外科医であり、母であり、漫画家でもあるさーたりさんが、ドクターとしての日常を描きながら健康に役立つ情報などをお届けする4コマ漫画連載「オペ室より愛をこめて」。今回はある医療マンガの名作にまつわるお話です。
患者を救うことだけに全力を尽くす姿が……
前回は「コウノドリ」の話題でしたが、今回は医療マンガの名作「ブラックジャック」(BJ)です。今秋より、主人公・間黒男の医学生時代を描いた「ヤングブラックジャック」がアニメで放送しています。
「ブラックジャック」を知らない医者はいないだろうと思うほど、医者はみんな一度は読んでいると思います。大学の講義で習う病名に「あ! これBJにでてきた! 」といちいち反応したり、「BJみたいな医者になりたい」と医学部に入学してきたり。
無免許医師の天才外科医で、奇形腫から人間のパーツを作った女の子・ピノコを助手に、人間どころか動物や宇宙人まで手術で治し、法外な治療費を請求する……など、現実にはありえないし、ツッコミどころもたくさんある話ではあります。
でも、「医師免許があっても」病院内の規則や、医療とは直接関係のない会議や書類などの事務的作業に忙殺されている現代の医者にとって、「医師免許がなくても」目の前の患者を救うことだけを考えているブラックジャックは、自分がなれないからこそ憧れの存在です。
あと、「法外な治療費」と言いましたが、ブラックジャックは無保険治療であると考えると1,000万円や2,000万円は法外ではなく妥当な値段なのかもしれません……。
筆者プロフィール: さーたり
某大学病院勤務の消化器外科医。2児の母の生活、外科医の日常、漫画・アニメへの溢れる愛を描き散らしたブログ「腐女医が行く!!~外科医でママで、こっそりオタク~」を絶賛随時更新中。