩辛い」はsaltyですね。上の英文は、Oh、Be、Veryを省略して、That. Wasabi. Careful. Hot.でも通じます。この後、ほんの少しだけ食べてもらい説明を付け加えます。

It goes straight to your nose.
鼻につーんとくるでしょう。

Itは「わさび」。「鼻につーん」をgo straight to ~「~に直行する」で表現している点に注目。It goes straight toを省略して、顔をしかめ、鼻をつまみながらYour nose.と言うだけでも、「鼻につーん」が伝わるでしょう。

「わさびの味」や「鼻につーん」を英語で説明するのは難しいと思われたかもしれませんが、今回紹介したように、簡単な単語の組み合わせ(+身振り)で表現できるのです。機会がありましたら、ぜひ使ってみてください。

執筆者プロフィール: 岩村 圭南(いわむら・けいなん)

東京下町生まれ。上智大学卒業後、ミシガン大学大学院留学。修士課程修了(MA)。上智短期大学助教授を経て、コンテンツ・クリエイターとして独立。NHKラジオ第2放送で10年間にわたり「英会話レッツスピーク」「徹底トレーニング英会話」「英語5分間トレーニング」各番組の講師を担当。著書多数。

新刊『困った場面を切り抜ける 簡単カタコト英会話』(マイナビ出版/税込1,058円)には、「おもてなし、海外旅行、ビジネス」の場面ですぐに使えるさまざまな英語表現(カタカナ発音表記付き)が収録されている。

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