テレワークが広がり、都心にあるオフィスの近くに居住する必要性がなくなったと感じている人も増えているようです。

オフィスに毎日出社する必要がないのであれば、生まれ育った街で暮らしたい、何度も旅行に行っているあの街で暮らしたいなど、地方で暮らすことを希望している人もいらっしゃるでしょう。多くの地方自治体が、現在移住を検討している人やその地域に移住し始めた人に向けて、情報発信しています。

すでに移住した人の暮らしぶりを紹介したり、補助金や助成金等の金銭的なサポートをしたりして、「移住」を推奨する活動を行っています。第100回では、2つの地域(秋田県・茨城県)をご紹介しただけでしたので、今回は他の地域もご紹介します。これから地方に移住することを検討されている人は、ご参考にしてください。

  • 地方移住サポートを活用しよう

    地方移住サポートを活用しよう【3】

長野県

【1】移住ポータルサイト「楽園信州」

【2】移住総合WEBメディア「SuuHaa(スーハー)」

長野県の移住に関するサイトは、2つあります。

1つめのサイト「楽園信州」は、田舎暮らし「楽園信州」推進協議会(長野県企画振興部信州暮らし推進課内)が、長野県や長野県内の市町村と連携して運営しているサイトです。

トップページには、移住セミナーやツアー、相談会の情報が掲載されています。長野県内の市町村では、オンライン(ZOOM)を使ったWEB移住相談会を定期的に行っているようです。予約制で1組ずつ相談対応されています。相談できる所要時間は各市町村によって異なるので、聞きたいことを事前にメモをしておくとよいでしょう。また、漠然と移住を希望している場合でも、相談員から移住に関する制度や住まいの情報を得ることで少しずつ移住について具体化していくかもしれません。

2つめのサイト「SuuHaa」は、「長野の空気を深く吸い込もう、自分らしい暮らし方・働き方を取り戻すきっかけを。」というコンセプトのもと、地方自治体だけでなく、新聞記者、フリー編集者、フリーライター、コピーライター等さまざまな職種の人が協力してコンテンツを作っているようです。

このコンテンツの中に「長野県への移住を考えている方におすすめのサイト一覧」があります。 サイト一覧の中に「ニブンノナガノ」というサイトがあります。

このサイトでは、首都圏など都市部の企業で所属して仕事を続けながら地方暮らしをしたいケースなど、二地域居住を検討している人には、参考になるのではないでしょうか。

大分県

大分県移住・交流ポータルサイト「おおいた暮らし」

大分県でも、長野県と同様にオンライン(ZOOM)移住相談の窓口を開設しています。また、移住を検討中の人は「お試し移住(短期滞在)」をすることができます。大分県外の移住希望者に対し「お試し移住」の滞在施設として、市町村が指定する宿泊施設を利用した場合、滞在費用の一部を補助してくれます。ただし、補助額は市町村によって異なります。

例えば、日出町の場合、1人あたり2,000円/泊(最大3泊)補助のため、指定されている5,000円のホテルに3,000円/泊で滞在できます。他の市町村の補助については、下記のサイトをご覧ください。
→お試し移住の詳細こちら

FPとして注目していただきたい情報は、ポータルサイトの中の「おおいた暮らし実現までのステップ」というページで、下の方に「知っておきたい移住とお金」という項目があります。

大分県で暮らす場合の費用と東京や大阪で暮らす場合の費用の比較表がPDFでまとめられています。この表は、大分県への移住でなくても、地方への移住を検討する際には、目を通しておくと、地方で暮らす場合のおおまかな費用計算ができると思います。

PDFの平均的な生活費を比べた表によると、生活費全体としては、大分で暮らすほうが、かかる費用は少ない結果となっています。ただし、光熱費や自動車の欄を見てください。すべての費用が少なくてすむとは限らないことがわかると思います。

暮らしにかかる費用は人それぞれです。PDFに記載されている表はあくまで概算としてとらえましょう。

最後に

今回は、長野県と大分県をご紹介しました。各地方自治体が移住に関する情報をわかりやすく、かつ、丁寧に紹介していることがわかります。長野県は、首都圏から距離が近いこともあり、移住者に対してだけでなく、二拠点居住についてイメージしやすい内容が多いように感じました。一方、大分県は、首都圏から距離が遠いこともあり、移住希望者に向けて短期滞在を促すサポートがあり、大分県内に完全移住を希望する人向けの情報が多いように感じました。

2つの地域だけでも「移住」に対するサポートの違いを感じていただけたと思います。地方への移住や二拠点生活を検討しているのであれば、複数の地域のサポート内容を比べてみるとよいでしょう。