藤井聡太竜王に服部慎一郎七段が挑戦する第39期竜王戦七番勝負(主催:読売新聞・日本将棋連盟、特別協賛:野村ホールディングス)は、藤井竜王連勝で迎えた第3局が11月3日(火)・4日(水)に京都府京都市の「仁和寺」で行われました。角換わり腰掛け銀対右玉の力戦に進んだ対局は119手で藤井竜王が勝利。快勝といえる内容で防衛にあと1勝と迫っています。

おおらかな後手番作戦

AI研究全盛の将棋界にあって比較的おおらかな序盤戦術を好む服部七段。後手番で迎えた本局は藤井竜王の角換わり腰掛け銀に対して右玉で受けて立つ方針を採用しました。藤井竜王の快勝に終わった前局から先後を入れ替えた形で、この日は服部七段が千日手歓迎の玉移動で様子見。先手の穴熊のバランスの悪さを突いて手持ちの角を打ち込みたい構えです。

2日目に入ると、ところどころで歩がぶつかり戦いは盤面全体に波及。服部七段は3筋の歩も突っかけて応戦しますが、結果的にここから藤井竜王の秀逸な対応を見ることになりました。「攻めがつながれば先手有利、後手がこの攻めを切らせるか」という点が焦点となるなか、攻防の自陣角を軸として右桂を跳ね出したのが藤井竜王の読みの入った対応です。

「堅い、攻めてる、切れない」の三拍子

小駒を駆使した軽快な攻めが続きます。昼食休憩直前、銀取りに打った控えの桂が腰の入った好手で先手の攻めが切れないことが明らかに。服部七段は開き直って端攻めに打って出ますが、穴熊相手に攻め合いを求めるようでは苦戦の感は否めません。その後、藤井竜王に後悔の一手は出たものの全体的に先手ペースに変わりはなく、徐々に終局のときが近づきます。

終局時刻は18時26分、最後は服部七段の投了で熱戦に幕。終局図で藤井玉にはほとんど手がついておらず、また服部玉は受けても一手一手の状況でした。敗れた服部七段は局後「2日目の(指し手の)精度が低かった」と悔しさをにじませました。カド番に追い込まれた服部七段が踏みとどまれるか、注目の第4局は11月20日(金)・21日(土)に宮崎県都城市の「霧島創業記念館 吉助」で行われます。

水留啓(将棋情報局)

  • 2日目には対局室に虫が出るトラブルも中継されファンの話題をさらった(写真は1日目の様子。提供:日本将棋連盟)

    2日目には対局室に虫が出るトラブルも中継されファンの話題をさらった(写真は1日目の様子。提供:日本将棋連盟)