ネット社会の現代では、グルメのブームに火が付くのも"SNSがきっかけ"ということも多い。ここでは、流行に乗り遅れないために知っておきたいSNSで話題の"バズるグルメ"をご紹介。トレンドに敏感なクライアントや同僚たちの前で恥をかかないように、しっかり話題のグルメを押さえておこう。第23回は「#台湾まぜそば」。

  • 太麺に台湾ミンチや卵黄、ニラがのった台湾まぜそば

台湾まぜそばとは?

近年、人気急上昇中の台湾まぜそば。極太麺の上に台湾ミンチ(ニンニクを効かせた醤油味のピリ辛挽き肉)や生のニラ、ネギ、魚粉・卵黄などをのせた汁なし麺だ。名古屋発祥の「台湾ラーメン」が台湾のラーメンでないように、こちらも台湾のまぜそばではなく、名古屋で提供されるのになぜか“台湾”の名が付く麺料理。名古屋めしの一つとして知られている。

汁なし麺ブームとしては、これまでジャージャー麺や、油そばなども人気になってきたが、こちらもよくかき混ぜて食べる料理。その味がとてもクセになると近年リピーター続出なのだ。

Instagramでは「#台湾まぜそば」の投稿だけで約12万7000件も(2020年4月現在)。「#まぜそば」「#名古屋めし」「#ラーメン」「#ラーメン好きな人と繋がりたい」「#麺スタグラム」「#麺活」などのハッシュタグも一緒に投稿されているものが多い。本場・名古屋の店舗からの投稿が目立つが、関東などでも多く食されているようだ。ちなみに台湾まぜそばは、2013年の「新なごやめし総選挙」で準グランプリを受賞し、一気に地名度を高めた。

台湾まぜそばの発祥! 名古屋の「麺屋はなび」

「#台湾まぜそば」の投稿に多く見られるのが、「#台湾まぜそばはなび」というハッシュタグ。台湾まぜそばは、2008年に「麺屋はなび高畑本店」(愛知県名古屋市)から生まれたのだという。現在は「麺屋はなび」国内38店舗(愛知・東京・滋賀・静岡・福岡など)、姉妹店3店舗(東京や愛知)に加え、海外(韓国・米国・マレーシアなど)も展開している。

  • 「麺屋はなび」の台湾まぜそば(870円)

経営企業である新山オールスターズの代表 新山直人さんは、台湾まぜそばの開発経緯をこのように話す。「名古屋で台湾ラーメンが人気だったので、うちでも試作をしてみたんです。でも当時、うちは塩ラーメン専門店だったので、あっさりしたスープにニンニクの効いたミンチが合わなくて失敗。当時のスタッフが捨てるのはもったいないと言って、スープの入っていない太麺にミンチをのせてまかないを作ったところ、すっごく美味しくて驚いたのです」。

開発当初は「辛すぎる」、「味が濃すぎる」などと周囲からのアドバイスもあったが、徐々に改良を加えて進化させ、翌年には県外からわざわざお客が食べに来るほどの大行列店に。さらに台湾まぜそば元祖の店としてメディアで取り上げられると、ますます人気は拡大し、真似して提供する競合店も増加。いまでは全国区に知れ渡るように。ずっしりと食べ応えがあるスタミナ麺だが、ニンニク風味がたまらないと女性や年配の方にも好評だ。

「もう10年以上もこの人気が続いているので、もはやブームではなく、一つの文化になったと感じています」と新山さん。「麺屋はなび」は海外展開もしているが、海外でも人気拡大中で、非常に伸びしろがあるという。例えば、外国人は行列を作ることがほぼないにもかかわらず、韓国や米国・ロサンゼルスでは毎日お客が店の前に大行列。特に韓国は路地裏の立地にもかかわらず、40~50人も行列を作るので、その近隣にも飲食店ができ始め、街のホットスポットの一つとして知られているという。

今後はスリランカやモンゴル、メキシコなどにも出店計画がある。「海外に台湾まぜそばの文化が浸透していくのはまだまだこれからです」と期待を語る新山さん。

「麺屋こころ」はバリエーション豊富。通販まで!

一方、「麺屋はなび」で修業した店主が東京の人にも食べて欲しいとオープンしたのが「麺屋こころ」。現在は関東に14店舗、東海に3店舗、近畿に2店舗、九州に1店舗を展開するほか、海外5カ国(シンガポール、カナダ、インドネシアなど)に7店舗を運営している。

  • 「麺屋こころ」では様々な台湾まぜそばをラインナップ

「はなびさんとの違いは、麺をさらに太くしてモチモチの食感になるようにアレンジし、台湾ミンチの辛さをやや抑えて食べやすくしたところです。またタレも太麺と台湾ミンチに合うように工夫しています」と話すのは「麺屋こころ」代表の石川琢磨さん。

台湾まぜそばのバリエーションが豊富なのも同店の特徴で、全11種類をラインアップ。その中でも人気があるのはテレビ番組でも紹介された「チーズ入り台湾まぜそば」(950円)。「チーズを使うことで台湾まぜそばの味わいをよりマイルドにしました。辛いものが苦手な方でも台湾まぜそばを楽しめ、特に女性のお客様に人気があります」と石川さん。

  • 「全部のせ台湾まぜそば」はチャーシューや台湾ミンチなど具だくさん

「全部のせ台湾まぜそば」(1.180円)もボリューム満点で人気。ゴロゴロとしたチャーシューは食べ応え満点で、他に台湾ミンチ、メンマ、海苔、味玉などいろいろなトッピングがのっている。こちらは男性客や学生などに特に人気なのだそう。

台湾まぜそばに興味があるけれど、辛いのが苦手という人には、さっぱりとした「塩まぜそば」(840円)もオススメ。塩味なのでまったく辛くなく、ゴロゴロとしたチャーシューやたっぷりのメンマ、水菜などが麺にのせてある。

  • 辛いのが苦手という人にオススメの「塩まぜそば」

他に同店では「カレー台湾まぜそば」(850円)、「九条ネギ盛り台湾まぜそば」(950円)なども味わえ、名古屋めし仲間でもある「台湾ラーメン」(820円)も提供している。また通信販売でも台湾まぜそばを入手できるので、自宅でも好みの具材で楽しめる。

ジャンキーで元気が出る台湾まぜそばは、ニンニク好きにはたまならい一品。全国的に人気拡大している名古屋発の台湾まぜそばは、市販のカップ麺や通信販売などでも楽しめるとのことなので、ぜひこの機会にチェックしてみよう。