編集部とお笑いが好きなライター推薦により、今年ブレイク必至の芸人をピックアップする新連載『お笑い下剋上2021』。賞レースに対する意気込みやコンビの関係性などを聞きつつ、お笑いへの向き合い方やパーソナルな一面にも迫っていく。
第3回に登場するのは、マセキ芸能社所属の漫才師「カナメストーン」。中学で出会い、上京から12年同居している幼馴染コンビだ。人生の大半をともに過ごす彼らの強みは、本気で「ともに過ごす時間を楽しんでいる」こと。
『M-1グランプリ2020』は惜しくも準々決勝で敗退したが、それを機に「明るく泣き虫の零士・奇人の山口」というキャラクターと漫才の面白さがお笑いファンにバレ、人気に火が付いた。急激にライブシーンのトップに駆け上がり、勢いそのまま『M-12021』の活躍が期待される彼らに、話を聞いた。
――2020年後半から、急激に知名度が上がっている印象があります。きっかけは『M-1グランプリ』でしょうか?
東峰 零士(以下、零士):そうですね。なんなら、それまでは本当に"誰も知らない"くらいの感じで。
山口 誠(以下、山口):ラジオ(カナメストーンのカナメちゃん村)をやったことで、人間を分かってくれたのもあるのかなぁ。
零士:(2020年5月から)ラジオをやり始めて、「こういうやつらなんだ」って少し分かってもらった上での『M-1』だったんで、それが良かったのかもしれません。
山口:『M-1』準々決勝が終わった後のラジオで、零士が泣いたんですよ。
零士:僕がめちゃめちゃミスっちゃって、悔しくて!やだったんですよ。
山口:ラジオで泣いたのが広まって(笑)。
零士:それくらい『M-1』に人生懸けてるんで!そりゃ涙も出るよ!みんなに知ってもらえるきっかけになったし、『M-1』様々ですね。
――注目度が上がっていることは、体感していますか?
零士:エゴサするんで分かるんですけど、めちゃめちゃツイート増えてます、はい。ただ、コロナ禍で出待ちができないじゃないですか。だから実感はあんまりないですね。味わってみたいですよ、行列できた! みたいなのを。
山口:そうそう。三四郎さんが売れる前は、ぐわーって長蛇の列ができて。
零士:すごいの見てたからね。俺らもいつか、あぁなれたらなぁ。早く、対面で実感したいですね。
――エゴサをしていて、言われる内容の変化は感じますか?
零士:あ~……ちょっと寂しくなってます。
山口:えっ、どうしたの零士。
零士:お笑い好きな方って、発掘したいんですよね。
山口:青田買いみたいな。
零士:カナメストーンに対しては、もう「面白い」とかは言わなくても良いか、みたいなのを感じて寂しいんですよ。「面白い」ってずっと言ってもらいたいんで……。
――カナメストーンが面白いのは、お笑い好きにとっては当たり前のことになってしまった?
零士:嬉しいことなんですけど、でもずっと言ってもらいたいんですよ(笑)!ツイートを見つけたら、いつもは「いいね」するんです。でも「カナメストーンは置いといて、〇〇がびっくりするほど面白かった!」みたいなのを見ると、「いいね」するか迷います。悔しくて(笑)。「面白いって言ってよ!俺らのことも!」って思っちゃいます。
山口:零士は「なにくそ!」ってならないもんね。
零士:うん、褒められたい。
山口:零士は反骨精神で良いのが出るタイプじゃないんですよ。とにかく笑顔でやっていくんだから。
零士:毎日を、笑顔で楽しく過ごしていきたいから(笑)。