次々に新しい料理や食材などが登場するとあって、『食のトレンド』は刻一刻と移り変わっていく。しかし、クライアントや職場の同僚と「あれ食べた?」という話になることはよくある。そんなときに「……聞いたこともない」というのは、かなりマズい。この連載では、ビジネスマンが知っておけば一目おかれる『グルメの新常識』を毎回紹介していく。第一回は「マー活」。
「マー活」って何?
最近流行っている「マー活」という言葉をご存知だろうか。山椒をたっぷり使った、舌や唇がビリビリとシビれる料理を好んで積極的に食べることだ。
中華の四川料理では、山椒(麻=マー)と唐辛子(辣=ラー)を使った激辛料理を麻辣(マーラー)と呼ぶことに由来し、山椒好きな女性を中心に、最近、「マー活」という言葉が生まれている。毎年夏になるとエスニックやカレーなどの激辛メニューが大好評だが、今年は山椒がトレンドなのだ。
例えば、東京・有楽町の「パラダイスダイナシティ」では、看板メニュー「八色小籠包」(税別1,520円/8個)が人気だが、今夏は赤色の麻辣味の小籠包(税別1,200円/6個)が特に大人気。小籠包に箸を入れると、ジュワーとやや赤みがかった肉汁が飛び出してくるのだが、汁をすするとすでにビリビリとかなり辛い。さらに豚肉を使った小籠包を丸ごとほおばると、口の中でビリビリと辛さが倍増! 思わずビールを注文したくなる刺激的な味わいだ。
山椒鍋で「マー活」してみた
一方、全国展開している居酒屋「赤から」では、「ビリビリ山椒赤から鍋~ダーリン浮気は許さないっちゃ!放電ビリビリ花山椒鍋~」(1人前税抜1290円 2人前~)を7月20日から提供スタートしている。
この商品は人気アニメ「うる星やつら」とコラボレーションした夏鍋で、「うる星やつら」のキャラクター・諸星あたるがほかの女性に興味を示した時に、ラムちゃんが加える電撃制裁をイメージしたものだという。
鍋がグツグツと煮えてくると、山椒の爽やかな香りが辺りに漂い、もう食欲全開! 思い切り鍋の湯気を吸い込むと、むせかえりそうになるのでご注意。鍋の基本のスープは辛くない0番から激辛の10番まで選べるので、一番人気の3番スープで実食してみた。
まず山椒特有の爽やかな香りに包まれながら、一口目をいただく。するとさっそく唇や舌先がビリビリとシビレだした。快感! さらに食べ進めると、肉団子や油揚げ、もやし、ニラなどの具材と山椒がほどよく絡み合い、旨味が口の中に広がる。特に牛もつの旨味と山椒の相性が絶品で、もう箸が止まらなくなる(個人的には牛もつの具材を追加注文したくなる)。
数杯お代わりする頃には、じんわりと額が汗ばむ。満腹感に浸れるだけでなく、いつまでも続くシビレに恍惚感まで味わえる。そして脳天のあたりがすっと涼しく感じてくるのが不思議。
山椒の辛さは唐辛子とは違って、鼻先や舌先で辛さが爆発する感じだ。とても刺激的だが、唐辛子のように舌の奥の方まで、いつまでもあと引く辛さでないので、瞬間的に辛くても、どんどん食べ続けられてしまう。さっきまでうだるような暑さに食欲が減退気味だったのがまるでウソのよう。
「マー活」にオススメの赤からの山椒鍋は8月19日までの期間限定商品。最近、夏バテ気味で元気がない人は、ビリビリ「マー活」を体験してみてほしい。