自転車に椅子やキャンプ道具を乗せて、ぶらっと出かける「サイクルチェアリング」。ライターのパリッコさんとスズキナオさんが始めた、アウトドア用の椅子を持って公園や水辺などの好きな場所でひとときリラックスする「チェアリング」に、自転車をプラスした楽しみ方とのこと。
イラストレーター・たじまなおとさんも、サイクルチェアリングを楽しむひとり。全5回のこの連載では、たじまさんがハマったサイクルチェアリングの遊び方を伺います。
第5回は、サイクルチェアリングの行き先で食べるご飯の楽しみについてです。
コーヒーのおともの食べ物
ご無沙汰しております。酷暑でとても外で運動するような気候ではなく、なかなかネタがたまらず更新が遅くなってしまいました……。
ひとりサイクルチェアリングについての連載もいよいよ今回が最終回。始めたきっかけ・行う際の注意点・持っていく道具について・外で入れるコーヒーについてなど紹介してきましたが、最後はコーヒーのおともの食べ物について書きたいと思います。
とはいっても、コーヒーについてはそこそここだわりがあるのですが、お弁当はたまにサンドイッチを作って持って行くくらいで、後はコンビニでパンやおにぎりを買っていく程度です。どこかお洒落なお店でテイクアウトでもして外で食べるのもいいですが、そういうお店がある場所はかなり足を伸ばさないとならず、昨今の不要不急の外出に当てはまりそうで後ろめたい……。
火が使えればホットサンドメーカーを持っていってその場でホットサンド! なんてことも出来るんでしょうが、緊急事態宣言下ではバーベキュー等で人を集めないためにどこも火気厳禁です。
なので、昔買って本棚の肥やしになっているお料理本の中から、私でも簡単に作れてちょっと特別感のあるサンドイッチを作って持って行くことにしました。
まずは普段あまり作らなそうでピクニックに似合いそうなものというと、ホットドッグなんてよさそうです。
細長いコッペハンにフライパンで焼いた長~いソーセージとコールスローを挟んで、後は粒マスタードをたっぷりとかければそれだけで贅沢な朝ごはんの完成。ラップにくるんで持って行くとマスタードが潰れてグシャグシャになってしまうので、マスタードは容器ごと持って行って現地でかけると写真が映えます(経験談)。
この時期、8時にはもう自転車を漕ぐには暑いので、早起きして6時前に出たのですが、川には更に早起きの釣り人たちがチラホラ。私は密を避けてそこから離れた誰もいない芝生の上で久しぶりの外の空気を味わいつつ、ひとりホットドッグを頬張ります。プリプリしたソーセージが最高であっという間に完食しました。
7時くらいには帰ってこないと暑さで大変なことになるので、そそくさと帰り支度。出来るなら秋になってから実行することをおすすめします。
他にも何か作れそうなものがないかと探していたら、最近話題の漫画『作りたい女と食べたい女』の中でコンビニにある材料でフルーツサンドを作っていて、これだ! と思いました。元々サイクルチェアリングをはじめたのも「ゆるキャン」の影響ですが、フィクションの中に出てくる料理を真似して作るのも作品の世界に入り込んだようで楽しいです。
最近は様々なお料理漫画があるので、料理が面倒くさくて食べたいものも思いつかない時に重宝しています。作ってみたい! 食べてみたい! というモチベーションを上げるには最適。しかし、ハンドミキサーなんて持ってないので、泡立て器で自力で生クリームを作るのはなかなか骨が折れました。「つくたべ」のように水切りヨーグルトを使えばよかったと少し後悔……。
生クリームを塗りフルーツを乗せて挟んだパンをパン切り包丁で半分に切り、綺麗に断面にフルーツが出た時は少しテンションが上がります。ちょっと緩めの出来の生クリームでしたが、芝生の上で一口食べた瞬間あまりの美味しさに生クリーム作りの疲れも吹っ飛びました。甘いクリームが苦いコーヒーに合う~。
家だと自分が食べるだけのために料理を頑張るのは億劫ですが、外で食べるためにと考えるとワクワクでいつもより少し手間のかかることも頑張れる気がします。皆さんも、これ簡単で美味しいよ!というサンドイッチがあったらぜひ教えてください。パンに何か挟めば大体美味しいのですが。
過ごしやすい春にサイクルチェアリングに目覚めて、これ最高じゃん! と皆さんにお知らせしたくてこの連載に繋がったのですが、あっという間に暑い夏が来てしまい気軽におすすめ出来る季節ではなくなってしまったので、早く涼しい秋が来ないかと願うばかりです。
皆さんも暑さと感染にはくれぐれも気をつけて、サイクルチェアリングを楽しんでください。それではまたいつか。
●注意事項
・サイクルチェアリングは一人もしくは同居している家族と行い、出来るだけひと気のない場所と時間を選んで密を避けて下さい。
・コーヒーを入れる場合、火気禁止の場所では火は使わずお湯を持っていきましょう。現在コロナ禍でバーベキュー広場なども火気禁止の場合が多いです。
・私有地で行うのはやめましょう。河川は一般的に共有地ですが迷惑にならない範囲で行ってください。
・ゴミは必ず持ち帰りましょう!