「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第230回のテーマは「求められているのは解決? それとも…」です。

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平日の朝、子どもに「お腹痛い」と言わると、ついつい「えっ! どうしよう」と思ってしまいます。

熱が出てるとか、親から見て明らかな不調であれば「今日はもうダメだ……。学校には行けないし、息子にケアに専念しよう」と諦めがつくのですが、「お腹痛い」はかなり微妙なところです。なぜなら……最近の息子は「自分にとって都合の悪いことがあるとき」に「お腹痛い」というカードを使ってくることがあるからです。

習い事に行きたくない日、食べたくないものが食卓に出てきたとき、「お腹痛い」と言うことがしばしば。なので「お腹痛い」と言われるとちょっと身構えてしまうのです。「本当に痛いのかな?! 」と。

そして、次の段階として本当に痛そうだな……と思ったときに、「それはどれくらい痛いのかな? 」と考えてしまいます。それは、ちょっと調子が悪いくらいなのか、それとも学校に行けないくらい痛いのか。そして、どうしても「学校に行けないくらいだったらどうしよう……」と不安になります。

子どものことはもちろん心配なのですが、同時に「今日の仕事……! 」と、自分の今日一日の予定について不安になるのです。そこで、ついつい「じゃあ、お腹痛いのがどうしたら治るかな? 」と考えてしまいます。

「トイレ行った? 」と聞いてしまいますが、これは私も子どもの頃よく言われました。でも、トイレに行って治るようなお腹の痛みなら、子どもだってトイレに行きますよね。言われるたびに「なんでそんな当たり前のこと聞くんだろう」と思っていたにも関わらず、つい私も言ってしまっています……!

そして次、我が家は朝もお風呂に入ることが多いので「お腹をお風呂で温めたら」という提案。これはわりと、朝の子どもの不調に効くことがあるので、我が家は重宝しています。「まだ眠い」「眠すぎて頭痛い」なども、だいたいお風呂に入ると元気になることが多いんですよね。なので、我が家は夜にお風呂に入っても、朝それを沸かし直してお風呂に入ることが多いです。ちなみに、実際にお腹が痛いときにも効くことがあります。体を温めるのは大事ですね。

というわけで、どんどん「こうしたら? ああしたら? 」と言ってしまうのですが、息子に「どうにかしてほしいって言ってないの! お話きいてほしいだけなの! 」と言われたとき…「ああ! やってしまった」と思いました。

「お腹が痛い」と言われたときに、まず「大丈夫? 心配だね」とそこを受け止めてあげるのをついうっかり忘れてしまった。そして、別に息子はそのお腹の痛みを「解決してほしい」わけではなかった。ただ寄り添ってほしかった。ついつい、自分の「今日の仕事の心配」を優先したり、心のどこかで「本当かな」と疑ったりして、寄り添うというのを忘れてしまったのです。反省しました。

なんかこれ、よく聞く「妻の愚痴に、解決方法だけ言ってしまう夫」みたいな感じもあるな……と思います。まず自分の不安だったり悲しかったりする気持ちに寄り添ってほしいのに、「解決しなきゃ」という対応をしてしまう。これって、やっぱりどこかで「早く元気な状態になってほしい」という、話を聞いてる側の都合が入ってるんじゃないのかな……と思います。

実際に自分も以前パートナーが私の具合の悪いときなどに、全然寄り添ってくれなかったことがありました。それに対して「まずどうしたの? 大丈夫? って聞いてほしい」という話をしたんですよね。なのに、自分は子どもにうっかりやってしまった。こういうのって、男女あるあるじゃなくて関係性によるのかも、と思ったのです。

今回、子どもであれパートナーであれ、相手からネガティブな状態を開示されたときはまずは「どうしたの? 大丈夫? 」と言わないとなと思いました。息子に対して「何かお腹が痛いことにしたい、都合の悪いことがあるのでは……」という気持ちがよぎったとしても、まずは傾聴して寄り添う。状況によっては難しいときもありますが、子どもが本当に弱っているときに寄り添えなかったら、結局は自分も後悔してしまうことになります。

ちなみにこのマンガの出来事のあった日は、「大丈夫? 」と寄り添ってから、朝ゆっくりお風呂に入るとお腹が痛いのは解消したそうで、いつもどおり学校へ行きました。お腹の痛さは特に心理的な影響もあるのでなるべく寄り添って安心させてあげないとな、と反省しました。

新刊『子どもにキレちゃう夫をなんとかしたい! 』

(幻冬舎刊/1,100円)
12月7日発売予定。家事分担や育児にまつわる諸問題を話し合って解決してきた著者・水谷さるころ&事実婚パートナーのノダD。しかし子どもが大きくなって、しかもコロナ禍に突入したことで、夫・ノダDの「不機嫌&キレ問題」が再燃焼! 「これは家族だけでは解決できない! 」と決意して家族でカウンセリングに通い、改善していった実録コミックエッセイ。担当カウンセラー・山脇由貴子先生のコラムも収録。くわしくはコチラ

著書『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』

(幻冬舎/1,100円)
全編書き下ろしエッセイマンガ!
バツイチ同士の事実婚夫婦にめでたく子ども誕生! ここから「家事と育児をどうフェアにシェアしていくか」を描いたコミックエッセイです。家事分担の具体的な方法から、揉めごとあるある、男の高下駄問題、育児はどうしても母親に負担がいってしまうのか、夫のキレにどう対処する? などなど、夫婦関係をぶつかりつつもアップデートしてきた様子を赤裸々に描きます。くわしくはコチラ

著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。