ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第45回は「#鶏焼肉」。

  • とり焼肉酒場 鶏ん家「名物 一枚ももカルビ(若どりor親どり)」890円

    とり焼肉酒場 鶏ん家「名物 一枚ももカルビ(若どりor親どり)」890円

味わい多彩な鶏焼肉が人気

焼肉といえば、一般的に主役は牛肉だろう。豚肉や鶏肉もメニューにあるが、サブ的な扱いであることがほとんど。だが最近は焼肉店も多様化し、豚焼肉や鶏焼肉の専門店も増えてきた。とくにSNSへの投稿が多いのが、鶏焼肉の店。高たんぱくで低カロリーな鶏肉は、あっさりしていて食べやすく、美容や健康への意識が高い人たちからの注目を集めている。焼き鳥も同じく鶏肉を焼いたものだが、鶏焼肉のほうがタレやソースのバリエーションが豊富。また、牛肉より安価に楽しめることも人気を後押ししているようだ。Instagramでは「#鶏焼肉」のハッシュタグ付きの投稿が約1.5万件、「#鳥焼肉」も9000件近くある。

鶏肉とレモンサワーを楽しむ「とり焼肉酒場 鶏ん家」

鶏焼肉とレモンサワーというユニークな組み合わせを提案しているのが、とり焼肉専門店「とり焼肉酒場 鶏ん家」。2020年11月に福岡県福岡市にオープンした新しい店だ。

  • 「バジルレモンハラミ」(570円/左)、「女子力高めレモンサワー」(540円)

コンセプトに「とりとレモン」を掲げ、新鮮な国産鶏肉を使用した鶏焼肉や鶏料理、そして近年ブームのレモンサワーを豊富にそろえている。レモンの爽やかな酸味とヘルシーな鶏肉の相性のよさに目をつけ、このコンセプトに決めたそうだ。

メニューは鮮度のよい国産鶏肉の14種類の部位を使った焼肉や鶏料理。実は同店を運営するトリゼンダイニングは、福岡のブランド鶏“華味⿃”の養鶏や水炊き店「博多華味鳥」の運営も手がける鶏肉のプロ。SNSでは「鶏肉の質が全然違う」との声もある。

一番人気のメニューは、直径30cmの超特大もも肉を使った「名物 一枚ももカルビ」(冒頭写真)。基本的に肉は客自身が焼くスタイルだが、このメニューのみスタッフが焼いてくれる。肉は、若どりか親どりかを選択可能。若どりはやわらかくジューシー、親どりは歯ごたえがあり味わいもしっかりしている。

鶏肉というと淡泊なイメージがあるが、食べ飽きないよう味付けに工夫もしているそうで、特製バジルソースとレモンであえた「バジルレモンハラミ」やマヨネーズで味付けをした「新鮮ササミの自家製マヨ」といったメニューもある。

鶏肉と並ぶウリであるレモンサワーは、ベースを焼酎かウォッカから選べる「鶏ん家 純レモンサワー」、レモンシャーベットをいれた「女子力高めレモンサワー」など全9種。SNSでは2種類のレモンサワーを飲み比べている投稿もある。

「鶏の鮮度が抜群なので、どこの部位を食べても美味しいです」と店長の高橋徹さん。アットホームで元気なサービスを心がけているそうだ。客層は30~50代のビジネスパーソンが中心で、カップルや夫婦も多いという。

豪快盛り合わせが人気「国産鳥焼肉バードン」

牛肉よりリーズナブルだからこそ、思いっきり楽しめるのも鶏焼肉の魅力だ。山盛りの肉の量に驚く「豪快盛り合わせ」が人気メニューとなっているのが、鳥焼肉専門店「国産鳥焼肉バードン」。川崎のれん街ほのぼの横丁内(神奈川県川崎市)と4月2日にオープンの「3・6・5酒場 千日前店」併設の千日前店(大阪府大阪市)の2店舗を展開している。

  • 「豪快盛り合わせ」(2,200円/800g、1,650円/600g)※写真は800g

人気メニュー「豪快盛り合わせ」は、大きめにカットされたももやむねなど全10種の鶏肉の盛り合わせ。価格は800gで2,200円、600gなら1,650円。牛肉と比べると桁違いの安さだ。

店内にはつけダレと薬味(塩・わさびなど)を20種類近く並べた「タレBAR」を設置。あれこれ味を変えながら、おなかいっぱいになるまで飽きずに食べられる。鶏肉はもともとの味が淡泊なぶん、いろいろなソースと合わせやすいのが魅力だ。

  • 「鳥ギョプサル」(1,419円)

女性に人気が高いメニューが「鳥ギョプサル」。韓国料理には、豚バラ肉を焼いてサラダと一緒にサンチュやエゴマの葉で包んで食べる「サムギョプサル」があるが、いわばその鶏肉バージョン。豪快に焼き上げた大判もも肉に自家製旨辛にんにく味噌をつけ、野菜で包んで食べる。

「女性のお客様からは『鳥ギョプサル』の包み野菜が多いと喜ばれています。また、『タレBARが楽しい』という声も多くいただいております」と同店を運営するレインズインターナショナル CWカンパニー マーケティング統括部の松本真さん。包み野菜は単品でも販売されているので、もも肉以外の部位でも楽しめる。

鳥焼肉と自然派ワイン「Cotori」

鳥焼肉と自然派ワインという組み合わせを楽しめるのが東京・祐天寺の鶏肉専門の焼肉店「Cotori(コトリ)」。ほかの肉よりヘルシーなイメージのある鶏肉を、焼き鳥とはまた違うスタイルで楽しんでもらおうと、ヘルシー、ナチュラル、クリーンをコンセプトに掲げて2020年1月にオープンした。

  • 鳥焼肉「8種の盛り合わせ」(1,750円/上)、ワイングラス(770円~/下)

秋田直送の比内地鶏や名古屋コーチンなど、全国各地の地鶏や銘柄鶏を、種類や部位を変えながら提供。塩胡椒、数種類のつけダレ、わさび、柚子胡椒などの薬味で味わう。人気メニューは少量ずついろいろな味を楽しめる鳥焼肉「8種の盛り合わせ」。ほかに、その日あるすべての部位を味わえる「ひと鳥の盛り合わせ」というメニューも人気だという。

煙と油がほとんどでない特殊なロースターを導入しており、静かで落ち着いた空間でワイン片手に肉を焼きながら、ゆったり食事を楽しめる。SNSでは「お洒落な隠れ家」との声も。

ヘルシーの延長線上として自然派ワインもそろえたそうだ。国産ワインが約3割、輸入ワインが約7割で、近ごろ話題のオレンジワイン(白ワイン用のブドウを赤ワインの製法で醸造したワイン)にも力をいれている。白・赤・オレンジをグラスで2~3種類、ボトルで5~6種類用意。スパークリングワインのボトルもある。

客層は20~50代までと幅広く、「鳥焼肉を知っている方、初めての方などさまざまですが、当店のロースターで焼いたお肉は『今まで食べた鶏肉とは違う』という感想をいただくことが多いです。また、食べ終わって本当に洋服に匂いがつかないと驚かれます」とオーナーの小島睦さん。リピーターが飽きないよう肉の銘柄やつけダレの種類を変えたり、ワインも流動的に入れ替えたりしているそうだ。

牛が主役の焼肉とはひと味違う美味しさと楽しさに出会える鶏焼肉。価格も手頃なので、ぜひ思う存分味わってみてはいかがだろうか。