外科医であり、母であり、漫画家でもあるさーたりさんが、ドクターとしての日常を描きながら健康に役立つ情報などをお届けする4コマ漫画連載「オペ室より愛をこめて」。今回は乳がんの自己検診にまつわるお話です。

「いつもの胸と違う」と感じたら受診を

今回は前回に引き続き、乳がんについての話です。

「自己検診」というと、なんだか大ごとに聞こえるかもしれませんが、要するに「自分の胸のいつもの状態」を把握できていることが大切なのです。

お風呂に入って体を洗うときでいいんです。鏡で自分の胸を見る(これを意外と忘れがちの人が多いです)ときでいいんです。自分の手で胸を触って、自分自身の身体に気を配ってみてください。

前回にも書きましたが、乳がんは「自分で見つけることができるかもしれない」数少ないがんです。乳がん検診に幾度となく携わった私も、「もっと早く見つけられたのでは? 」と思う乳がんの患者さんに今まで何人も出会いました。

「いつからしこりがあったかわからない」という方。

「気付いたら大きなしこりができていた」という方。

それから、「気付いていたけれど病院に行くのが怖くて行けなかった」という方……。

病院も検査も、「全然怖くない・痛くない」とは決して言えません。それでも、「いつもの胸と違う」と感じたら受診していただきたいです。「それぐらいで大げさな」と笑う医師はいませんから。

この文を読んで、早速今日から自己検診を始める方が1人でもいらっしゃれば、連載をしていてこれ以上うれしいことはありません。

ちなみに男性の方、ひと事じゃないですよ! 男性も乳がんになる可能性はあります。パートナーの乳がん発見に協力すると共に、女性同様、自分の体の変化に敏感でいてください。



筆者プロフィール: さーたり

某大学病院勤務の消化器外科医。2児の母の生活、外科医の日常、漫画・アニメへの溢れる愛を描き散らしたブログ「腐女医が行く!!~外科医でママで、こっそりオタク~」を絶賛随時更新中。