東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+353円73銭となりました。

今週の高値は5月13日(水)の1万9791円88銭、一方、安値は12日(火)の1万9467円65銭。高安の値幅は324円23銭でした。日経平均株価は週半ばに1万9500円割れとなる場面があったものの、週末には1万9700円台で取引を終えています

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

5月11日(月)の東京株式市場は続伸しました。前週末の欧米市場は、英総選挙や米雇用統計、中国の追加利下げなどが好感され、上昇しました。その流れを引き継いだ東京市場も買い先行で始まり、日経平均株価は序盤に一時、+300円となる場面もありました。ただ、その後は利益確定売りと押し目買いが交錯し、一進一退の展開となりました。結局、日経平均株価は+241円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、石油・石炭、卸売、倉庫、非鉄、証券など30業種が上昇。一方、精密、保険、銀行の3業種のみが下落。

日経平均株価、TOPIXともに続伸となっています。

12日(火)の東京株式市場は3日続伸しました。前日の欧米市場が下落した流れを引き継ぎ東京市場も売り先行で始まりました。その後も日経平均株価は下げ幅を広げ、前引けは-121円で取引を終えました。しかし、後場に入ると、日銀によるETF(上場投資信託)買いへの期待が高まるのにつれて流れは一変し、日経平均株価は急速に下げ幅を縮小させ、大引け直前にプラス圏に浮上しました。結局、日経平均株価は+3円と小幅高で大引けを迎え、TOPIXは高値引けとなっています。TOPIX業種別株価指数は、精密、電力・ガス、保険、鉄鋼、海運、その他製品、繊維など19業種が上昇。一方、ゴム、鉱業、サービス、倉庫、医薬品、不動産、証券など14業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに3日続伸となっています。

13日(水)の東京株式市場は4日続伸しました。世界的な金利上昇への警戒感から前日の欧米市場は軟調な展開となりました。その流れを引き継いだ東京市場も序盤は売りが先行し、日経平均株価はマイナス圏で推移しました。その後、後場に入ると、先物に買いが入り始め、先物につれて現物の日経平均株価がプラス圏へ浮上し、一気に上げ幅は100円を超えました。結局、日経平均株価は+139円で大引けを迎えています。TOPIX業種別株価指数は、非鉄、その他製品金属、鉱業、鉄鋼、石油・石炭、機械など18業種が上昇。一方、紙・パルプ、保険、ゴム、銀行、空運、その他金融、情報通信など15業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに4日続伸となっています。

14日(木)の東京株式市場は反落しました。前日の欧米市場は長期金利が上昇するなか主要な株価指数が下落し、その流れを引き継いだ東京市場も朝方から売りが先行しました。その後は下げ渋る展開となったものの、後場に入ると先物主導で下げ幅を広げ、日経平均株価は-217円となる場面もありました。前日の上昇分を打ち消す形での下落となり、日経平均株価の振れ幅を示すVI(ボラティリティ・インデックス)は18.36と、今年最低の水準を記録しました。TOPIX業種別株価指数は、建設、紙・パルプ、水産、自動車、機械、ガラス・土石、金属の7業種が上昇。一方、銀行、陸運、倉庫、不動産、情報・通信、鉱業、その他金融など26業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに5日ぶりの反落となっています。

15日(金)の東京株式市場は反発しました。前日の米国市場でS&P500種株価指数が過去最高値を更新するなど、主要な株価指数が上昇した流れを受けて、東京市場も朝方から買いが先行しました。ただ、その後は中国市場が軟調に推移したこともあり、買いが一巡すると、日経平均株価は伸び悩む展開となりました。後場に入ると、序盤に日経平均株価は+63円まで上げ幅を縮小させたものの、その後は持ち直し、結局+162円で大引けを迎えます。TOPIX業種別指数はサービス、陸運、小売、銀行、空運、化学、情報・通信、倉庫など25業種が上昇。一方、紙・パルプ、鉱業、石油・石炭、金属、精密など8業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに反発となっています。

来週の予定です。5月18日(月)には3月分の機械受注統計と4月~6月の見通しが発表されます。19日(火)には4月分の全国百貨店売上高が発表となります。20日(水)には1月~3月期のGDP(国内総生産)速報値、3月分の景気動向指数改定値、4月分の全国スーパー売上高と全国コンビニエンスストア売上高が発表されます。22日(金)には日銀金融政策決定会合の結果発表と黒田総裁の会見、米国ではFRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長の講演が行われます。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。