連載コラム『年収350万円で200万円貯めた! 元会社員の節約術』は、若くしてお金を貯めるにはどうすればよいかについて、執筆者の美月小夜(みづきさよ)氏が自身の実体験に基づき、"究極の節約術"を伝授します。


「お金は遣うためにある」確かにそれはそうなのですが、それにしても、次から次へと大きなイベントが押し寄せて来てしまう。これがもし、結婚、出産、住宅購入の典型的な出費だとしても、正直なところ、住宅購入までは視野には入れていませんでした。グズグズと言うようですが、住宅ローンを完済したマンションで、親子3人、いえ、子供も2人、3人と産んでも余裕のある生活を送るはずだったのに…。しかも、そのためのファミリー物件の購入だったのでは…と考えている私がいました。

今まで私が思い描いていた設計図は夫の手によりもみくちゃにされて、夫の設計図を差し出され、上書きさせられることになりました。これが、世帯を持つと言うことなのかも知れないと思いました。時々、この家には男が二人いるのではないかと思う時があります。芸能人にありがちな離婚原因ではありませんが、夫も私も、生命力に溢れ、一度決めたら突き進む意志の強さがあるからこそ、同じ方向へ進まないと、ぶつかったら砕け散ることが容易に想像できます。結局、私たちは似たもの夫婦なのでしょう。

実際問題として後戻りできない状態まで来てしまっているため、現実世界に戻ると、引っ越し準備や出産の準備で頭を悩ませている女が1人、ここにおりました。出産は、近所の産院で分娩予約をしていたので、引っ越しは出産後、しばらくして子供の状態が安定してからすることにしました。正直、出産準備は着々と進めていたのですが、引っ越し準備までは考えていなかったので、今回は梱包から荷ほどき、配置まで全てお任せパックで引っ越せるように、夫に泣きつきました。そのお陰か、すんなりOKが出て、しかも引っ越し費用は夫が支払うという、完全勝利となりました。

正直、いつ産まれてもおかしくない臨月の身体では、もう身体が動きませんでした。身体が動かなかったのは、私が太りすぎて、ドスコイ状態だったのも原因だったのですが…。正直、臨月がこんなにも動けないものとは思いませんでした。なんと言っても重い…そして暑い…。出産が夏だったということもあり、とにかく早く産んで、軽くなりたいと考えながらも、仕事で早く終わらせられるものは、できるだけ早めるように行動をしていました。初産にもかかわらず、産休といった決まったお休みは予定していませんでした。

いえ、産休は自分で作る物だと考えていましたから、出産までの残された時間と、先取りできる仕事をただひたすらコツコツと終わらせていました。個人事業主には産前産後のお休みを取っても、公的な所得補償制度はありません。ただでさえ出費の連続ですから、可能な限り少しでも稼がなくてはいけません。その頃、夫は、新居と産まれてくる子どものことで頭がいっぱいの"お花畑"状態。でも、家事は相変わらず一切やりません。私はマタニティーブルーにもなる暇もなく、ひたすら時間とお金の貯蓄をしていました。

(※画像は本文とは関係ありません)