「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第60回のテーマは「実戦で磨かれるコミュニケーションライフハック」です。

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たまに起こるのですが、保育園の親が書いて提出する書類や成果物にパートナーがレベル高めの期待をしてしまうことがあります。

たとえば、保育園の連絡帳が手書きのときは、「イラスト描いて!」と言っていました。後から連絡帳を見たときに絵があると嬉しいからだそうです。私は律儀にイラストを毎日描いていました(今は連絡帳がアプリでテキスト送信になったので、イラストは描いていません)。

……なのですが、毎回毎回仕事みたいなクオリティで提出物は作れません。あと、プリントになったり張り出される系の提出物を力一杯やると……浮くじゃないですか! 忙しい共働きのご家庭が、保育園の提出物にそんなに力を入れたりしないです……。なので、自分もそんなに頑張りたくない。そもそも、頑張らなくていいようなものだし……。

というわけで、このときはパートナーが過大な期待をして、私のやったことを過小評価して、私が「自分がやらないくせにひどくない!?」みたいな感じだったんですが、直接文句を言ったり話し合ったりするより前にやることがあって、その感情に折り合いをつけないまま行動していました。

そんなタイミングに息子はお母さんに聞いてもらいたい話があって「おかーさん! おかーさん!!!」と迫ってくる。気持ちに余裕があれば対応できるときも、やることがあって時間が迫ってきていると、なかなか余裕のある対応ができない。でも、いきなり「今はダメなの!」と感情的にはなりたくない。なので「今はちょっとお母さんに余裕がないから、後にしてもらってもいいかな」「今はやさしくできない……」と57回「やさしさタンクの残量値」でも書いたように、本人に自分の状況を伝えました。それで納得してくれるかな……? と思ったのですが……!

息子は、私が連載の58回「夫婦の正解の在り方」で書いたように、「やってほしいコミュニケーションの正解を伝えてきて、実際にやらせる」という行動を取りました……!!! ウワー、ビックリ!! 私が「こうしたほうがうまく伝わるんじゃない?」と思ったことを、家族に逆にやられた!

で、実際に相手からそれをやられて、どういう気持ちになったかというと……「あ、そうか、そうしてほしかったのか」とすごくよくわかって、納得したんですね。やっぱり、わかりやすいのって大事だな! と思いました。

息子の要望はかなりわかりやすく「お母さん、笑って」。それがわかると「そうだよね、笑ってほしいよね」と思って、素直に笑ってあげることができました。

さらに……息子ににっこりしたら「そうそう、それでいいんだよ~」って……褒められました。

この「コミュニケーションの正解を教えて実際にやってもらう」のは基本的に夫婦間で、私が夫にやっているものです。息子の目の前ではあんまりやってない……と思いつつ、いや、よくよく考えればやったこともありました。

恐ろしい。子どもって本当によく親を見ている!!!

「こちらの思うコミュニケーションの正解を実際にやってもらう」という方法では、息子に「かわいくお願いする」をよくやってもらっています。息子が「なんで○○してくれないの!!!」とか怒ってお願いするのは絶対ダメ! ってことにしています。我が家では何か人にしてもらいたいときは、ちゃんとお願いする! というのは鉄の掟……! やってくれたら「はーい、喜んで!」とお願いを聞いてあげています。

う~ん。だから、「正解」をやってくれたら「よしよし」って息子がいうのはたぶん、夫婦間のやりとりの影響のような気がします……。

ちなみに、私の「よーしよし!」は完全に先輩から後輩への「褒め」っぽいやつなんですけど、息子の「よしよし」は「いい子だね」的なかなりやさしい感じなので、微妙に違うあたりも、また面白いです。やってくれたら「それが正解だよ」とわかるように褒めてくれるのは、悪い気はしません。親子間では変わったコミュニケーションのような気もしますが、自分が考案して家族に提案している方法なので「変わってる」もなにもないですね。

ちなみに、この息子からの「笑って!」というアプローチ。こちらに余裕がないとか、そういうときは有効なのですが……息子が怒られてるときもやるようになってしまいました。それはダメなんだよ……息子よ……。自分が怒られてるときはちゃんと話を聞かないといけないよ、と言い聞かせています。

いろんな方法とかアプローチとか考えて「ライフハック」的にやっていますが、タイミングとか状況にあわせないとダメなんだよね~。ということを息子を見て学んでいます。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。