ここ数年、再び注目を集めている怪談やホラー。怪談イベントが各地で行われ、2025年に公開されたホラー映画『近畿地方のある場所について』は、興行収入15億円を突破する人気ぶりだ。SNSでも、誰かの“ちょっと怖い”が「わかる……」「これ私もある」と共感を呼んで話題になることが多く、怪談はむしろ自分の気持ちをそっと代弁してくれるフォーマットとして浸透しつつある。

連載『本当にあった…読者の実話怪談・奇談』は、マイナビニュース会員や読者から寄せられた「実際に体験した怪談・奇談」をもとに4コマ漫画化。背筋が寒くなる瞬間、誰にも信じてもらえないような不思議な出来事を“物語”として再現する(一部変更の可能性あり)。今回お届けするのは、「トンネルとハイヒール」の体験談。

読者の“ぞっとする”体験談「トンネルとハイヒール」

  • 読者の“ぞっとする”体験談「トンネルとハイヒール」

    読者の“ぞっとする”体験談「トンネルとハイヒール」

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会社帰り、夜のトンネルを一人で歩いていた。足音だけが響く、ひんやりとした空間。

そのとき――カッカッカッカッ……

背後から、ハイヒールの靴音が近づいてくる。一定のリズムで、確実に距離を詰めてくる音。

「すみません!」

突然、真後ろから声をかけられ、体が思わず跳ねる。恐る恐る振り返ると……。

「えっ!? あれ……?」

そこには、誰もいなかった。足音も、気配も、すべて消えていた。確かに聞こえた声。確かに感じた“誰かの存在”。だが、トンネルには自分一人しかいなかった。

夜道やトンネルといった閉ざされた空間では、音が反響し、距離感や方向感覚が狂いやすい。靴音や声が、実際よりも近く、はっきりと聞こえることもある。その結果、わずかな物音や声に意識が集中し、「誰かがいる」という感覚が強まることも……。

それでも、はっきりと名前も呼ばれず、ただ「すみません」とだけ声をかけられる体験は、説明がついても、つかなくても、不気味さが残る。

音だけが記憶に残り、姿はどこにも見当たらない――そんな出来事が、この怪談をより現実味のあるものにしている。


怪談は単なる“怖い話”にとどまらず、日常の不安や人間関係の機微を映し出す鏡でもある。近年はSNSで誰もが身近な「小さな怪談」を共有できるようになり、怖さよりも“共感”が広がる場面が増えた。今後も、私たちの生活の中に潜むささやかな違和感や心の揺れを、怪談というフィルターを通して見つめ直す機会が増えていくのかもしれない。

調査時期: 2025年11月19日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 300人
調査方法: インターネットログイン式アンケート