1960年代にBOACが運用したボーイング707

1974年に活躍した1-11型機

国営の英国海外航空(BOAC)の時代を経て、1974年に英国欧州航空(BEA)と再合併することで、現在の社名に至った「ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)」。過去の主力機体とともに、黄金に輝く特別塗装機などに注目してみた。

80年代にはアフリカ・中近東へ

1960年代のBOACでは、ボーイング707を運航。コメットなき後のジェット時代の初期に活躍し、ボーイング747が就航する前の大陸間長距離路線で、ビッカース VC-10とともに運航された。そして、BOACとBEAが合併した1974年には、英国の航空機メーカー「British Aircraft Corporation(BAC)」製の1-11型機が活躍。主に英国内路線に就航されていた。

80年代に運用されたロッキードトライスター

1990年代からはA319が活躍

1980年代には、ロッキードトライスターがアフリカ・中近東などの中・長距離路線に就航。また、同時期の英国内及びヨーロッパ線では、ボーイング737とボーイング757が主力であったが、1990年代に入ってこの2種は退役となった。代わって英国内及びヨーロッパ線の主力機として活躍したのがA319だ。

エリザベス女王も搭乗したコンコルド

また、1976年1月21日から2003年11月26日までの間、BAは超音速旅客機「コンコルド」を運航していた。コンコルドはイギリスとフランス政府により共同開発され、当時のBAを象徴する機体でもあった。

世界で唯一の超音速旅客機は、分速22.3マイル(35.8km)の速さで飛行。これは、フルマラソンを69.8秒で完走できる速さであり、ニューヨーク~ロンドン間を2時間52分59秒で横断する記録を打ち立てた。最高飛行高度は6万フィートで、地球の湾曲が視認でき、25万平方マイルが見渡せる高さとなる。

運航時、BAはコンコルドを7機所有しており、200万人以上の乗客をもてなした。その内にはエリザベス女王とフィリップ王子もいたという。

世界で唯一の超音速旅客機「コンコルド」は、1976年~2003年に登場

カナダはクジラ、日本は鶴

BAの特別塗装に関しては、「World Image」という独自の取り組みがある。これは、各国のアーティストの作品を尾翼に描くCIコンセプトだ。1997年には、ボーイング757型機にカナダの「Whale Rider(クジラ遣い)」をテーマにしたデザインを施した。この757は英国内、短距離ヨーロッパ線に就航。ちなみに日本のデザインは、加山又造氏が製作した鶴のイメージだった。

ボーイング757型機の尾翼には「Whale Rider(クジラ遣い)」をデザイン

また、2012年のロンドンオリンピックに合わせた特別塗装も登場。金メダルと平和の象徴・ハトをあわせた金の特別塗装機「The Dove」をデザインした。こちらの航空機もA319型機が使われていた。

金メダルとハトを元にデザインされた「The Dove」

このデザインの効果もあってか、開催国英国の金メダル数は、29個で世界3位であった。前回の北京では19個で世界4位であったことを考えると、大きく躍進したことが分かる。2020年、東京の空にも金メダルデザインが登場すれば、金メダルラッシュが期待できるかも!?

British Airways(ブリティッシュ・エアウェイズ)

世界三大アライアンスのひとつ「ワンワールド」の設立メンバー。ロンドン・ヒースロー空港を拠点とする英国のフラッグ・キャリアであり、世界80カ国・170都市以上を結ぶ。世界に先駆けて、ビジネスクラスにフルフラットシートを導入するなど、先進的なサービスを展開している。

2013年には同社初となるエアバスA380を受領。同年には香港・ロサンゼルス線に、2014年2月にはヨハネスブルグ線に投入を予定している。