次々に新しい料理や食材などが登場するとあって、『食のトレンド』は刻一刻と移り変わっていく。しかし、クライアントや職場の同僚と「あれ食べた?」という話になることはよくある。そんなときに「……聞いたこともない」というのは、かなりマズい。この連載では、ビジネスマンが知っておけば一目おかれる『グルメの新常識』を毎回紹介していく。第五回は「玄米グルメ」。

  • 玄米を使ったパスタやパン、パンケーキなど、おいしい玄米グルメが続々登場

進化した玄米グルメって?

玄米とは収穫したての籾米(もみごめ)から籾殻(もみがら)だけを取り除いた、精米していない米のこと。ビタミンやミネラル、食物繊維のほか、鉄分やカリウムなどの栄養素もバランス良く含まれている。老化を抑える抗酸化作用や美容効果があるビタミンEは白米に比べて約12倍も含まれており、アンチエイジング効果も。まさに忙しい現代人にとっては毎日食べたい『完全栄養食』といえる。

とはいえ、玄米を炊くには浸水時間は長くかかるうえ、炊いても食感がボソボソしたり少し硬かったり……。健康に良いとはわかっていても、おいしさの満足感はやや低く、なかなか続けられない、というイメージをもつ人も多いだろう。

今、そんな玄米をおいしく手軽に楽しめる新しいタイプの「進化した玄米グルメ」が続々と登場している。玄米の栄養価はそのままに、玄米パンや玄米パスタ、ふわふわの玄米パンケーキまで「これが玄米!?」と驚くようなメニューが増えているのだ。

進化した玄米グルメはどこで食べられる?

中でも注目を集めているのが、今年6月渋谷にオープンした玄米レストラン「GENMAI GENKIDO」の玄米グルメだ。ここではオリジナルの「玄米ペースト」を使った玄米パンケーキや玄米パスタなど、玄米料理とは思えないようなメニューが楽しめる。

  • GENMAI GENKIDOの玄米ペースト。玄米と水のみでできているのでグルテンフリーとなっている

玄米ペーストとは、玄米研究のプロフェッショナルである熊本玄米研究所にて国内で初めて開発された、契約農家が栽培した玄米と水のみを使用して作られているもの。トロリとしたきめ細かいペーストになっており、舌ざわりが滑らかだ。

ペースト化したことで玄米の汎用性が高まり、パンケーキやパスタをはじめ、同店で使われているドレッシングなどにも活用されているとか。「小麦粉と同じくらいふわふわ食感のパンケーキや、もちもちした食感の玄米パスタは、ペーストだからこそおいしくできた商品です」と同店マネージャー市原潤さんは話す。

進化した玄米グルメを実食!

GENMMAI GENKIDOの玄米パンケーキを食べてみると、ふわふわでまるでスフレのような食感。見た目は食べ応えがあるように感じるが、軽くて食べやすい。玄米の風味もほのかに感じられる。

  • GENMAI GENKIDOの玄米パンケーキは驚くほどふわふわ。写真はチョコバナナ(税込1,300円)

「玄米なので腹持ちがよく、ダイエットにもおすすめです」と市原さん。表面をキャラメリゼされたバナナが添えられており、スイーツとしても満足の一品。グルテンフリーとは思えないおいしさだ。味はチョコバナナのほか、シンプルなプレーン(税込1,200円)もある。

玄米パスタも味わってみた。こちらはしっかりと歯ごたえがあり、後味でほのかに玄米の滋味深い味わいも広がりおいしい。普段食べているデュラムセモリナ粉のパスタと信じ込んでしまうくらいのおいしさ。もっちりした食感はクセになりそうだ。季節によって内容が変わるパスタランチは、玄米パンとミニサラダつきで税込1200円~。

  • もっちりしている玄米パスタはクセになる味わい

どちらも、これなら玄米でも毎日食べられそう! と思えるおいしさ。手軽に玄米の栄養素をまるごと摂取できる玄米グルメは、パンケーキ好きな若い女性だけでなく、健康志向の高い中高年にも注目されている。

少子高齢化の現代のビジネスシーンでは、天気と同じくらい健康の話題が飛び交うようになってきている。進化したおいしい玄米グルメの話でも盛り上がれるかもしれない。