JR北海道は2020年3月14日に実施するダイヤ改正で快速「エアポート」を増発し、速達タイプの特別快速「エアポート」を新設する。札幌圏の輸送体系も見直され、現行の区間快速「いしかりライナー」はすべて各駅停車化される。

  • 快速「エアポート」は日中時間帯、おおむね12分間隔で運転。朝と夜間に特別快速も設定される

現行の快速「エアポート」の運転本数は上下計116本。ダイヤ改正後は新千歳空港~札幌間で上下計148本(新千歳空港発75本、新千歳空港行73本)の「エアポート」が運転される。運転時間帯も拡大され、早朝に手稲駅5時30分発・札幌駅5時50分発・新千歳空港駅6時28分着の「エアポート50号」(手稲~札幌間は普通列車)を設定。新千歳空港駅の到着時刻を現在より23分早め、余裕を持って早朝便を利用できるようにする。新千歳空港駅からは同駅6時39分発の「エアポート61号」が運転され、札幌駅の到着時刻を現在より28分早める。

増発する「エアポート」のうち、朝の通勤時間帯に運転される札幌発新千歳空港行2本、夜間の新千歳空港発札幌行2本は速達タイプの特別快速に。新千歳空港~札幌間を所要時間33~35分で結び、途中停車駅は南千歳駅と新札幌駅のみ。空港アクセスに特化することで、前後の「エアポート」の混雑緩和を図るという。パターン時間帯となる9~19時台、快速「エアポート」は新千歳空港~札幌間でおおむね12分間隔(現在は15分間隔)の運転を行い、同区間の所要時間は37~39分となる。

函館本線小樽~札幌間では、快速運転の時間帯を拡大。札幌駅を9時台に発車する「エアポート」2本、小樽駅を19時台に発車する「エアポート」1本で快速運転を行い、小樽~札幌~新千歳空港間の速達化を図り、観光需要に対応する。

  • 区間快速「いしかりライナー」。ダイヤ改正後は快速運転を取りやめ、各駅停車化される

現在、手稲~札幌間・札幌~江別間で快速運転を行っている区間快速「いしかりライナー」については、通過駅の利用者が増えていることを受け、ダイヤ改正を機に快速運転を取りやめる。あわせて日中時間帯を中心に運転間隔を調整し、札幌駅から江別方面は10~14時台に毎時4本、他の時間帯も毎時4~6本の普通列車が発車するダイヤに。手稲方面は9~17時台に毎時7~8本の列車(うち2本は快速「エアポート」)が発車。17時台以降も運転間隔の調整や列車の6両編成化などを行い、混雑緩和に努める。

札幌圏の函館本線では、他にも6時台に札幌発小樽行を増発して運転間隔を改善し、7時台に運転される現行のほしみ発江別行1本は小樽発として運転区間が延長され、前後列車の混雑緩和が図られる。千歳線では6時台の千歳発札幌行1本を苫小牧発として運転区間を延長し、苫小牧駅からの始発列車が繰り上げられるほか、快速「エアポート」の増発に合わせた普通列車の見直しも行われる予定となっている。

学園都市線(札沼線)では、夜間の時間帯に快速「エアポート」が1本のみ直通し、札幌駅22時33分発の普通列車となって石狩当別駅まで運転されていたが、ダイヤ改正で取りやめに。札幌駅を21~22時台に発車する列車は毎時0・20・40分発となる。