投資家目線で様々な新規事業も

まいど、"相場の福の神"こと藤本誠之です。この連載では、上場企業の経営者との面談から気づいた、藤本がすごいと思った、ユニークなビジネスモデルの企業をご紹介します。

今回で、この連載は最終回となります。今まで、ありがとうございました。最終回には、とっておきの企業をご紹介いたします。第19回は、「投資家目線で様々な新規事業も」です。

コールセンターでマッチング

今回ご紹介するシェアリングテクノロジー(3989 東証マザーズ)は、ライフサービスのマッチングプラットホーム「SHARING PLACE」を運営している企業です。本社は愛知県名古屋市中村区名駅にあります。

「SHARING PLACE」は、水回り修理、害虫駆除などの様々なユーザーのニーズと、質の高いサービスで対応できるサービス提供者とを365日稼動し続けるコールセンターを通じて結びつけています。

様々な生活サービスを119ジャンル193サイト(2017年9月末)運営しており、約2,600社のサービス提供者とマッチングしています。サイトには、「ペット葬儀」などのワードを検索した顧客を、Googleなどの広告によって自社サイトに誘導しており、元々にニーズのある消費者に自社のサイトを閲覧させ、コールセンターに電話させるようにしています。

同社は膨大なデータを駆使した独自のテクノロジーでユーザーとサービス提供者のマッチングを実現し、ユーザーがサービス提供者に支払った料金から、一定の割合の成功報酬をもらいます。

この分野では、圧倒的なトップシェア企業で、累計お問い合わせ件数は125万件以上、流通総額は187億円となっており、今後も安定的な高成長が見込めます。WEBのみのマッチングを行う企業は多いですが、コールセンターで受けている企業はほとんどなく、意外なブルーオーシャンのビジネスとなっています。

投資家目線で様々な新規事業

本業からの収益基盤を基に、銀行借り入れなどで資金を調達、M&Aを駆使して、一気に売上高を伸ばしています。

上場後、7カ月間で6つのM&Aを実施しています。買収総額24億円程度に対して、M&A対象会社合計の簿価純資産が25億円程度となっており、6つのM&A合計で考えた場合、純資産が既存せず、バランスシートが悪化しないようにしています。

また、マンションを一棟借りして、民泊型ホテル事業に参入しています。初期コストは掛かりますが、数年で資金回収できる非常に収益率の高いビジネスです。

今後の展開

既存ビジネス強化のため、コールセンター向け人工知能AIの開発を行う会社に出資するなど、既存事業の差別化にも余念がありません。また、少子高齢化・働き方改革で、企業の最大の悩みは、人材の確保です。これに対応するため、シルバー人材事業の検討も行っています。

戦略的で積極的な投資により表面上の利益が圧迫されますが、2020年9月期には、2017年9月期実績の約4.5倍の経常利益を想定しています。