東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏が、月曜~金曜(休日は除く)の東京株式市場を振り返って解説します。

株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスターの鈴木ともみ氏((C) サコカメラ)


経済キャスターの鈴木ともみです。東京株式市場の今週一週間の相場動向についてお伝えします。日経平均株価の今週末(終値)は前週末比+170円21銭となりました。

今週の高値は27日(火)の1万4744円16銭、一方、安値は26日(月)の1万4531円32銭。高安の値幅は212円84銭でした。今週は今年に入って初めて日経平均株価が6日続伸を記録しています。

では、具体的にこの一週間を振り返ってみましょう。

26日(月)の東京株式市場は3日続伸。前週末の米国市場で、S&P500種株価指数が過去最高値を更新したほか、為替が約2週間ぶりに102円台と、円安に振れたことから、東京市場も朝方から買い安心感が広がりました。夜の米国市場が休場であるため積極的に上値を買う動きが限定的となるなか、後場中ごろまではこう着状態が続きました。その後、終盤には先物にまとまった買いが入り、結局、高値引けで大引けを迎えています。日経平均株価は約1ヵ月半ぶりに1万4600円台を回復しました。TOPIX業種別指数では、証券、その他金融、電気・ガス、精密、銀行など32業種が上昇。一方、鉱業のみ1業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに3日続伸となっています。

27日(火)の東京株式市場は4日続伸となりました。米国市場が休場のなか、欧州市場が上昇した流れを引き継ぎ、東京市場も序盤から買いが先行。甘利大臣が閣議後の会見で「首相は法人減税に意欲的」とコメントしたとの報道が伝わると、6月に発表される成長戦略への期待が高まり、買戻しが入りました。日経平均株価は後場に入り一時、+141円まで上昇する場面があったものの、前週後半から急速に上昇してきた反動もあり、終盤は利益確定売りが膨らむ展開で大引けを迎えています。

TOPIX業種別指数では、紙・パルプ、鉄鋼、証券、不動産など18業種が上昇。一方、電気・ガス、海運、その他金融、輸送用機器など15業種が下落。

日経平均株価、TOPIXともに4日続伸となっています。

28日(水)の東京株式市場は5日続伸となりました。3連休明けの米国市場で、S&P500種株価指数が過去最高値を更新するなど、米株高を背景に東京市場も朝方から買いが先行しました。ただ、日経平均株価は1万4700円を上回る水準になると戻り待ちの売りに押され、後場に入ってからも、伸び悩む展開が続き、結局、大引けでは+34円と、小幅な上昇にとどまっています。日経平均株価は昨年12月の9日続伸以来、今年初めてとなる5日続伸を記録。TOPIX業種別指数では、水産・農林、建設、保険、情報・通信など21業種が上昇。一方、不動産、海運、鉄鋼など12業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに5日続伸となっています。

29日(木)の東京株式市場は6日続伸。前日の米国市場が下落、米長期金利(10年債利回り)が2.44%と約11ヵ月ぶりの水準に低下するなか、為替も円高・ドル安が進行し、東京市場も序盤から売りが先行しました。ただ、日経平均株価が75日移動平均線の水準を下回らなかったことから、徐々に底堅さが意識され買い戻しが入り、後場には日経平均株価が1万4700円台に上昇する場面も見られました。その後、高値圏では利益確定売りも出始め、終盤は上値が重い展開のなか大引けを迎えています。日経平均株価は今年初の6日続伸。TOPIX業種別指数では、水産・農林、輸送用機器、ゴム製品、その他金融、証券など23業種が上昇。一方、非鉄金属、不動産、医薬品など10業種が下落。日経平均株価、TOPIXともに6日続伸となっています。

30日(金)の東京株式市場はまちまちの展開となりました。

前日の米国市場では、過去最高値を更新したS&P500種株価指数を始め、主要指数が上昇したことから東京市場も朝方から買いが先行しました。前場中ごろまで日経平均株価の高安の値幅は、わずか40円程度と狭いレンジで推移し、しばらく膠着相場が続くなか、午前11時過ぎからは、為替がやや円高に振れるのと同時に、急速に利益確定売りが優勢となり、前引けの日経平均株価は一気にマイナスに転じました。後場に入ってからも軟調な展開が続き、序盤は100円近くまで下落する場面もありました。ただ、さらに下値を切り下げる動きにはならず、マイナス圏での推移とは言え底堅さを確認しつつ大引けを迎えています。TOPIX業種別指数では、電気・ガス、ゴム製品、情報・通信など12業種が上昇。一方、紙・パルプ、非鉄、証券、その他金融など21業種が下落。日経平均株価は7日ぶりの反落、TOPIXは7日続伸となっています。

来週の予定です。来週は海外で重要なイベントが目白押しです。6月2日(月)に米国でサプライマネジメント協会ISM(製造業景況感指数)が発表となります。4日(水)には、ベルギーのブリュッセルでG7(主要7カ国)首脳会議が5日(木)まで開催されます。また米地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表となります。5日(木)にはECB(欧州中央銀行)理事会の結果発表があります。6日(金)には米雇用統計が発表となります。いずれもぜひチェックしておきたいところです。

執筆者プロフィール : 鈴木 ともみ(すずき ともみ)

経済キャスター・ファィナンシャルプランナー・DC(確定拠出年金)プランナー。著書『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。東証アローズからの株式実況中継番組『東京マーケットワイド』(東京MX・三重テレビ・ストックボイス)キャスター。中央大学経済学部国際経済学科を卒業後、現・ラジオNIKKEIに入社。経済番組ディレクター(民間放送連盟賞受賞番組を担当)、記者を務めた他、映画情報番組のディレクター、パーソナリティを担当、その後経済キャスターとして独立。企業経営者、マーケット関係者、ハリウッドスターを始め映画俳優、監督などへの取材は2,000人を超える。現在、テレビやラジオへの出演、雑誌やWebサイトでの連載執筆の他、大学や日本FP協会認定講座にてゲストスピーカー・講師を務める。