ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」を運営するさとふるが、2026年10月1日から適用される、ふるさと納税の指定基準の見直しについて解説している。
2026年10月の制度改正で何が変わる?
今回の改正のポイントは、大きく「地場産品基準の明確化」「お礼品・募集費用に関する見直し」「お礼品確認事務の効率化」の3点。
1点目は、地場産品基準の明確化。今回の改正では、「広報目的基準」と「付加価値基準」の判断基準や算出方法が明確化される。
広報目的基準の明確化
現在は、区域外で製造された製品などでも、市町村名などが記載されている場合、一定の条件を満たせば地場産品として認められる仕組みがある。今回の改正では、こうした製品を自治体の広報目的のお礼品として扱うための要件が、より明確に定められる。
2026年10月からは、直近1年間に自治体が広報目的で自ら調達・配布・販売した実績があることや、指定対象期間中のお礼品の提供数量が、その配布・販売の実績数量を超えないことが求められる。また、指定対象期間中に、対象品目を広報目的で自ら調達・配布・販売する計画を定めていることも必要となる。
付加価値基準の明確化
現在、製造・加工品などのお礼品は、価値の過半が区域内で生じていることが要件となっている。今回の改正では、その付加価値割合の算出方法や証明手続きがより具体的に示され、運用ルールが明確化される。
2026年10月からは、付加価値の割合を価格に基づいて算出することが原則となる。また、製造・加工品などのお礼品については、その製造などを行う事業者が、価値の過半が区域内で生じたことを証明し、お礼品の提供開始日までに、自治体がその証明事項を一覧で公表することが求められる。
2点目は、お礼品などの調達費用の妥当性確保と、募集費用の透明性向上である。
お礼品などの調達費用の妥当性確保
お礼品などの調達費用について、より適正な運用を図るための見直しが行われる。
具体的には、「付加価値基準」に基づくお礼品について、事業者が「価値の過半が区域内で生じたこと」を証明する際、新たに一般販売価格も証明書に記載し、自治体がその内容を公表することとなる。
また、お礼品などの調達費用については、合理的な理由なく一般の小売価格を上回る価格で調達することがないよう、別途通知される予定だ。
募集費用の透明性の向上
寄付の募集に要する費用の透明化を図るため、自治体が支払う募集費用が1支払先あたり年間100万円以上となる場合は、支払先、支払額、支払目的を公表することが新たに求められる。
3点目は、お礼品確認事務の効率化。
総務省によるお礼品などの確認件数は、2024年度の指定時に約100万件を超えており、確認件数の増加を踏まえ、確認事務の効率化と適正性の確保を図るための見直しが行われる。
事前確認手続きの簡素化
自治体の事務負担軽減とお礼品提供の円滑化を図るため、前年度のお礼品の事前確認において基準不適合などがなかった自治体については、2026年度の指定手続きから一部書類の提出が省略され、お礼品の事前確認が免除される。
適正な制度運用に向けた確認体制の強化
一方で、お礼品などの基準適合性を確認するため、総務省が一部の自治体を抽出して調査するほか、基準適合性に疑いのあるお礼品などに関する「通報窓口」が設置される。
寄付者にはどんな影響がある?
今回の制度改正は、寄付者の手続きが大きく変わるものではない。一方で、制度改正に伴い、一部のお礼品では受付終了のほか、内容変更や寄付額の見直しなどが行われる可能性がある。
一部のお礼品の内容やラインナップが変わる可能性も
自治体や事業者による制度改正への対応に伴い、受付終了のほか、お礼品の内容変更や差し替え、寄付額の見直しなどが行われる可能性がある。
気になるお礼品がある場合は、制度改正前後で内容が変更される可能性もあるため、最新の情報を確認しながら寄付先を選ぶことが推奨される。なお、制度改正前日の9月30日は、アクセスの集中により、さとふるサイトの混雑が予想される。
自治体・事業者からはこのような声も
お礼品事業者からは、「これまで何となくお礼品として掲載していたが、今回の制度改正をきっかけに、自社商品がどの地場産品基準に該当するのか理解できた」「付加価値の考え方を理解する良い機会になった」といった声が寄せられている。
今回の制度改正は、自治体や事業者にとって、ふるさと納税制度の趣旨や地場産品基準について改めて理解を深める機会にもなっている。

