4月も半ばを過ぎましたが、まだまだ花粉症シーズンは続きます。ヒノキの次はイネ科が待ち受けており、戦々恐々としている人も多いのではないでしょうか。まだ花粉症になっていなくても、くしゃみや鼻水が出るようになると「もしかして発症した……!?」と不安になる人もいるはず。
今シーズンは例年と異なり、「新しい生活様式」に則って花粉症以外の人でも季節問わず常にマスクを着用するようにななりました。外出自粛、感染予防のためにメガネやゴーグルを付ける人も多く、こうした対策によって花粉が体に入る機会は少なくなったのではと考えられます。ですが、実際はどうなのでしょうか。
そこでマイナビニュース会員を対象に、「花粉症」についてアンケート。今回は、「花粉症になったきっかけ」をテーマに、まだ花粉症になっていない人の参考になる体験談を紹介していきます。
花粉症にかかっている人は6割、発症時期は20~30代が最多
マイナビニュース会員1,025人を対象に、現在、花粉症にかかっているか尋ねてみました。
Q.花粉症にかかっていますか?
はい ―――63.6%
いいえ ―――36.4%
「花粉症にかかっている」と回答した人の割合は63.6%でした。「かかっていない」と回答した人よりも、約30%以上高い結果となっており、花粉症で苦しんでいる人の方が多いことがわかります。このつらい花粉症、みなさんはいつ頃から闘っているのでしょうか。
いつから花粉症にかかっていますか? 覚えていないという方は記憶のある範囲でお答えください
1位 30~39歳 ―――19.7%
2位 23~29歳 ―――17.9%
3位 19~22歳 ―――12.9%
4位 40~49歳 ―――12.8%
5位 7~12歳 ―――9.5%
6位 16~18歳 ―――8.0%
7位 50~59歳 ―――6.9%
花粉症にかかった時期について尋ねたところ、最も多い回答は「30~39歳」(19.7%)でした。次いで「23~29歳」(17.9%)、「19~22歳」(12.9%)と、多数が20代から30代に発症しているようです。40代・50代に発症した人も約20%と、5人に1人の割合です。これまで発症していないミドル世代の人でも、いつ花粉症デビューしてもおかしくないのかもしれません。
花粉症にかかったきっかけ、44%が「ある」
発症した年齢では20~30代が最も多いことがわかりましたが、何かきっかけがあって発症したのでしょうか。そこで次は、花粉症にかかったきっかけとして、考えられることや覚えている出来事について聞いてみました。
Q.花粉症にかかったきっかけとして、考えられることや覚えている出来事はありますか?
ある ―――44.0%
ない ―――56.0%
アンケートの結果、「ある」は44.0%、「ない」は56.0%で、ない人が10%以上多い結果となりました。半数以上の人が、心当たりがないままに花粉症にかかっていたことがわかります。それでも、きっかけ気にづいている人が4割以上というのは、かなり高い確率なのではないでしょうか。
そして続いては「花粉症にかかったきっかけを覚えている」と回答した人に、どのようなことに心当たりがあるのか尋ねました。
Q.花粉症にかかったきっかけを覚えている方は、どのようなことがきっかけとなったのかを教えてください
森や山に出かけた、引っ越しをした
男性/61歳
スギ花粉症が発症する時期に杉の山でハイキングをした男性/56歳
吉野の山奥に小旅行に出かけた時、突然くしゃみが出だし、目が痒くなった記憶があります男性/35歳
花粉の舞う季節に森林浴をした男性/30歳
春頃に森にキャンプに行って以降、花粉症になった男性/51歳
山に桜の花見に行った時に目が痒くなり、それ以降花粉症らしい状態が続いています男性/44歳
31歳で名古屋へ引っ越してから、すぐに花粉症になりました。名古屋の花粉の量が北海道とは比べ物にならないくらい多い気がします女性/46歳
引越してから花粉症デビューしました女性/45歳
田舎に2カ月間滞在した結果、花粉症になりました男性/64歳
群馬の山深い温泉宿でのんびり休暇を過ごしてから。周りに杉の木の山があったのを覚えている
春をすぎ暖かくなってくると、キャンプやハイキングなどに出かける機会が多くなりますよね。また進学や転勤などで、離れた場所に引っ越しする人もいるでしょう。こうしたレジャーや環境の変化をきっかけに、花粉症を発症してしまった人が多いことがわかりました。
まだ花粉症になっていない人が、森や山へ行く場合は、しっかり対策をしてから足を運ぶ方がいいかもしれませんね。
新しい生活習慣や環境の変化など
男性/38歳
3月にランニングを始めたこと女性/41歳
高校生のころ、1時間ほどの自転車通学が原因だと思う男性/66歳
就職して外回りの仕事になり、花粉にさらされる日が増えたからだと思います男性/67歳
ゴルフ場勤務で杉の木がたくさん生えていたことが理由じゃないかと思います。
進学や就職、または転勤や異動などをきっかけに、新しい生活習慣を取り入れる人や、新たな環境に身を置く人も多いことでしょう。そこで、そうした変化によって花粉症を発症してしまったのでは、という回答が目立ちました。
新しい環境で心機一転を図りたい人もいるかと思いますが、そんな前向きな気持ちの近くに花粉症にかかるリスクは潜んでいるようです。
育った環境や体質など
男性/31歳
家の近くにスギが生えていること男性/60歳
杉の木が多い公園で終日遊んでいた頃から発症したので、それが原因だと思っている男性/41歳
杉の木が家の近くにありその付近を良く通っていた
生まれ育った場所が森や山に近かったからだと考えている人も多いようです。当時は、「将来花粉症になるかもしれない」なんて思うことはなく、自然の中、駆け回っていたのではないでしょうか
春先から初夏にかけて鼻がグズグズし始めたら、真っ先に花粉症を疑ってしまいますよね
「ある日いきなり」という人も多数
男性/59歳
ある日の夕方突然始まった。コップがいっぱいになったらこぼれるように発症すると聞いていたので、自分のコップがあふれたのだと悟った女性/27歳
ある晩突然鼻づまりがして鼻をかんでもかんでも呼吸ができなかった男性/40歳
きっかけかどうかはわからないが、いとこのお葬式の時に発症した。精神的なことも影響しているのか?女性/41歳
子供を出産したこと男性/53歳
春頃に残業続きで、体調を崩して長く風邪をひいてしまった、そのあとから花粉症になった男性/58歳
生活が不規則になり、食事も糖質が多いものや加工品をたくさん食べるようになったこと男性/58歳
転職で環境が変わってストレスがあったことだと思う
これといったきっかけが思い浮かばず、「ある日突然」といった声も多数寄せられています。また、同じ「突然の発症」でも、ストレスや妊娠・出産による体質の変化が引き金になったというケースも。免疫の低下が発症につながったのか、体調をくずしたことをきっかけに花粉症になった人も目立ちました。
これまで全く花粉症の症状などなかったのに、いきなり目がかゆくなったり、鼻水が止まらなくなったりしたらびっくりですね。
今は花粉症でなくても、誰しも発症する可能性がある
いかがでしたか? 花粉症になったきっかけをご紹介しましたが、特別なことではなく、誰しもが普段の生活の中で遭遇しても不思議ではないことばかりでしたね。「誰でも花粉症になる可能性がある。自分もいつか……」と思った人も多いのではないでしょうか。
花粉が飛ぶ時期に山や森に行くときはもちろん、スギやヒノキの木から離れた場所でも、飛散する時期はマスクやゴーグルを使って花粉を体に取り込まないようにすること、体調管理やストレスに気を付けることも、花粉症になるリスクを下げることにつながるはずです。最後に、本稿で募った体験談やアンケート結果について、耳鼻咽喉科みやざきクリニックの院長、宮崎裕子さんからコメントをいただきましたので、紹介します。
耳鼻咽喉科みやざきクリニック 院長 宮崎裕子さんのコメント
花粉症にかかっている人は5割(2人に1人)
こちらにつきましては、発症時期は10代が最多で5〜9才でも30%が花粉症にかかっているとされています。そして花粉症にかかったきっかけは両親のアレルギー体質がベース。それに加えて生育環境、ストレス要因なども考えられています。
44%が「ある」以下となったのは、そのころに、多くの方が花粉症を自覚した時期だったのだとおもわれます。
森や山に出かけた、引っ越しをした/新しい生活習慣や環境の変化など/育った環境や体質など/「ある日いきなり」という人も多数
アレルギー体質があれば今は花粉症でなくても、誰しも発症する可能性があります。特にハウスダストやダニアレルギーを持っている方は注意が必要です。
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※ 耳鼻咽喉科アレルギー学会 鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会
調査時期: 2021年3月8日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 1,025人
調査方法: インターネットログイン式アンケート