全国各地で勃発する嫁姑問題。Twitterでは3人の男の子を子育て中の秋山さんの義母ツイートが話題を呼んでいる。「孫の誕生日プレゼントは水ようかんの空き容器」「手土産にお菓子よりも現金を要求する」......そんな衝撃的な義母との終わらない戦いに挑む秋山さん。今回は「産後に義母が会いに来られなかった」ときの話をお届けしよう。

  • 3人目が誕生! 産後は絶対安静の嫁に義母は......

    3人目が誕生! 産後は絶対安静の嫁に義母は......

3人目の出産

私事だが、2月1日に男児を出産した。この妊娠期間中、私は妊娠高血圧症候群と診断されていた。3人目にして初めてのことで、毎回健診で尿蛋白と高血圧を指摘され、後期に入ってからは自宅で1日2回の血圧測定が課された。そして胎児の発育不全と私の腎臓機能の低下が指摘され、次週に誘発分娩をしようと医師から言われて帰ったその日に陣痛がきた。一番の心配だった出生体重も、目標の2,500gを超えて生まれてきてくれた。

今回の妊娠期間中、医師からは「食生活の見直し」「十分な睡眠」そして「ストレスを溜めないこと」を念押しされていた。それは産後も継続され「産後のお見舞いも必要最低限、家族であっても1時間まで」と決められた。実際5日間の入院期間中、子どもたちは1度しかお見舞いにきていない。私がいなくて泣く子どもたちをなだめ説得して退院まで全てを一人でこなした夫に感謝したい。

この出産の2週間前、私のスマホに知らないアドレスから連絡があった。

「ついにスマートフォンデビューしました。産まれたらいつでも連絡をください。ママより」

“ママ”を名乗って連絡してくる人間は、私の周りには一人しかいない。夫に聞くとやはり差出人は義母だった。ガラケーだとかわいい孫の動画が見られないということで、3人目の誕生を前に、満を持してスマホデビューしたらしい。泣ける話だ。使い方は今勉強中だという。

ただこのとき臨月で、色々な心配を抱えていた私はこのメールに返信をしなかった。その後も何度か同じアドレスから「産まれたか?」という内容のメールが届いたが「妊婦 高血圧」「胎児 体重 増えない」で検索しまくる私はこの全てを無視した。

出産当日にも

そして出産当日の2月1日を迎える。分娩中も10分おきに血圧を測定しながらの出産となり、実際かなり危ない数値まで上がったらしいがなんとか降圧剤を使うことなく出産を終えた。

分娩後車いすで病室へ戻り朝を迎えると、夫から連絡を受けたらしい例のアドレスからまたメールが来ていた。

「産まれたそうですね、今日の夕方に行きます。部屋番号を教えてください。ママより」

私はスッとスマホを伏せた。出産まで必死で忘れていたが、そういえばこの問題がまだ解決されていなかった。

産後というのは剥がれた胎盤面から出血があり、私のようにいきむのが下手な人間は会陰が避け痔も飛び出し骨盤はガタガタ、おまけに全身筋肉痛でまさに体は満身創痍なのである。起き上がるのも一苦労な状況に加えて高血圧と言われている私は絶対安静だった。

普通の人間であれば、この状態を聞いて「それでも行きたい」とは言わないだろう。すでに夫が「(私の)体調が安定していないので面会はできない」と送っていたらしいが、うちの普通でない姑は「孫の指がちゃんと5本あるのか確かめに行きたい」と言ったのだ。つまり産まれた赤ん坊が健常児か確認をしたいということで、もちろん私がどんな状態なのかは聞きもしないし興味もなさそうだった。

義母と嫁の攻防戦

このまま無視することもできたが、そうすると常識と思いやりのない人間はきっと産院まで突撃してくるだろう。私は考えた。そして実にしょうもないことを思いついた。

「莨壹>縺ォ縺薙↑」

一切の返信を文字化けさせるのである。文字化けツールから変換した謎の羅列をそのまま貼り付けてお義母さんに送った。「読めないです」と返事が来た。そうだろう、私も読めない。再度返信してみる。

私「縺顔セゥ豈阪&繧〒!」
姑「スマフォが壊れているのかしら」

壊れているとすれば産後時間を使ってこんなことをしている私の思考だと思うが、そのあと2~3回やり取りし、お義母さんから返事が来なくなったタイミングで私は一度スマホを機内モードにした。付き合いも10年を超えると分かってくるのだが、このくらいでしびれを切らしたお義母さんが電話をしてくるのである。

実際そのあとすぐ、夫の携帯に「秋山ちゃんと連絡が取れない、電話も通じない。部屋番号を教えてほしい」という内容の電話があったらしい。もちろん夫はこのお願いを断るのだが、強メンタルのお義母さんからは次の日も私宛にメールが来ていた。真顔で文字化けメールを送る私 VS 決して挫けないお義母さん。

勝負は平行線かと思われたが、「一度電話をください」という姑からの要請に怒涛の3連続文字化けメッセージで畳みかけた結果、スマホが壊れたか嫁がヤバイことになったと思われたのか、ついにお義母さんからの連絡は途絶えた(実際は夫に連絡の全てがいくようになったのだが)。世界に平和が訪れた瞬間だった。勝利のファンファーレが鳴る。

おかげ様で入院中の5日間、お義母さんは姿を現さなかった。ストレスなく赤ん坊のお世話に集中できたおかげか、私の血圧も退院後には安定した。いつかはまたきちんとお義母さんとメールのやり取りができるようにしなければいけないと思いながら、(退院したら)、(お七夜が終わったら)、(生後2週間が経ったら)と来て、今は(一カ月健診が終わったら)とその目標は先送りされ続けている。今のところ連絡が取れなくなって困ったことはただの一度もない。ファンファーレだけが鳴り続けている。

著者プロフィール: 秋山

3人の男の子を子育て中のワーキングマザー。Twitter では、強烈な義母のとんでも発言やかわいい子どもたちの様子を綴り、人気を集めている。 衝撃の義母エピソードをまとめた著書「義母ダンジョンにハマっています。」 販売中。