• 004のalt要素

売れる図式ができたのはつまんない

――平成の30年で、テレビを取り巻く環境の変化は感じますか?

テレビはずいぶん変わりましたよ。1つはテレビに入るための学校ができたでしょ。お笑いの学校があったり、AKBなんかもそうだけど、そういう団体から1人1人が売れてくるとか、入りやすい門がたくさんできたじゃないですか。それがいいんだか悪いのかはよく分かんないけど、お笑いの人たちが「どこどこの何期生」っていうのはピンとこないよね。芸能界って、そんなとこだっけ? 自分でなんとか這い上がってくるとこだと思ってたけど、なんか順番待ちみたいなのがあるじゃない。賞レースがあって、勝つと売れる機会があるとか。そういう風に図式ができてるのがつまんないなと思って。図式じゃないところから何かいろんなものが生まれるのが面白いんじゃないの?と思ってるんですけどね。

――所さんは、もともとミュージシャンだったのが、今は司会者としてもご活躍されているというイレギュラーな売れ方ですもんね。

でも、今はもうテレビで歌おうなんて思ってなくて、これからはネットでずっと歌ってればいいやってなってる。もっとひどいのは、ネットで歌ってるからCDにしなくていいやとも思っちゃう。なんかどんどんそんな方向に来ちゃってるんだよね。どうしても皆さんに聴いてもらいたいなんて気持ちはないし、テレビを皆さんに見てもらいたいというのもないし。

――よく世間で「テレビは昔のほうが良かった」とか言うじゃないですか。出ている側としては、どう思いますか?

いやいや、ずっと今が一番面白いよ。昔のなんて見てほしくない。「昔のほうが面白い」だったら、やってきた意味も生きてる意味もないじゃん。だから、今日よりも来週の放送の方が面白いんじゃない? この次の収録の方が面白いと思いますよ。

――平成はおろか、昭和の時代から長くご活躍されていますが、以前、明石家さんまさんが、所さんとビートたけしさんに、一緒に引退しようって声をかけるとおっしゃっておりまして。やり切った感みたいなのは、あるんですか?

この3人はね、40歳になると50歳で辞めようって言ってたんだよ。50になったら60で辞めようって言って、今60だから70で辞めようって言う。で、70になると80で辞めようって言い出す。だから辞めないよ(笑)。だって面白くてしょうがないんだもん。

  • 005のalt要素

次の元号発表は大げさに

――いろいろお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。所さんにとって、「平成」とは?

平成とはねぇ。なんか、「平成になりました」って小渕(恵三・当時官房長官)さんの映像があるじゃないですか。ああいうのじゃなくて、もうちょっと華やかなほうが良かったよね。あれじゃつまんないよ。すごい変わったんだから、もっと“変わりました感”を出さないと。

――次の元号に向けては、準備期間がありますよね。

うん。だから、誰の記憶にも残るように、大げさにやるといいよね。そうすると、何年って数えやすくなるし。

――新元号のテーマソングの制作依頼とか来たらどうしますか?

来ないよ、そんなの(笑)。あのね、ちゃんとしたところは、私に頼まないから。いろんな洋画で吹き替えとかもしたりするじゃないですか。でも、ちゃんとした人物の役は来ないもん。変な生き物とかおもちゃとか、そっちだもん。だから、オリンピックのテーマも来ないよ。

――いっそ、自主的に制作しちゃえばいいじゃないですか(笑)

実はね、オリンピックの歌はもう2つくらい作ってあるんです(笑)。でも、「オリンピック」って歌詞に使っちゃいけないとか、いろいろうるさいんだよ。きっと、自信がないんだろうな。自信があったら、委員会が「どうぞどうぞ好きなだけやんなさいよ」ってなるはずだよ。

――2年後に迫っていますが、楽しみにされていますか?

俺ね、東京オリンピックに限って、世界新記録が出た時は金メダルの上のメダルをあげてほしいんだよ。

――プラチナとか。

そうそう、プラチナ的なやつか、純金的な。普通の金メダルは、4年に1回必ず出すじゃん。でも、世界新が本当に金メダルだぜ。その年の1番と世界新の1番は違うもん。東京五輪はそれをやってほしいなぁ。オリンピック委員会に内緒で、「もう1個メダルがありますよ」って言ってあげるんだよ。そしたら、「気が回るなぁ」って思うじゃない。

――さすが、日本はおもてなしの国だな、と。

あと、選手村にボテかつらとプラスチックの刀とか用意しとくんだよ。バカだから全員かぶるだろ(笑)。そうやって、世界に日本ここにありって伝えるせっかくのチャンスじゃん。でも、そんなこと考えてないんだろうなぁ、小池(百合子都知事)くんは。ここに呼んで、俺が「どう考えてるんだ、おもてなしは」って言いたいよ。ここ、一番たくさん書いてね。

――分かりました。テーマがちょっと変わってきましたが(笑)


  • 006のalt要素

    『所さんの目がテン!』(毎週日曜7:00~)

『所さんの目がテン!』似鳥利行プロデューサーが語る所ジョージ

毎回、収録の前の打ち合わせの時、スタッフの緊張を和らげるため、楽しいエピソードトークで盛り上げてくれます。特に最近は2日に1曲のペースで新曲をYouTubeに公開されていて、それを自らスマホで再生してスタッフに見せながら、その曲を作った時の状況や想いを詳しくお話ししてくれます。

「タマネギの収穫で感じたこと」、「夏には少し早いスイカを食べた」、「雨降りの日は子供の頃を思い出す」などなど、情感あふれるお話に、こちらも十分癒やされた後、リラックスした雰囲気で、くだらないオープニングコントの収録に臨むことができます(笑)

あと、周りへの気遣いがすごくて、ご自分でデザインされているTシャツやオリジナルグッズなどが完成すると、毎回スタジオに持ってきて、共演者やゲスト、スタッフに、相手が気を遣わないようにさりげなく、ポンと渡してくれます。